ギガビット級の大容量化に向けた新型MRAM素子の開発について 垂直磁化方式のMTJ素子で世界初動作 当社は、磁性体メモリMRAM*1をギガビット級に大容量化するための要素技術として、微細化に適したスピン注入磁化反転*2技術と素子寸法を大幅に削減できる垂直磁化方式*3を組み合わせた新型MTJ*4素子を開発しました。新技術については、垂直磁化で動作する世界初の成果として、米国で開催中の磁気記録に関する国際会議3M*5で本日(現地時間)発表しました。 スピン注入は、電子スピンの作用で磁化反転させる記録方式で、書き込み電流を抑えて微細化を実現できる有力技術として開発が進展しています。一方、垂直磁化方式は、反磁界の影響を受けにくい垂直方向の磁化回転を用いることで、さらに書き込み電流を数十分の一まで低減できる技術ですが、膜界面に必要な平滑性の確保が非常に難しく、開発は困難とされていました。 今回当社は、スピン注入、垂直磁化の原理を踏まえて材料やプロセス全般を最適化するとともに、性能を確保する上で特に重要な界面部分を中心に、素子構造の改善を実施しました。 本技術は、スピン注入技術と垂直磁化方式の双方のメリットを活かして、ギガビット級の大容量MRAMに道を開く重要な成果と考えられます。今後当社は、よりスピン注入に適した材料の開発や、集積化に必要なばらつき低減技術などの開発を続け、数年以内に各要素技術を統合した基盤技術として確立を目指します。
開発の概要 (1)素子構造 ![]() (2)動作検証図 ![]()
(3)素子の主要特性・仕様
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