マレーシアでEVバスの実証運行開始
-10分間の超急速充電で高い運行頻度を実現-
2017年8月28日
マレーシアのプトラジャヤ市でEVバスシステムの実証事業の運開式が本日開催されました。本案件は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業/10分間充電運行による大型EVバス実証事業(マレーシア)」を、当社が、株式会社ピューズ、株式会社ハセテックおよび株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバルと共同で受託したもので、本実証事業の予算総額は約36億円です。運開式は、本実証を行うために2015年6月にMOUを締結している同国の行政首都であるプトラジャヤ市とNEDOが開催し、マレーシア連邦直轄領省次官、プトラジャヤ市市長をはじめとする多数の政府関係者が出席しました。
当社は、本実証において、大型EVバスに搭載する二次電池の供給、クラウド情報システムの構築、充電ステーションの構築および全体のとりまとめを担当しています。本実証において、超急速充電に対応したEVバスの走行性能の確認、熱帯地域における電池の寿命特性や超急速充電の連続オペレーション時の性能などを検証します。
本実証では、急速充電性能に優れた当社製二次電池SCiB™を搭載したEVバスとバスターミナルに設置したパンタグラフ式充電装置を組み合わせることで、10分間の超急速充電運行を実現しました。このEVバスは1周30km以内の運行ルートにおいて、1周につき10分間の充電を行うだけで繰り返し周回することができ、高い頻度でバスを運行することができます。また、SCiB™の長寿命特性を活かし、適切な温度管理などを行うことで電池交換を10年間不要とすることを目指しています。
さらに、IoT技術を活用したクラウド情報システムによって、電池の残量、充電時の電圧や電流の状態をリモートモニタリングし、電池の残量不足や故障の未然防止に役立てることを目指しています。なお、本実証で使用するEVバスは、日本側から技術指導を受けたマレーシアの現地メーカが製作・保守を行います。
また本実証事業では、2018年にダブルデッカーEVバス及び、その充電システムを投入する予定です。アセアン、及びアジアでは、輸送性能に優れるダブルデッカーバスの需要増加が見込めますが、ダブルデッカーバスを導入する都市では、環境問題が特に深刻であることに対応するものです。
マレーシアでは、経済成長に伴う大気汚染を背景にエコカーやEVバス市場の拡大が見込まれています。
当社は今後、本案件で得られた知見をもとに、マレーシアのEV産業政策および環境対策に貢献すると共に、アセアン・アジア地域を中心に低炭素社会の実現に向けた都市交通システムソリューションの受注を目指します。
概要
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実証期間 | 2015年2月~2020年2月 |
実証内容 | 熱帯気候でのEVバスシステムの走行実証 二次電池の寿命特性検証 超急速充電の連続オペレーション実証 など |
システムの概要 | 大型EVバス11台 320kW超急速充電システム4式 チャデモ急速充電器1台 状態監視などの情報システム1式 大型ダブルデッカーEVバス2台 480kW超急速充電システム1式 |
運行ルート (予定) |
① マレーシア プトラジャヤ市内循環ルート 約23km ② プトラジャヤ市-サイバージャヤ市間循環ルート 約23km |
運開式出席者の集合写真
当社青木 常務によるプレゼンテーション
EVバス バスターミナル
EVバスプロジェクト マレーシア(2017/8/31 式典画像を追加しました)
以上