ニュースリリース
風力発電により製造したCO2フリー水素を燃料電池フォークリフトへ供給する実証を開始
~新たな水素サプライチェーン構築により80%以上のCO2削減が可能~
神奈川県
横浜市
川崎市
岩谷産業株式会社
株式会社東芝
トヨタ自動車株式会社
神奈川県、横浜市、川崎市、岩谷産業株式会社、株式会社東芝、トヨタ自動車株式会社は、京浜臨海部における再生可能エネルギーを活用した、低炭素な水素サプライチェーンモデルの構築を図る実証プロジェクトの具体的な内容について、2015年9月から検討を進めてまいりましたが、この度、詳細が固まり、実証を開始することになりました。
本実証プロジェクトでは、横浜市風力発電所(ハマウィング)敷地内に、風力発電を利用し水を電気分解してCO2フリーの水素を製造し、貯蔵・圧縮するシステムを整備します。さらに、ここで製造した水素を、簡易水素充填車により輸送し、横浜市内や川崎市内の青果市場や工場·倉庫等に導入する燃料電池フォークリフトで使用するといったサプライチェーンの構築を目指します。
こうした地域と一体となった水素サプライチェーンの構築により、電動フォークリフトや ガソリンフォークリフト利用時のサプライチェーンと比べて、80%以上のCO2削減が可能になると試算しています。この実証を通じて、将来の普及展開モデルを見据えた、コスト試算やCO2削減効果等を検証していきます。
※本事業は、環境省委託事業「平成27年度 地域連携·低炭素水素技術実証事業」に採択され、実施する事業です。
○実証プロジェクトの概要
【実証テーマ】
1) 風力発電(ハマウィング)により水を電気分解して水素を製造するシステム
2) 最適な水素供給を行うための貯蔵と輸送の仕組み
3) 燃料電池フォークリフトの導入利用
4) 水素サプライチェーンの事業可能性調査
【本プロジェクトによるサプライチェーン】
○各実証テーマにおけるシステム及びポイント
1)風力発電により水を電気分解して水素を製造するシステム
【水素製造】
▼ ハマウィングの電力を、水の電気分解による水素製造及び装置の動力としても活用
▼ 変動する風力発電量と水素需要の時間差を考慮し、設備を最適運転できるマネジメント システム
によりフレキシブルにCO2フリー水素を製造
水電解装置((株)東芝) | ハマウィング敷地内計画イメージ(パース) |
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2)最適な水素供給を行うための貯蔵·圧縮と輸送の仕組み
【水素貯蔵・圧縮】
▼ 水素を安定供給するために、2日分の水素を貯蔵
▼ ハイブリッド自動車の使用済バッテリーを再利用し、環境性に配慮した蓄電池システムを活用。ハ
マウィングが止まっていても安定的な水素供給が可能
蓄電池システム((株)トヨタタービンアンドシステム) | |
【水素輸送】
▼ 燃料電池フォークリフト用の簡易水素充填車を、日本初導入
▼ フォークリフトの水素使用量を常時把握し、最適輸送でユーザー要望にきめ細かく対応
簡易水素充填車(岩谷産業(株))

3)燃料電池フォークリフトの導入利用
【水素利用】
▼ 導入先は、異なる使用条件で多様な実証が出来る4か所(12台)を選定
▼ 2016年2月に実用化モデルとして発表された燃料電池フォークリフトを使用しユーザー利用時の
CO2排出量ゼロを実現
【燃料電池フォークリフトの導入先等】
【燃料電池フォークリフトの導入先·水素運搬ルート】
【水素価格】
▼ 現状(本実証におけるコスト)の評価から、量産体制の整備、必要な規制緩和項目等の洗い出し
など、今後の水素価格低下に向けた対応の方向性について検討
▼ 将来(2030年頃)を見据え、技術革新や、サプライチェーンの大規模化による普及/横展開モデ
ルについて検討
【CO2削減効果】
▼ CO2フリー水素のサプライチェーン構築により、従来比80%以上のCO2削減効果との試算
▼ 更なるCO2削減に向けた取組の方向性の検討
○今後の実証スケジュール
▼ 2016年秋頃から試験的運用開始
・燃料電池フォークリフト導入(2施設各1台 計2台)
・簡易水素充填車による水素デリバリーシステムの稼働
▼ 2017年度から本格運用開始
・燃料電池フォークリフトの導入拡大(4施設各3台 計12台)
・水素製造、貯蔵·圧縮等の全てのシステムが稼働
添付資料
- 別紙: 記者発表会資料[PDF: 2.6MB]
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