高解像度CIF対応MPEG-4ビデオ・オーディオLSIの商品化について

2002年9月12日

高画質と低消費電力の両方のメリットを持った動画端末を可能に

TC35280XB

 当社は、携帯電話などに搭載されるMPEG-4圧縮伸張用ビデオ・オーディオLSIの新製品として、当社従来品に比べ4倍の画素数であるCIF(352X288画素)対応を実現した「TC35280XB」を商品化しました。新製品のサンプル出荷は本年第4四半期に開始し、2003年第1四半期から月産10万個規模で量産を行います。

 新製品は、ブロードバンド時代の高速データ通信に対応した高画質の動画コンテンツに対応するとともに、オーディオ処理にも対応していますので、ビデオ・オーディオのデジタルデータをワンチップで圧縮伸張できます。新製品をビューワ端末、テレビ電話端末などのモバイル機器に搭載することで、高画質の動画を楽しむことができます。

 新製品は、MPEG-4ビデオ処理、音声・オーディオ処理、多重分離処理、画像用フィルタ処理にそれぞれ専用のプロセッサを搭載しています。また、0.13ミクロンプロセス技術の採用などにより、低消費電力(動画とオーディオ処理時180ミリワット/125メガヘルツ)で小型パッケージ(11ミリメートル角BGA)を実現しています。

2001年1月に発表したQCIF(176X144)対応MPEG-4ビデオコーデックLSI「TC35273XB」

新製品の概要

新製品の概要

開発の背景と狙い

 当社は、1998年に世界で初めてMPEG-4動画像処理LSIを発表して以来、主に携帯電話をターゲットとしたLSIのラインナップを発表してきました。それから現在までに、マルチメディアコンテンツをモバイル環境で楽しむインフラが整ってきたと同時に、携帯端末の液晶画面の表現力も高くなってきました。そのためにパッケージサイズ・消費電力は従来製品と同等のまま、動画像処理の性能を高めたCIF対応MPEG-4ビデオ・オーディオLSIをラインナップに加えました。

本開発品の主な特長

1. MPEG-4動画像圧縮伸長機能、音声圧縮伸長機能(オーディオ圧縮または伸長機能)、画像と音声の多重分離機能、画像用フィルタ機能のためにそれぞれプロセッサを搭載しています。
   
2. 上記の4つのRISC型プロセッサのほかに、専用ハードウェア回路、16メガビットDRAM、CMOS型固体撮像素子(CMOSセンサ)や液晶ディスプレイに接続するためのインタフェース回路を搭載しています。マルチメディア端末に必要な回路をワンチップに集積するとともに、低消費電力化・小面積化でモバイル用途に向いたアーキテクチャになっています。
   
3. 60メガヘルツ動作時に、QCIF(176X144画素)画像を毎秒15フレームMPEG-4ビデオ方式で圧縮および伸長を同時に処理することができます。AMR音声圧縮伸長、H.223画像音声多重分離処理を同時に行うことで携帯テレビ電話のすべてのマルチメディア処理をシングルチップで実現します。
   
4. 125メガヘルツ動作時にCIF(352X288画素)画像を毎秒15フレーム圧縮または伸張のどちらかを処理することができます。オーディオ処理を同時に行うことでマルチメディアコンテンツの録画・再生をシングルチップで実現します。
   
5. データを並列処理するパイプラインアーキテクチャ(並列処理設計)や動作していないブロックのクロックを停止させるクロック・ゲーティング機構といった手法によって低消費電力(180ミリワット/125メガヘルツ動作時)を実現しています。さらに、マルチメディア処理を必要としないときにはチップ内部の電源をカットできる回路技術を採用しています。

本開発品の主な仕様

本開発品の主な仕様

お問い合わせ先

新製品についてのお客様からの
お問い合わせ先
セミコンダクター社
システムLSI統括第二部
TEL 03(3457)3413


プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。