フルカラー高分子有機ELディスプレイの開発について 2001年5月30日
当社は、世界で初めてフルカラー26万色を実現した有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレイの開発に成功しました。 開発品は、低温ポリシリコンTFT上に高分子有機膜を形成したもので、2002年4月の製品化を予定しています。 有機ELディスプレイは、有機膜で形成された発光ダイオードを表示部に用いており、画素が自ら発光します。 そのため、従来の液晶ディスプレイと異なり、バックライトなどの光源が不要となり、低消費電力化、小型軽量化を実現できます。 さらに、応答速度が速く動画表示に優れ、視角特性も広いなど、液晶ディスプレイ以上の特性を有しています。 開発品は、2.85型Q-CIF*の画像フォーマットで構成し、世界で初めて6ビット64階調26万色のフルカラー表示を可能にしました。 現在、単色またはエリアカラーで実用化されている有機ELディスプレイは低分子有機膜が用いられていますが、フルカラー化に際し、蒸着法を用いるため、真空中でのマスク合せが必要になり、大型化や高精細化が困難となっています。 今回、高分子有機ELや塗布に必要な溶媒の材料技術の開発に加え、新たに真空を使用せず高生産性と材料の使用効率向上が可能なインクジェット・プリンティング技術を開発しました。 これにより大型化や高精細化が可能となり、幅広い製品への展開を実現できます。 有機ELにはパッシブ型とTFT駆動を必要とするアクティブ型がありますが、画素数の多いフルカラーディスプレイでは、寿命、消費電力、動画サポートなどを考慮し、アクティブ型が必須と考えられています。 また、有機ELは電流駆動型のデバイスでありアモルファスTFTをその駆動に用いるのは困難です。 当社は、液晶ディスプレイにおいて、低温ポリシリコンTFTを用いた大型ディスプレイの量産化に唯一成功しているなど業界で大きく先行しており、今回の有機ELの駆動にもこの低温ポリシリコンTFT技術を応用しています。 新技術は、まず、携帯電話、PDAなどの中小型ディスプレイに適用し生産を開始します。 その後、高精細で大型化が可能な本技術の特徴を生かしノートPCなど、64階調以上を必要とする中型、大型ディスプレイに対しても適用を進めていきます。 当社では、6月5日から7日まで米国・SanJose市で開催される「SID2001展」にて、有機ELディスプレイを参考出展します。
新製品の主な仕様
|
プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。 |