高精度アナログ回路を搭載した26万色表示TFT液晶表示装置の開発について 2001年3月8日
当社は、低温ポリシリコンTFT技術を用いて世界で初めて高精度アナログ回路(DAC*及び増幅回路)をガラス基板上に一体形成した、 26万色表示可能な低温ポリシリコンTFT液晶表示装置を開発しました。 本技術は、本年第4四半期に量産を開始する製品から導入していく予定です。 低温ポリシリコンTFT液晶は、ガラス基板上に形成したポリシリコンTFTを使って液晶を駆動するディスプレイで、 液晶画面を制御する周辺回路を基板上に直接形成でき、部品点数を削減できます。 今回開発した技術は、こうした基板上への一体形成をさらに進展させたもので、 一層の半導体部品点数の削減と小型軽量化を可能にします。 当社は、1998年、世界で初めて低温ポリシリコンTFTを用いた大型液晶ディスプレイの量産化に成功して以来、 ノートPC、PDA、eBookなどの高精細ディスプレイの製品化のみならず、 業界最大サイズとなる15型UXGAや、 メモリ搭載反射型ディスプレイの製品開発などにより、常に業界をリードしてきました。 今回、ポリシリコンの形成に必要なエキシマレーザアニール技術の改良により、 電子移動度を従来のポリシリコンの1.5倍に高めると同時にポリシリコン表面の平坦化に成功し、 さらに、加工技術を従来の4ミクロンから3ミクロンへと微細化を実現しました。 これらの技術開発により、ガラス基板上回路の集積度及び性能の向上が可能となり、 従来のポリシリコンに比べて5倍(素子数比、当社比)の密度での一体形成を実現しました。 プロセス技術の改良と合わせて、独自の設計思想に基づいて精度および安定性に優れた新回路技術を開発し、 6ビット階調26万色表示可能なアナログ回路(DAC及び増幅回路)の搭載を実現しました。 これにより、半導体部品点数を削減でき、低コスト化のみならず、 外部回路基板も縮小でき、全体として小型軽量化を実現しました。 この新技術は、液晶が透過型・反射型にかかわらず、携帯電話向けを始めとして、 PDA、モバイルPCなどに向けた液晶モジュールに適用でき、さらなる半導体部品点数の削減、小型軽量化を可能にします。 また、反射型においては、表示画素の各ドットへの1ビットのSRAM内蔵技術も併用でき、 静止画像表示時における消費電力を削減できます。 さらに、デジタル回路、アナログ回路をともに形成できるようになったことで、 ガラス基板上に形成できる回路の応用が広がり、システムオングラスの実現に大きく近づくことができました。
|
プレスリリース記載の情報(製品価格/仕様、サービスの内容、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。 |