ニュースリリース

東芝とアルパインが産業用ドローンサービス事業で提携

ドローンを使用した電力インフラ向け巡視・点検システムの共同開発について合意
2016年09月05日

株式会社 東芝
アルパイン株式会社

 株式会社東芝(東京都港区、代表執行役社長 綱川智 以下、「東芝」)とアルパイン株式会社(東京都品川区、代表取締役社長 米谷信彦 以下、「アルパイン」)は、従来からの車載分野などでの協業に加え、産業用ドローンによる電力インフラの巡視・点検サービス分野において提携関係を構築することで合意しました。東芝が持つ画像処理技術やIoT技術と、アルパインが持つ地図情報連携技術や車載システムインテグレーション技術を融合した、ドローンによる電力インフラ事業者向けの巡視・点検システムを、2017年度中の実用化を目指して開発します。

 現在、電力インフラ事業における送電線や鉄塔の巡視・点検では、習熟した保全作業員による目視点検が主流となっています。しかし、山間部などのアクセスしにくい場所を点検する場合、点検場所までの移動に時間がかかり、高所での作業では危険が伴います。ドローンを使用することで、高所の送電線や鉄塔上部の画像を撮影することができ、迅速な状況把握・作業時間の短縮・安全性の向上に繋がります。アルパインの航行制御技術(GPS、ジャイロ機能注1、地図情報連携など)でドローンを安全に効率良く飛行させ、撮影した点検対象物の画像を画像処理・分析・検出の仕組みを構築した東芝のIoT基盤上で処理することにより、送電線のアーク痕注2などの要点検箇所を短時間で検出可能にします。

 東芝は、エネルギー事業領域で培ってきた実績とノウハウをIoT基盤に構築し、センサーから得られた画像や数値データを収集・蓄積・分析することでデータの見える化や利活用をトータルで実現するシステムを提供しています。今回開発するシステムでは、ドローンで撮影した画像をIoT基盤上に構築した画像処理や機械学習(AI)などで分析することで、電力インフラ設備・施設の安全で高効率な点検作業に貢献します。

 アルパインは、車載機器メーカーとして、安心、安全、快適に対する品質・技術を培ってきました。特に車載システムを構築する上で非常に重要なさまざまな機器をつなぐためのシステム開発力や高い品質作りを強みとしています。今回の開発においてはナビゲーション開発で培った位置制御技術をドローンの安全航行のためのシステム制御へ活かしていきます。

 なお、両社は、国内外のさまざまな社会インフラ設備・施設にドローンを活用した巡視・点検サービス事業を展開していきます。

注1
ジャイロ機能:単位時間当たりに物体の角度がどれだけ変化するかを測定することでクルマの方向を割り出す機能。
注2
アーク痕:落雷によるアーク放電の痕跡(表面が溶解したもの)のこと。

ドローンによる電力インフラの設備点検イメージ

設備点検イメージ