ニュースリリース
二次電池SCiB搭載の蓄電池システムが株式会社大京の本社ビルに採用
- 太陽光発電と連携し、発電量などを「見える化」した蓄電池システム -当社製リチウムイオン二次電池SCiBを搭載した定置用蓄電池システム「スマートバッテリ」をベースに、太陽光発電と連携し、発電量や蓄電残量などの情報を「見える化」したシステムが、この度リニューアルを迎えた株式会社大京の本社ビルに採用されました。
今回納入した蓄電池システムは、負極に当社独自の材料注1を採用したことにより、高い安全性を確保しながら6,000回以上のサイクル寿命注2など優れた特性を持つSCiBを搭載した出力10kW、容量11kWhの「スマートバッテリ」と、太陽光発電システムの発電量などの「見える化」の管理機能を組み合わせた中規模ビル向けシステムです。太陽光で発電した電力や夜間電力を蓄電池に充電し、昼間に太陽光発電と併用することで、電力コスト削減や使用量平準化などに貢献します。さらに緊急時には非常用電源として活用することも可能です。
当社は、太陽光発電と連携制御できる本システムについて、グループ会社である東芝ITコントロールシステム(株)でシステム製品化し、「リチウムイオン蓄電システム」として今月から販売を開始しています。今後、大規模オフィスビルから小規模店舗向けなど、ユーザーの利用環境に応じたシステムを構築するソリューションとして提供していきます。
定置用蓄電池は、電力需給安定化および電力供給不足への備えとして、オフィスビルや集合住宅を中心に需要拡大が見込まれています。世界全体の蓄電池市場は2020年には現在の約4倍である20兆円規模に拡大すると予測されています注3。当社は今後、これまでの電力流通システム事業で培った技術力を生かし、電力ピークシフト・カット、電力変動抑制などの大規模蓄電システムから、工場やオフィスビル向けシステムまで「スマートバッテリ」製品シリーズを中心に幅広く事業を推進し、新たな市場を開拓、販売拡大を図っていきます。
注1 チタン酸リチウムを採用。
注2 25℃ 3Cフル充放電での数値。保証値ではありません。充放電条件で異なります。
注3 出典:第6回 国家戦略会議配布資料。
システムの基本構成と主な特長
1.基本構成
(1)リチウムイオン蓄電システム
高い安全性を確保しながら6,000回以上のサイクル寿命注2など優れた特性を持つSCiBを搭載した、三相200V系統連系可能な定置用蓄電池システム「スマートバッテリ」に、太陽光発電用DCDCコンバータを搭載したシステムです。
(2)リチウムイオン蓄電システム監視装置「見える化WEBサーバ」
蓄電システム監視装置に、日射計・気温計など各種計測機および表示装置を連携させたシステムです。
2.主な特長
(1)平常時も、停電時も、電力を効果的に活用
■ピークシフト機能
タイムスケジュール設定機能を使い、需要電力の低い夜間に蓄電池を充電して、日中の需要電力の高い時間帯に蓄えた電力を電力系統に放電することにより、ピーク時間帯の系統電力使用量を削減します。
■ピークカット機能
負荷変動により買電電力量が契約電力を超過しそうな場合、蓄電池から系統へ電力供給して、受電電力が目標値(設定値)をオーバーしないようにピークカット(買電電力抑制)を行います。
■自立運転機能(自動/手動)
停電発生を自動検知して自立運転に切替り、特定負荷へ電力供給を行います。系統電源から蓄電池の切り替え手動操作は不要です。
■連系復帰運転機能(自動/手動)
停電からの復旧を自動検知して系統連系運転に切替り、特定負荷へ電力供給を行います。蓄電池から系統電源の切り替え手動操作は不要です。
(2)太陽光発電との併用で電力を効果的に活用
■充電優先モード
太陽光発電を蓄電池の充電に優先して使用します。蓄電池が満充電になっている時は、系統連系運転や特定負荷に使用します。
■買電最少モード
太陽光発電を系統連系運転や特定負荷に優先して使用します。余った電力は蓄電池に充電します。
■最大電力点追従(MPPT)制御
太陽光発電用DCDCコンバータでは、太陽発電の出力が最大となる点(最大電力点)を常時算出しています。これにより、太陽光発電は常に最大出力で稼働し続けます。
(3)蓄電池システムと太陽光発電の状況をリアルタイムで監視、表示
■情報のリアルタイム表示およびデータ収集・蓄積機能
ウェブブラウザで、日射強度、気温、太陽光発電電力、系統充放電電力、電池残量といった情報をリアルタイムで監視。データの収集・蓄積・表示やダウンロードにより、運用履歴を確認することができます。
■デマンド制御とスケジュール設定(オプション)
30分間隔でピークカット値をコントロールするデマンド制御が可能です。また、日単位のスケジュールパターンを予め登録し、日ごとにパターン選択することができます。
製品に関するお問い合わせ先:
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スマートバッテリ、SCiB紹介ホームページ
http://www.scib.jp/index.htm