「ZEBプランナー」の登録について
2018年1月26日
当社は、平成29年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証事業の一環として一般社団法人 環境共創イニシアチブが公募する「ZEBプランナー」に申請し、本日1月26日に登録(登録種別:コンサルティング)されました。
ZEBとは、「先進的な建築設計による負荷の抑制や自然エネルギーの積極的活用、高効率な設備機器の導入などにより、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量注1の収支を正味(ネット)ゼロとすることを目指した建築物」です。2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画において、「2020年までに新築公共建築物などで、2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現することを目指す」という具体的な実現目標が設定されています。
「ZEBプランナー」とは、2017年度に新たに設置された制度で、「ZEB設計ガイドライン」や自社が有する「ZEBや省エネ建築物を設計するための技術や設計知見」などを活用して、一般に向けて広くZEB実現に向けた相談窓口を有し、業務支援(建築設計、設備設計、設計施工、省エネ設計、コンサルティングなど)を行い、その活動を公表する法人です。ZEBの導入計画がある建築主の依頼に基づき、ZEBプランニングを支援します。また、政府はZEBプランナーの情報を基に、ZEBの普及に向けたさらなる施策を検討する予定です。
当社はZEB実現のための段階的アプローチとして、「建築上の工夫」「設備機器の高効率化」「エネルギーマネジメント」「再生可能エネルギー」など建設時の4段階のステップに加え、開所後の施設の運用において「継続的な省エネ推進」を行う5段階目を設定しました。
BEMS(Building Energy Management System)注2と空調・照明などのファシリティ(設備機器)を連携し、当社独自の多機能画像センサ「SMART EYE SENSOR MULTI™(スマートアイセンサーマルチ)」注3などIoTを駆使して、過去データとの比較、現状の快適性や省エネの把握、将来の建物使用状況の変化への対応など、柔軟に日々の運用を見直し、継続的な改善努力を行っていきます。
東芝が考えるZEB実現のための段階的アプローチ
これらの取り組みの実績として、当社はラゾーナ川崎東芝ビルにおいてスマートBEMS注4によりファシリティを統合制御することで、快適性と省エネの両立を図るとともに、建物構造上の工夫を含めてビル全体で省エネ率50%注5(ZEB Ready注6相当)を達成し、「次世代省エネ型オフィスモデルの構築と運用」のテーマで、平成28年度省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」を受賞注7しました。
当社は、ZEBプランナーに登録されたことを契機として、BEMS機能のクラウド化やIoTおよび高効率なファシリティを統合制御することにより、ZEBの実現を目指す事業者様のプランニングを支援し、低炭素社会の実現に貢献していきます。
東芝のZEB 紹介サイト
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/building-dx/zeb.html
- 注1
- 建築物のエネルギー消費性能を評価する時の評価指標の一つで、冷暖房、換気、照明、給湯、昇降機などのエネルギー消費量の合計値。
- 注2
- ファシリティを統合的に監視し、自動制御することで、省エネや運用の効率化を図るシステム。
- 注3
- 東芝デバイス&ストレージ株式会社が開発した画像認識プロセッサ(Visconti™2)を搭載し、画像情報より人物の在/不在やおおよその人数・活動量などを検知可能な多機能人感センサ。
- 注4
- 従来BEMSのビル管理・制御機能を進化させ、快適性・省エネ・信頼性・効率性などのさらなる向上を図るシステム。
- 注5
- 当ビルにおける年間一次エネルギー消費量の2014年実績値を一般のオフィスビルと比較した値。一般オフィスビルの年間一次エネルギー消費量は、社団法人サスティナブル建築協会「DECC-非住宅建物の環境関連データベース」の区分G(用途:事務所 延床面積:30,000m2以上)に基づく。
- 注6
- 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上省エネを達成した建築物(経済産業省ZEB基準による)。
- 注7
- 野村不動産株式会社様、株式会社日建設計様、株式会社大林組様および弊社グループのNREG東芝不動産株式会社と共同で受賞。