開発の背景と狙い

　１９９８年度の国内パソコン市場は、７５３万台と個人向けを中心に市場が拡大しています。 近年、電子メールやインターネットの普及に伴い、パソコンを携帯し、 楽しく使用したいというニーズが高まっています。 当社は、１９９６年４月、世界最小・最軽量のミニノートＰＣ「Libretto 20」を発売しミニノートＰＣという新たな市場を創造し、 モバイルツールとしての定着に努めてきました。

　当社は、このようなニーズに対応するために新製品を開発したもので、軽量、 コンパクトなボディにリモコンや、カメラなどを搭載することで、 「いつでも、どこでも、楽しく、面白く、常に持って歩ける」モバイルエンターテインメントを実現しています。 当社は、今後も蓄積された高度な軽薄短小技術を結集し、 モーバイルコンピューティングの新しい可能性を追求していきます。

新製品の主な特徴

1. モバイルエンタテイメントの新しいかたちを提案する
   ヘッドホン付リモコン「i.Shuttle(アイシャトル)」を標準装備
   　「Libretto ｆｆ 1100」は、世界初のリモコンによる操作が可能なミニノートPCで、 多彩なアプリケーションソフトを使ったモバイルエンタテイメントの新しい世界を創造します。 ヘッドホン付リモコン「i.Shuttle」^＊からの操作でPC本体の電源オン/オフやアプリケーションの起動、 内蔵カメラによる撮影など、ＰＣを思いのままにコントロールできます。 また「i.Shuttle」内蔵の液晶画面には、新着メールのタイトルや本体バッテリ残量などの情報が表示されるので、 本体を閉じてカバンの中に入れたままでも「i.Shuttle」でさまざまな操作が可能です。 たとえば、手元の液晶画面に曲名や再生時間が表示されたり、再生/停止、曲の頭出し、 音量の調整など操作のすべてを「i.Shuttle」からおこなうことができます。 場所を選ばず好きな時にヘッドホンでデジタルオーディオを楽しめる、新コンセプトPCです。

   ＊	Libretto ff 1050CSでは別売。

2. 着脱可能な３５万画素C-MOSカメラ「ＳＣＯＯＰＹ(スクーピィ)」を搭載^＊
   　１／４インチ３５万画素C-MOSカメラ「SCOOPY」を本体に搭載していますので、動画や写真を撮影することができます。 さらに、カメラのアングルを１８０度回転させることができるほか、 本体から取り外して使用することも可能で、いつでも、どこでも自由な視点で撮影できます。 また、セルフタイマや連写などの機能を備えるとともに、 添付アプリケーションにより画像のレタッチやスライドショー表示が可能であり、多彩な楽しみ方ができます。

   ＊	Libretto ff 1100CTのみ。

3. 「スマートメディア」スロットを装備^＊
   　ノートＰＣとして世界初となる「スマートメディア」スロットを標準装備しています。 当社が中心となって提唱した規格である「スマートメディア」は現在デジタルカメラの記憶メディアを中心に広く利用されており、 画像データの取り込みや他のパソコンとのデータ交換など、さまざまな用途に利用できます。

   ＊	Libretto ff 1100CTのみ。

4. 音楽データの再生に「LIVE MEDIA PLAYER」を搭載
   　ハードディスクやスマートメディアに記録したＷＡＶＥ、ＭＩＤＩ、 ＭＰ３の音楽データをリモコンから再生できるオリジナルソフト「LIVE MEDIA PLAYER」を搭載しています。 内蔵の大容量３．２ＧＢハードディスクに、ＭＤ約３０枚分を保存することができ、 ジャンル毎に整理したり再生することも可能です。 「i.Shuttle」の液晶画面には曲名や再生時間を表示することができ、再生/停止、 曲の頭出し、音量の調整など操作のすべてをおこなうことができます。

5. 撮影した画像をすぐにメールで送れるソフト「LIVE MEDIA VIDEO」を搭載
   　「SCOOPY」で撮影した動画を撮影、編集するオリジナルソフト「LIVE MEDIA VIDEO」を搭載しています。 動画をMPEG4形式などに圧縮し、E-Mailボタンを押すだけで、すぐに添付ファイルとして送信することが簡単にできます。 また、セルフタイマや連写、スライドショーの作成などができる「LIVE MEDIA STILL」も搭載しています。

6. 着信メールを音声で聞ける「きこえるメール」機能
   　ヘッドホン付リモコン「i.Shuttle」の操作により着信メールの内容を音声で聞くことができる「きこえるメール」^＊機能や、 マイクに向かって話すだけで文字入力ができる「おしゃべりテキスト」、 さらにパソコンの操作・ソフトの起動なども音声でおこなうことができる機能をもった「東芝音声システムVer5.0」を搭載しています。
   　また、本体に内蔵されたマイクで音声やサウンドをＷＡＶＥファイルで保存でき、 電子メールに添付して簡単に送信できるオリジナルソフト「ＬＩＶＥ ＭＥＤＩＡ ＶＯＩＣＥ」も搭載しています。

   ＊	メールの読み上げ機能は、「MicrosoftOutlookTMExpress」にのみ対応。

7. 遊び心を刺激する顔認識ソフト「Smartface」など楽しいソフトを満載
   　「SCOOPY」がとらえた人物の顔を見分け、 それぞれに違ったリアクションを返すオリジナルの顔認識ソフト「Smartface」^＊や、 楽しいキャラクターと撮影した画像とを組み合わせてポストカードやシールを作ることができる「ジョイプラス」^＊、 ＭＩＤＩデータのミキシングや再生ができる「XG Ｓｔｕｄｉｏ Mixer」「S-YXG50 Ｐｌａｙｅｒ」、 ＭＤ/ＣＤのディスクラベルやパッケージラベル、ビデオテープのラベルなどが簡単に作れる「TempWriter EXPRESS」等、 遊び心を刺激するユニークなソフトウェアを満載しています。

   ＊	Libretto ff 1100CTのみ。

8. 多彩な機能を支える基本性能
   　「Libretto ｆｆ 1100」は、インテル社の「MMXテクノロジPentiumプロセッサ(２６６MHz)」を採用し、 ２次キャッシュメモリは５１２ＫＢ搭載しています。メインメモリはＥＤＯ－ＤＲＡＭを６４ＭＢ搭載し、 最大　１２８ＭＢまで増設可能です。またディスプレイは７．１型ＴＦＴワイドカラー液晶を搭載し、 １，６７７万色のフルカラー表示が可能です。３．２ＧＢハードディスクを内蔵し、 大量の動画や音楽のデータを保存することができます。PCカードスロット(Type)を1基装備するとともに、 最大５６ｋｂｐｓ(V.90, K56flex)対応のモデムも標準内蔵しており、 さらにＵＳＢコネクタによりＵＳＢの周辺機器を装着可能とするなど、拡張性も十分に備えています。 また、普及モデルとして「MMXテクノロジPentiumプロセッサ(２３３MHz)」採用、ＥＤＯ－ＤＲＡＭを３２ＭＢ搭載、 ディスプレイは６．０型ＳＴＮカラー液晶、３．２ＧＢハードディスクを内蔵した「Libretto ff 1050CS」も同時に発売します。

9. 斬新なデザインと携帯性に優れた筐体
   　マレーパールシルバーにマレーオレンジのアクセントを配したカラーリングと筐体に施された曲線処理、 そして半透明のキーボードとヘッドホンの採用により、 これまでのノートＰＣにはなかった斬新なデザインとなっています。 また当社がこれまで培ってきた実装技術により、 カメラを内蔵のMicrosoftWindows98搭載ＰＣとしては世界最小・最軽量^＊のサイズと軽さを実現しています。 これまでのパソコンの枠を超えたモバイルエンターテインメントツールとして、 常に持ち歩くことができるデザインと携帯性を備えています。

   ＊	Libretto ff 1100CTモデル、1999年6月現在。