データセンター向けビジネスの強化について
~設計から施工、運用までバリューチェーン全体のソリューションをワンストップで提供~
2025年06月05日
株式会社 東芝
東芝プラントシステム株式会社
東芝グループは、AI需要などにより急拡大するデータセンター(DC)向けビジネスについて、DC設立の計画の段階から、設計、機器・資材提供、建設工事施工、設立後の効率的な運営、DCを利用したXaaS(ザーズ、X as a Serviceの略(あらゆるモノをサービスとして提供))に至るまで、一連のバリューチェーン全体に対応したソリューションをワンストップで提供するため、専任組織を設置し、東芝グループが持つ多様な関連事業を有機的に連携させ既存の事業範囲から拡大することで、ビジネスを強化します。
東芝グループはこれまで、DC向けに電源設備を中心とした機器・資材提供を行ってきましたが、建設工事施工を含め提供範囲を拡大し、DCに関わるステークホルダーから求められる種々のニーズに応えていきます。
デジタル化の進展に加えて生成AIの普及によりDC設立の需要が高まると同時に、DCで消費される電力の増加が見込まれています。カーボンニュートラルを考慮しながら、消費電力の増加にも対応するためには、再生可能エネルギーなどの脱炭素電源の活用や環境を意識した設備の導入、効率的なエネルギーマネジメントによる運営が必要になります。
株式会社東芝は2025年5月1日付で、新たに「DC事業推進室」を設置しました。企画や営業・技術機能を集約し、東芝グループとしてワンストップでDCに関するソリューションを提案する窓口となります。今後、DC事業推進室の人員を増加し、リソースを強化していきます。
また、建設工事施工強化のために、東芝グループでインフラ関連設備などの企画・設計などのエンジニアリングから調達、施工、フィールドサービスまでを一貫して行う東芝プラントシステム株式会社が、2025年7月1日付でDC向けビジネスに対応する専任の組織として「データセンターインフラ推進室」を立ち上げます。
DC事業推進室の下で関連する事業部やグループ会社が協力し、グループ横断でDC向けビジネスの強化に取り組みます。
東芝グループは、DC向けビジネスを中長期的な成長の機会と捉え、かつ市場の需要に迅速に対応するため、具体的な施策に取り組むとともに、DCの設立、それに伴う消費電力増加のニーズに応えながらも、カーボンニュートラルの実現に貢献できるソリューションを提供していきます。
【DC向けビジネス強化のポイント】
- 東芝プラントシステム株式会社は、DCに必要な設備のEPCC(Engineering、Procurement、Construction、Commissioning)機能を提供しています。DCに必要な設備を東芝グループ内外から柔軟に調達し包括的な施工を請け負います。またエンジニアをはじめとする一般的な建設リソースの不足に鑑み、東芝グループ内外のパートナーとの協働も積極的に推進していきます。
- 東芝グループ内の各事業が個別に提供していたDC向けの関連機器・資材を組み合わせ、新設・既設を問わず省エネ、高付加価値を提供します。例えば、東芝の二次電池「SCiB™」を搭載したUPS(無停電電源装置)を活用し、VPP(バーチャルパワープラント)を用いて余剰電力を調整電力として活用することや、東芝エネルギーシステムズ株式会社のデジタルプラットフォーム「TOSHIBA SPINEX for Energy」による効率的なエネルギーマネジメントを提供するなど、個々の製品・サービスの強みを組み合わせることで、カーボンニュートラルの実現に貢献できるソリューションとして提案します。
- 再エネ・蓄電池のアグリゲーションサービスにより、独自の需要予測・発電量予測・価格予測技術と最適なトレーディング技術を生かして、DCの電力需要カーブに応じた再エネの長期安定的な調達を支援します。蓄電池を制御し、風力や太陽光の変動性を抑えることにより、系統にも負担の少ない供給が可能になります。
- これまで発電設備・送変電設備を提供してきた電力会社、再エネ事業者との強固な関係や、ハイパースケーラーと呼ばれる大規模なDC運営事業者にHDD(ハードディスクドライブ)などを供給してきた実績をもとに、DCを設立する側、利用する側のニーズを踏まえて建設、運営の支援を行います。
- モジュール・ユニット型DCについて、新たに設計、製造、施工、保守までを一気通貫したサービスの検討を開始します。
- DC間におけるデータ連携を中心としたXaaSを視野に、DC利用者の付加価値を拡大するサービスも提案します。