ニュースリリース
家庭用燃料電池「エネファーム」新製品の出荷について
株式会社 東芝
東芝燃料電池システム株式会社
株式会社東芝ならびに東芝燃料電池システム株式会社(以下、東芝)は、家庭用燃料電池(PEFC)「エネファーム」の新製品を2012年3月から販売元である都市ガス会社やLPガス販売会社向けに出荷します。
新製品は、世界最高水準注1の総合効率94%注2を実現しました。これにより、従来システム注3に比べ、年間のCO2排出量を約1.5トン削減注4し、年間の光熱費を約6.1万円注5軽減できます。
また、技術開発による部品点数の削減や、低コスト材料の採用などにより、現行品に比べて20%以上注6のコストダウンを実現しました。さらに、燃料電池ユニット・排熱利用給湯暖房ユニットを小型化した結果、設置面積1.9m2を実現しました。
東芝は、東日本大震災以降のニーズの高まりを受け開発した独自の「停電時でも運転可能なシステム」注7の検証を現在進めており、検証が完了し次第、発売する予定です。
東芝は、経済産業省ならびにNEDOの支援を得て2005年から2008年まで実施された定置用燃料電池大規模実証事業に参画し、エネファームの商用化に向けた実用化技術を蓄積してきました。これらの技術をベースとして、電池のコンパクト化やシステムの簡素化に有利な東芝独自の電池加湿方式を採用するなど、エネファームの高性能化・高耐久化・低コスト化に取組み2009年に販売を開始しました。本年11月末までに全国で約6,500台のエネファームが設置されました。
東芝は、今後も商品の開発・販売を強化し、2012年度の家庭用燃料電池の販売目標を1.5万台とし、2015年度には5万台の販売を目指します。
- 注1
- 家庭用燃料電池コージェネレーションシステムにおいて(2011年12月現在、東芝調べ)。
- 注2
- 低位発熱量基準(Lower Heating Value)。燃料ガスを完全燃焼させたときに生成する水蒸気の凝縮潜熱を発熱量に含めない熱量。
- 注3
- ガス給湯暖房機、ガス温水床暖房(LD)、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコンを使用。
- 注4
- JISの標準負荷パターンをベースとした東芝試算値。
- 注5
- 大阪ガスによる大阪ガス管内の値。
-
注6
注7 -
ガス会社の現金標準価格による比較例。
エネファームが発電している時に停電となっても発電を継続する機能。高価なバッテリーを必要としない低コストなシステムを想定。
新製品の主な特長
1.世界最高水準の総合効率
世界最高水準の熱利用を含めた総合効率94%を実現しました。これにより、導入前に比べて、年間のCO2排出量を約1.5トン削減し、年間の光熱費を約6.1万円軽減できます。
2.省スペースと静粛性
設置面積1.9m2と騒音38dB(A)の業界トップレベル注1を実現しました。
3.高耐久性と最適運転
業界最高注1の8万時間運転を実現し、連続運転に対しても安心して10年間の使用が可能です。
4.さまざまな燃料に対応
業界で唯一注1都市ガスとLPガスの両燃料に同一機種で対応するほか、国産天然ガスにも対応したことにより、エネファームの広域普及を可能にしました。
新製品の主な仕様
製品名 |
家庭用燃料電池(エネファーム) |
定格出力(W) |
700 |
発電効率(%、LHV注8) |
都市ガス;38.5以上/LPガス;37.5以上 |
総合効率(%、LHV) |
94以上 |
燃料 |
都市ガス/LPガス |
騒音(dB(A)) |
38以下 |
運転制御 |
自動(学習制御方式) |
貯湯容量(リットル) |
200 |
外形寸法(幅×奥行×高さ、mm) |
燃料電池発電ユニット;780×300×1,000 貯湯ユニット ;750×440×1,760 |
乾燥重量(kg) |
燃料電池発電ユニット; 94 貯湯ユニット ; 100 |
メンテナンス |
定期点検は3.5年に1回(運転中に30分程度の作業) |
注8 LHVとは低位発熱量基準。低位発熱量=高位発熱量-水蒸気の凝縮潜熱×水蒸気量。
本製品に関するお問い合わせ先:
- 東芝燃料電池システム株式会社 営業部
- TEL : 045(510)5948