ニュースリリース

EH800形式 交流電気機関車の製作について

― JR貨物がプロトタイプ車両を公開 ―
2012年11月27日

 

EH800の写真
EH800形式 交流電気機関車

 当社は、日本貨物鉄道株式会社(以下、JR貨物)の委託を受け、同社と共同開発した青函トンネル新幹線共用走行機関車を製作しました。本日、JR貨物は、同機関車のプロトタイプ車両「EH800」を公開しました。

 「EH800」は、2015年度末に予定される北海道新幹線開業後に、青函トンネルの共用走行区間の電気方式が、在来線区間の交流20kV(50Hz)と異なる交流25kV(50Hz)になることを受け、複電圧に対応する機関車として、2011年からJR貨物と当社で共同開発を行ってきたものです。

 同機関車は、新幹線架線電圧(25kV)と新幹線仕様保安装置(DS-ATC)に対応し、初めて在来線区間と新幹線区間の両方の走行を可能にしたほか、回生ブレーキを採用するなど環境負荷低減に配慮した車両です。JR貨物では今後、青函トンネル区間を走行する専用車両として、本日公開したプロトタイプ車両の他に量産車の導入を計画しています。なお、本開発にあたっては国土交通省の補助を受ける予定です。

 当社は、1899年以来、鉄道車両用のモータやインバータ、電源や空調設備といった車両用電気品、車両システム、電気機関車等を国内外の鉄道事業者に納入してきました。電気機関車用電気品事業では、これまでにJR貨物のほか、中国、南アフリカ等において1200両分の受注実績があり、グローバルに提案活動を展開しています。

世界規模での環境重視による鉄道モーダルシフト、鉄道の持つ安全快適性への評価により、鉄道市場はグローバルに拡大していく見込みであり、2016年には、現在の1.3倍の20兆円の市場規模が見込まれます注1。当社は、今後も、市場ニーズに対応した車両性能と高品質を追求した機関車の開発と製造を進めていきます。

 

注1:欧州鉄道産業連盟(Unife)予測