東京電力パワーグリッドが世界で初めて注1自然由来ガスを適用した
当社製の300kV用GCBおよびGIBの採用を決定

~高電圧機器の脱SF6化により、温室効果ガスの削減に貢献~

2026年08月21日

 温室効果ガスである六フッ化硫黄(SF6)ガスを一切使用せず、自然界に存在する、二酸化炭素および酸素を混合したガス(自然由来ガス)のみを適用した、当社製300kV用のガス遮断器(GCB)および三相ガス絶縁母線(GIB)が、世界で初めて東京電力パワーグリッド株式会社に採用されることが決定しました。

自然由来ガスを適用した300kV GCB(イメージ)

 本製品は、当社が推進する自然由来ガスを適用した送変電機器のブランド「AEROXIA™」注2の中核製品として開発を進めているもので、従来のSF6ガスを適用した機器と同等の性能を確保しつつ、温室効果ガスの削減に貢献します。当社はGCBについては2029年度を目途に、GIBについては2030年度を目途に納入予定です。

 なお、300kV GCBおよびGIBを含むAEROXIA™を2026年8月23日から28日まで開催されるCIGRE(国際大電力システム会議)パリ大会の当社ブースにおいて紹介する予定です。

 GCBは、送電線に異常が発生した際に電流を遮断して他の電力機器への影響を防ぐ機器です。GIBは、変電所内で電力を送るための「母線」を、感電や故障リスクを防ぐために絶縁性能の高いガスで封入した機器で、開閉装置と送電線や変圧器との接続部分を広範囲につないでいます。
 GCBやGIBなどの送変電機器は、高電圧電流が流れる導体と周囲の金属タンクを電気的に絶縁するため、内部に高い絶縁性能を持ったガスを封入しています。これまで送変電機器には、絶縁性能に優れたSF6ガスが広く使用されてきました。しかし、SF6ガスは地球温暖化係数(GWP)が二酸化炭素の約25,000倍と非常に高く、大気中に漏えいした場合の環境影響が大きいため、その使用の削減が世界的に重要な課題となっています。

 この課題を解決するため、人体および環境への安全性確保(毒性・分解生成物への対応)、ハンドリングの容易性(取り扱いやすさ)、長期運用を前提とした信頼性確保の観点から、当社は、SF6ガスなどの人工的に合成されたフッ素ガスを一切使用せず、酸素・二酸化炭素など自然界に存在し、GWPが二酸化炭素よりも小さい自然由来ガスを送変電機器の脱SF6ガスの唯一の解決策と位置付け、開発を進めています。なお、AEROXIA™は、国内の電力会社・機器メーカー・研究機関などによって整理された、“SF6ガス代替技術に求められる「7つの要件」”注3を満たしています。

 当社は、自然由来ガスを適用した送変電機器において、これまで72/84kVのガス絶縁開閉装置(GIS)注4の製品化・受注のほか、420/550kV GIBの製品化を実現しています。また、既に300kV GISおよびGCBの基本性能を確認しており、この技術を用いて今回採用が決定した300kV GCBおよびGIBの製品化・製造を行います。今回の採用決定は、自然由来ガスを適用した高電圧機器の実用化に向けた重要なマイルストーンとなります。

 自然由来ガスを適用した送変電機器は、次世代電力ネットワークの要として、SF6ガス使用量の削減と安定した電力供給の両立に貢献することから、国内外の送配電事業者や再生可能エネルギー事業者から高い期待が寄せられています。当社は今後も、AEROXIA™ブランドによる脱SF6ガス送変電機器の事業展開を推進し、環境に調和した持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

注1 300kVで自然由来ガスを適用したガス遮断器および三相ガス絶縁母線において
    2026年8月21日時点、当社調べ

注2 「AEROXIA™」(エアロクシア)の詳細は以下を参照ください。
    TOSHIBA_AEROXIA_Brandbook_JPN_260227 (PDF形式)(8.96MB)

注3 SF6ガス代替技術への移行に向けたロードマップ 改定Rev.2 (PDF形式)(456KB) 3ページ参照

注4 送電線に異常が生じた場合に電流を遮断して他の電力機器への影響を防ぐための遮断器や、送電系統を切り換えるための断路器、避雷器、計器用変成器などから構成される設備。

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