フリーゲージトレイン新試験車両向け鉄道電気品の納入について
- 新開発のモーターを搭載し、九州新幹線と同等の性能を実現 -
2014年4月21日
当社は、在来線の線路幅を変えずに新幹線との直通運転を可能にするフリーゲージトレイン(軌間可変電車、以下、FGT)について、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が開発している新試験車両向けに、モーターや制御システムなどの電気品一式を納入しました。
納入したのは、永久磁石同期電動機(PMSM)やインバータなどの主回路システムをはじめ、車両制御などの保安システム、各機器に乗務員からの指示を伝達する制御伝送装置などの電気品です。主電動機に省スペースで高出力を確保できる新開発のPMSMを採用したほか、制御伝送装置に軌間変換制御機能注1を搭載し、従来のFGT車両注2に比べ軽量化を図ることで、現在運行する九州新幹線と同等の性能を実現しました。高出力と軽量化を両立したことで、FGTの実用化に向け大きく前進しました。新試験車両は2014年度から耐久試験走行を実施する予定です。
FGT車両は、JRの在来線に採用されている線路幅1067mmの軌道と新幹線などに採用されている線路幅1435mmの軌道について、地上設備を変更することなく走行できる車両です。車輪幅を走行しながら変更するため、台車構造が非常に複雑になるほか、在来線と同等の車両幅で高速走行性能を確保するため、従来車両に比べて狭いスペースに機器を設置しなければならないという課題がありました。
当社は今後も、国内外で展開される高速鉄道について、PMSMなどの高性能な製品群を開発・提供するとともに、情報通信技術と連動した制御システムなどの提案を通して、高速鉄道の普及に貢献していきます。
- 注1
- 車輪幅を変更する際に車両状態の監視を行うFGT特有の機能
- 注2
- 2007年に開発した270Km/h以上での高速・安定走行を目的としたFGT試験車両
![PMSM](/content/dam/toshiba/migration/infrasolution/www/infrastructure/topics/2014/img/20140421_01.jpg)
PMSM
![制御伝送装置](/content/dam/toshiba/migration/infrasolution/www/infrastructure/topics/2014/img/20140421_02.jpg)
制御伝送装置
以上