ニュースリリース
データの高速処理を可能としたオーディオ制御マイコンについて
144MHz動作で、より高速な曲情報の検索などが可能
当社は、ARM社の組み込み32ビットRISC CPU「CortexTM-M3」コアを搭載し、144MHz注1(180DMIPS 注2)動作を実現した、デジタルオーディオ機器制御に最適な汎用マイコン「TMPM320C1DFG」を製品化しました。本製品は、3月下旬からサンプル出荷を行い、7月から量産を開始します。
新製品は、「CortexTM-M3」コアおよびメディアインターフェースとしてHi-Speed USB/SDカードのホストコントローラを、またメモリとして大容量320KバイトのSRAMと1Mバイトの混載DRAM(eDRAM)を1チップに搭載しました。
処理性能の高い「CortexTM-M3」コアおよび当社独自のバスアーキテクチャにより、低消費電力でかつ大量のデータを短時間に処理することが可能となります。例えば、音楽データの中に含まれる曲、アーティスト、アルバム等の情報をデータベース化し、目的の曲情報をより高速に検索することができます。処理動作の最速時(144MHz)には1000曲のデータベースを約30秒注3で構築できます。
SDカードホストコントローラはSDA規格Ver2.00に準拠しており、CPRM注4技術を使用した著作権保護コンテンツを扱うこともできます。また、混載DRAMを1チップに搭載することにより、基板の縮小化、低ノイズ化に寄与します。
当社では、今後も処理性能の高いARM社のコアを採用した製品を幅広く展開することで、マイコン市場におけるシェア拡大を目指します。
注1 ARM社公表のCortex-M3プロセッサ性能- 1.25DMIPS/MHz
注2 DMIPS:Dhrystone Million Instruction Per Second
注3 ID3タグVer1.1のMP3データを当社で計測した結果。
注4 CPRM:Content Protection for Recordable Mediaの略でSDカードに使用される著作権保護技術。
新製品の概要
品番 |
サンプル価格(税込) |
サンプル出荷時期 |
量産開始時期 |
量産規模 |
TMPM320C1DFG |
1500円 |
3月下旬 |
7月 |
月産70万個 |
製品化の背景と狙い
近年のカーオーディオやミニコンポなどのデジタルオーディオ機器は、USBコネクタやSDカードスロットを搭載した機種が増加し、携帯音楽プレーヤー等のポータブル機器から音楽データや画像等を取り込むシステムが普及しています。メモリの大容量化が進むにつれ、ポータブル機器は、大量の楽曲などを保存できるようになりました。
そのためデジタルオーディオ機器にはポータブル機器などと接続した際に、目的の曲情報を素早くデータベース化し簡単に検索できる機能や、画像を表示する機能が求められています。一方で、近年のデジタルオーディオ機器の高機能化に伴い、製造コストの上昇も課題となっておりました。
そこで当社は、これらの問題を解決するため、高速にデータベース処理が可能で、DRAM等の周辺デバイスを1チップに集積した新製品を発売します。
新製品の主な特長
1.ARM社 「CortexTM-M3」コアおよび当社独自のバスアーキテクチャを搭載
優れた割り込み応答性や低消費電力等、組み込み制御に適し、処理性能の高いCPUを搭載しています。また、「CortexTM-M3」コアの性能を生かす、CPUやメモリなどを網目状に相互に接続したクロスバータイプのバスアーキテクチャを採用しながら、高速かつ消費電力の増加をおさえたSRAMを新規開発しました。これにより144MHz(180DMIPS) 動作を実現し、情報をより早く検索することができます。
2.USB2.0 (Hi-Speed、Full-Speed対応) ホストコントローラを搭載
Hi-Speed対応USBホストコントローラを搭載することにより480Mbpsの転送速度を生かした高速なメディア処理が可能となります。
3.CPRM対応 SDホストコントローラを搭載
CPRMに対応しているため、著作権保護機能に対応したコンテンツを取り扱うことが可能です。
4. 当社オリジナルの1MByteの混載DRAMを搭載
1MByteの混載DRAMを1チップに混載することにより、基板面積を縮小し、低ノイズ化に寄与します。また、ユーザーにとってはDRAMの供給問題を解決することができます。
5. SWD注5によるオンチップデバッグ方式を採用
一般的にオンチップデバッグで使われるJTAG方式に比べピン数を削減することが可能です。JTAG方式と比べても機能的な差はなく、この方式によりデバッグシステムをシンプルにするとともに、汎用ポート数を増加させることができます。
注5 SWD Serial Wire Debugの略でARM標準の2線方式によるデバッグインターフェース
新製品のおもな仕様
品番 |
TMPM320C1DFG |
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コア |
ARM CortexTM-M3コア(32ビットRISC CPU) |
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電源電圧 |
Core/Logic 1.1~1.3V I/O 3.0~3.6V |
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動作周波数 |
144MHz(12MHzの12逓倍) (180DMIPS) |
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内蔵ROM/RAM |
ROM Less SRAM 320KB eDRAM 1MB |
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メモリ空間 |
16MBまでのリニアアドレス |
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内蔵周辺機能 |
USB2.0(HS、FS対応)ホストコントローラ |
1チャネル |
SDホストコントローラ |
1チャネル |
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16ビットタイマ/PWM
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8チャネル /4チャネル |
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ウォッチドッグタイマ |
1チャネル |
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10ビットADコンバータ |
4チャネル |
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メモリコントローラ |
2チャネル |
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DMAコントローラ |
8チャネル |
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SSP(SPI/MicroWire) |
4チャネル |
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UART |
4チャネル |
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I2Cバス |
2チャネル |
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外部割り込み端子 |
4チャネル |
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オンチップデバッグ機能(SWD) |
1チャネル |
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トレース機能(ETM) |
1チャネル |
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I/Oポート数 |
55本 |
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パッケージ |
LQFP144 (20mm×20mm, 0.5mm pitch) |
新製品に関するお問い合わせ先:
- システムLSI営業推進第二部
- TEL : 03(3457)3459