ニュースリリース

実験動物の微生物モニタリング用DNAチップキット「モニジーンTM」の発売開始について

2008年12月04日

 

株式会社 東芝
財団法人 実験動物中央研究所

 

モニジーンTM ヘリコバクター属菌検出キットの写真
小型DNA検査装置 ジェネライザー GLG-1000の写真

 

 

 株式会社 東芝(以下、東芝)と財団法人 実験動物中央研究所(以下、実中研)は、両社が共同開発した実験動物の微生物感染モニタリング用DNAチップ注1検出キットおよび小型DNA検査装置を製品化し、来年1月5日から販売を開始します。なお、実中研では12月1日から本DNAチップを用いた受託検査を開始しました。

  
 新製品は、東芝の電流検出型注2DNAチップをベースに共同開発したヘリコバクター属菌注3検出キットおよび検査装置で、既存遺伝子検査方法と比較して、正確性、簡便性、迅速性に優れるとともに、従来切り分けが難しかった対象種と近縁種の正確な判定、複合感染の検出を可能としました。新製品の製造は東芝グループ会社の東芝ホクト電子株式会社が、販売は実中研が100%出資で設立したインビボサイエンス株式会社が担当します。

  
 マウス・ラット等を用いた実験は、医薬品や化粧品の開発・安全性評価、生命科学の研究には不可欠となっています。再現性の高い実験を行うためには、品質管理のなされた実験動物を使用する必要があり、特定微生物について定期的な微生物感染のモニタリングが行われています。このDNAチップ検出キットを用いることで実験動物の微生物感染や、実験動物施設の微生物汚染の早期発見および感染微生物特定の迅速かつ簡単な遺伝子検査が可能となります。

   今回の製品化にあたり、東芝と実中研は、600検体を超す新製品の試験運用を実中研ICLASモニタリングセンター注4で行ないました。試験運用の結果および新製品の開発成果につきましては、12月9日から神戸ポートアイランドで開催される第31回日本分子生物学会年会において発表および展示を予定しています。


  今後両社は、実験動物ブリーダーおよび飼育施設等向け販売による市場拡大を目指すとともに、引き続き他の感染微生物の検出用DNAチップの開発・製品化を進めていきます。

 新製品の概要

品名

製品概要

発売日

モニジーンTM ヘリコバクター属菌検出キット

DNAチップ、LAMP増幅試薬、
装置試薬(40検体分)




1月5日


小型DNA検査装置
ジェネライザー GLG-1000

・2チップ同時測定可

・サイズ: 505W x 570D x 486H

・重量:47kg

  

(財)実験動物中央研究所の概要

所在地 :神奈川県川崎市宮前区野川1430

所長  :野村達次

人員  :約120名

業務内容:・実験動物および動物実験システムの研究、開発、実用化

       ・実験動物システムに関する外部研究機関・企業との共同・受託研究  等

 

インビボサイエンス(株)の概要

所在地      :東京都目黒区東山一丁目2番7号

代表取締役社長:野村龍太

業務内容    :実験動物の品質管理、実験動物を用いた薬理、薬剤効果試験、検査キットの販売

 

東芝ホクト電子(株)の概要

所在地      :北海道旭川市南5条通23丁目1975番地

代表取締役社長:上田実

業務内容    :フレキシブル回路基板事業、サーマルプリントヘッド事業 等 

  

注1:DNAチップとは、ガラスやシリコン基板上に、複数種のDNA分子を固定したもので、試料中のDNAと結合するか否かを調べることで、試料中に目的のDNAが存在するかを調べることができる。

注2:電流検出方式とは、電気化学的に活性な核酸挿入剤を用いる東芝オリジナルのDNA検出技術。

注3:らせん状の細菌で、ヘリコバクター・ビロリ菌は人の胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなど引き起こすことが知られている。動物では、この他に、ヘリコバクター・ヘパテカス、ヘリコバクター・ビリス、ヘリコバクター・タイフォロニュウスなどが、感染する。

注4:国際実験動物学会議(International Council for Laboratory Animal Science)の指定を受けた検査機関。

  

新製品に関するお問い合わせ先:

財団法人 実験動物中央研究所 ICLASモニタリングセンター
TEL : 044(754)4477
URL :  http://www.iclasmonic.jp/annai.htm