新プロセッサ「SpursEngine™」の開発サンプルをCEATEC JAPANで初公開

2007年9月20日

高性能プロセッサCell Broadband Engine™の技術を継承、
映像処理用途に展開

 当社は、高性能プロセッサ“Cell Broadband EngineTM*1(以下、Cell/B.E.TM)のSPE*2コアを用いた新型メディアストリーミングプロセッサの開発に成功し、このたび、試作サンプルによる映像デモを“CEATEC JAPAN 2007”(10月2日から幕張メッセで開催)において初公開します。
 今回の出展を機に、新戦略製品「SpursEngineTM」として本格的な営業活動を開始し、量産仕様に対応した開発を完了次第、自社向けをはじめ幅広くデジタル民生機器向けに販売します。

 SpursEngineTMは、Cell/B.E.の高性能マルチコア技術と当社の映像処理技術を融合し、今後更なる高度化が見込まれるメディアストリーミング処理(画像処理、画像認識などのリアルタイム映像処理)に優れるコプロセッサ(ホストCPUと連携する補助プロセッサ)です。

 SpursEngineは、SPEを4個と、MPEG-2、H.264方式のエンコード・デコード専用回路(ハードウェアエンジン)を組み合わせた効率的で柔軟な映像処理や、Cell/B.E.より小規模な回路設計による低消費電力を特長としています。今回の開発サンプルは、処理速度1.5GHz(クロック周波数)、消費電力は10W台です。
 なお、大容量動画像データの処理に対応するため、ワーキングメモリとしてデータ転送レートの高いXDRTM DRAMを採用しました。

 CEATEC JAPAN 2007では、SpursEngineを搭載したノートPCとカメラを用いて、人物の顔の向きや表情の3次元実写映像に合わせて髪型・化粧の高質感CGを合成する3Dシミュレーションシステムを公開します。ノートPC上でリアルタイムの3D顔認識・シミュレーションを実現するのは、本システムが初めてです。
 また、SpursEngineを搭載した高機能ノートPCのコンセプト展示も行う予定です。

(注)  
*1 Cell Broadband Engine:IBM、SONYグループ、東芝が共同で開発した高性能プロセッサ。マルチコア・アーキテクチャを採用し、超高速データ転送能力により、大容量メディア・アプリケーションを扱うデジタルメディア機器等での応用が可能。
*2 SPE (Synergistic Processor Element):高性能な浮動小数点演算機能を持ち、独自の命令セット・アーキテクチャを備えて、様々なメディア・アプリケーションを効率的に処理可能なプロセッサコア。



開発サンプルの概要

開発サンプルの概要


  • XDRTM DRAMは、米国およびその他の国におけるラムバス社の商標です。
  • SpursEngine及びそのロゴは、株式会社 東芝の商標です。
  • Cell Broadband Engine及びCell/B.E.は、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの商標です。


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。