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将来の改札システムを想定した鉄道乗降実証実験への参画について

2019年11月 5日

 当社は、株式会社福井銀行(以下、福井銀行)と株式会社福井新聞社(以下、福井新聞社)が地域活性化を目指して実施する、非接触ICカード「JURACA(ジュラカ)」※1を利用した鉄道乗降実証実験に参画します。この実証実験は、2019年11月8日から11月20日までの期間で予定されており、当社は福井鉄道株式会社(以下、福井鉄道)の 福井城址大名町駅と清明駅に設置される簡易改札機、運賃計算などを行うクラウドサーバ等で構成される改札システムを提供します。

 本実験で、当社はABT方式※2と呼ばれる、ICカードの固有IDをキーにして、ICカードのタッチにより駅での乗降車場所や時刻などの乗降情報、定期区間などの乗車効力情報を全てクラウド等のセンターサーバにて記録・参照(ICカードには情報を書き込まない)する改札システムを提供します。
 JURACAは福井県が公認する唯一の電子マネーカード(ふるさと県民カード)ですが、鉄道利用情報を記録する仕組みを持っていないため、鉄道利用ができませんでした。今回当社が提供する改札システムでは、鉄道利用情報を一元管理するクラウドサーバを利用することで、鉄道での乗車券利用や定期券利用が可能となります。
 実証実験では、利用者がICカードを駅ホームに設置された簡易改札機にタッチした瞬間にクラウドサーバと通信、リアルタイムにサーバ内で固有IDに紐づく乗車効力情報の参照、乗降情報の更新、運賃計算が行われ、簡易改札機に運賃等の表示が行われます※3

 ABT方式は、固有IDを基にセンターサーバ上で鉄道乗降管理を行う仕組みであることから、非接触ICカードに限らず、コード決済や顔認識を用いた改札システムなど幅広い応用が可能と考えられます。また、鉄道に限らず、多様な交通サービスの乗降管理にも適した方式であり、今後拡大が予想されるMaaS※4の基盤技術としても普及拡大が見込まれます。
 当社は今後も鉄道における新しいサービスをご提供し、より便利で安心できる社会の実現に貢献していきます。

  

実証実験の概要

実証実験の概要
実施期間 2019年11月8日から11月20日
簡易改札機設置駅 福井鉄道 清明駅・福井城址大名町駅(いずれも福井市内)
その他 実証実験は関係者が所持する特定のICカードで行います。
(一般のお客様にご参加いただくことはできません。)
関連プレスリリース 福井銀行からのプレスリリースは下記ホームページをご覧ください。
https://www.fukuibank.co.jp/press/2019/juraca_iccard.pdf (PDF形式)(136KB)


※1
「JURACA」は、電子マネー機能と、福井ならではのオリジナルサービスが特徴の、福井銀行と福井新聞社がサービス提供している多機能型カードです。
※2
「ABT方式」とはAccount Based Ticketingの略です。乗車券には固有IDのみが記録され、センターサーバにて固有IDに紐づいた乗降情報や乗車効力情報の保持・参照・更新などを行う方式です。
※3
本実証実験では、ICカードからの運賃引き去り等決済処理は実際には行わず、仮想の残高に対する運賃引き去り処理、および仮想の定期券利用処理により、評価を実施します。
※4
「MaaS」とはMobility as a Serviceの略です。手元のスマートフォンでルート検索から予約、決済までが行え、好みの移動手段や移動パターンが選択できる、次世代のモビリティサービスです。

実証実験の運用イメージ
実証実験の運用イメージ