量子技術由来の先端技術を用いた新たな株式指数の共同開発について
2026年05月20日
株式会社三井住友銀行
株式会社東芝
株式会社三井住友銀行(頭取CEO:福留 朗裕、以下「三井住友銀行」)と株式会社東芝(社長執行役員 CEO:島田太郎、以下「東芝」)は、量子技術由来の先端技術を用いて算出する、新たな株式指数「SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散日本株式指数」および「SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散米国株式指数」の2種(*1,2)、略称「SMBC/TOSHIBA量子分散」(以下「本指数」)を共同で開発しましたので、お知らせいたします。
1.背景・狙い
近年、資産運用において株式投資が広く関心を集める一方で、国際情勢の急激な変化や各国の経済政策の転換等を背景に、相場が突発的に大きく変動するリスクは常に潜んでいます。このように先行きが見通しにくい市場環境において、予期せぬショックから資産を守るための、新たなリスク分散手法のニーズは年々高まっています。
本指数は、三井住友銀行のマーケット領域における知見と、東芝の量子技術由来の先端技術を融合し、両社で共同開発した新たな指数です。本指数では、大規模な組合せ最適化問題を解くことで、従来手法では困難であった分散された株式ポートフォリオの構築を可能としています。これにより、市場環境が急変する局面においても分散効果が機能し、リスク抑制が期待されます。
2.本指数の概要
日本株式および米国株式を対象とした既存株式指数の採用銘柄をユニバース(構成銘柄候補の母集団)として、東芝の量子技術由来最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」を用いて年4回計算を行い、本指数を構成する銘柄を選定いたします。
各構成銘柄の構成比率は、各銘柄の過去の変動率を基に算出します。本指数は、2015年年末を起算日として算出開始しております。
3.本指数の特徴
(1)「低相関」銘柄群の厳選によるリスク分散
本指数は、構成される全銘柄のペアが互いに低相関関係となるよう計算されます。値動きの連動性が低い銘柄群を組み合わせることで、市場全体が急落するような局面においても、リスク分散効果を発揮することが期待されます。
(2)東芝の量子技術由来の先端技術による大規模組合せ最適化計算の実現
大規模なユニバースに対して上記のような計算を実行することは、候補となる組合せパターンの数が爆発的に増大するため、従来の計算機では困難でした。本指数は、東芝の量子技術由来の最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」の計算能力を活用し、従来の計算機では困難であった大規模な組合せ最適化計算を実現しています。
(詳細については、末尾「ご参考」をご参照ください)
(3)「机上の空論」に留まらない指数設計
実際のファンド運用を見据え、構成銘柄の流動性確保や定期的なリバランスに伴う取引コストの抑制など、独自かつ実践的な算出ルールを策定しました(※特許共同出願中)。これにより、先進技術の恩恵を投資家へ届ける、真に実用的な株式ポートフォリオを実現しています。
4.各社の役割
三井住友銀行は、市場部門で培った金融工学の知見を活かし算出ルールを策定する等、本指数の開発を主導しました。今後は運用会社への営業活動等を通じ、本指数を用いた新たな分散投資の普及を推進します。
東芝は、本指数のためにカスタマイズした量子技術由来最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」の技術を提供します。本指数の開発への参画に加え、運用開始後のマシンの技術的な維持管理や、年4回の定期的な銘柄入れ替え(リバランス)計算を担当します。
なお、日次の計算および公表業務は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(以下、S&P DJI)が担います。S&P DJIは、独立した世界的な指数ベンダーとして、市場データの収集や、株式分割・配当といった日々のコーポレートアクションの調整を正確に行い、透明性の高いデータを安定配信します。
5.今後の展望
本指数の公表は、両社の取り組みのスタートラインという位置づけです。今後は、本指数を実際の金融市場で広くご活用いただけるよう、様々な形態での利用に向けた提案活動を本格化させてまいります。
その第一歩として、運用会社各社に対し、本指数に連動する投資信託(インデックスファンド、ETF)の組成に向けた提案を正式に開始いたします。いかに最先端の計算技術を用いた指数であっても、実際のファンドとして商品化されて初めて、国内外の投資家の皆さまへ分散投資の具体的な選択肢を提供することができます。
今後も、三井住友銀行と東芝は、本指数を応用した新たな指数の創出など、量子技術およびその関連技術を含む最先端のテクノロジーを金融分野へ応用する挑戦を続けてまいります。
(*1)SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散日本株式指数 (S&P DJIにて近日公開)
SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散日本株式指数算出要領(英語表記に日本語表記が続きます):
https://www.spglobal.com/spdji/en/documents/custom/methodology-custom-smbc-toshiba-jp.pdf (PDF形式)
(*2)SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散米国株式指数 (S&P DJIにて近日公開)
SMBC/TOSHIBA量子技術由来分散米国株式指数算出要領(英語表記に日本語表記が続きます):
https://www.spglobal.com/spdji/en/documents/custom/methodology-custom-smbc-toshiba-us.pdf (PDF形式)
■ ご参考:量子技術由来最適化計算機について
量子コンピュータと量子技術由来(または量子インスパイアード)計算機は、膨大な数の候補から問題の解を高い確率で短時間に見つけ出すことを可能とします。量子コンピュータは、量子重ね合わせと量子干渉という量子力学的メカニズムにより全ての解の候補を同時並行的に評価し、問題の解を高い確率で出力します。量子技術由来計算機はサイバー空間で、量子コンピュータの原理に由来する古典的な物理システム(複雑に相互作用する多数の振動子)の時間的な変化をシミュレーションし、問題の解を高い確率で出力します。
東芝は、東芝独自の量子コンピュータである「量子分岐マシン」に基づき、その理論から演繹された革新的なアルゴリズムを古典計算機に高効率に実装することで、「シミュレーテッド分岐マシン」を発明しました。量子技術に由来する最適化計算機であるシミュレーテッド分岐マシンは、大規模な組合せ最適化問題を解くことにおいて高い性能を発揮します。東芝は、量子技術由来最適化計算機「シミュレーテッド分岐マシン」を、量子インスパイアード組合せ最適化ソリューション「SQBM+」として広く一般に提供しています。
SQBM+は、株式会社東芝の日本またはその他の国における登録商標または商標です。

