ニュースリリース

フランス・リヨン市でポジティブ・エナジ-・ビルディング(PEB)構築の実証を開始

2015年09月18日


 当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「フランス・リヨン再開発地域におけるスマートコミュニティ実証事業」において、再生可能エネルギー、蓄電池、省エネ機器などを積極的に導入し、ビル内で生成するエネルギーが消費量を上回るポジティブ・エナジ-・ビルディング(PEB)の構築の実証を開始しました。

 今回の実証では、リヨン市再開発地域内に新設された、オフィス・住居・店舗からなる複合ビルであるHIKARIビルにおいて、太陽光発電・コジェネレーション・吸収式冷凍機などの創エネ機器、蓄電池・冷水蓄熱用蓄熱物質などの蓄エネ機器、LED照明などの省エネ機器を設置し、エネルギー管理システム(EMS)で統合管理することによってビルのエネルギー消費量を10%以上削減し、PEBの実現を検証します。

  ビルのオフィスおよび共用部には、BEMS注1を導入して電気と熱による創エネルギー量と蓄エネルギー量を最適化し、最小限の運用コストでPEBの達成を図ります。さらに、当社が開発した画像人感センサーを用いて、オフィス部分の空調機・照明・ブラインドを在室状況や日照状態に応じて細かく制御することにより、無駄なエネルギーの消費を削減します。また、住居部分には当社が開発したHEMS注2である「OMOTENASHI HEMS™」を導入します。「OMOTENASHI HEMS™」は、居住者の行動を推定することにより、生活シーンに合わせて暖房の運転モードを変更するなど機器を自動的に制御します。さらに、タブレット端末により、居住者の生活シーンに応じた自動制御メニューや省エネを考慮した暖房設定温度の選択ができるほか、消費エネルギーの確認ができます。

2015年9月18日訂正:「OMOTENASHI HEMSTM」の文章に一部誤りがありましたので、修正しました。

 本実証事業は、EU加盟国が環境の中期目標として掲げる「EU環境施策20‐20‐20」の5年前倒しとプロジェクト対象エリアのゼロエミッション化を目指すものです。日本企業群の技術を活用し、国際的なエネルギーの有効利用の実現に寄与するために、取りまとめ企業として当社が一括して受託しました。本実証事業の一環として、昨年には太陽光を活用した電気自動車のカーシェアリングや既存住宅における消費量の見える化などの実証を開始しています。

注1
Building Energy Management System:ビル向けのエネルギー管理システム
注2
Home Energy Management System:家庭向けのエネルギー管理システム

 

本実証事業について

本実証事業は、以下の4つのTASKから構成されています。

TASK

内容

実証開始時期

TASK1

再生可能エネルギーや蓄電池などを積極的に導入し、ビル内の消費量を上回るエネルギーを生み出すポジティブ・エナジ-・ビルティング(PEB)の構築。

2015年9月

TASK2

太陽光発電を活用したEV(電気自動車)管理システムとEVカーシェアリングシステムの導入。

2013年10月

TASK3

既存住宅におけるエネルギー消費量の「見える化」で、住民の省エネルギー行動の促進。

2014年6月

TASK4

TASK1,2,3で収集するエネルギーの情報を取り纏め、地域全体で活用するための指標を提示するCMS(Community Management System)

2014年6月

本実証事業のイメージ

 

本実証のイメージ

 

HIKARIビル外観

 

HIKARIビル

導入システム・機器のイメージ

 

導入システム・機器のイメージ

 

BEMS見える化画面のイメージ

 

BEMS見える化画面のイメージ

OMOTENASHI HEMS™見える化画面のイメージ

 

OMOTENASHI HEMS™見える化画面のイメージ