PTP開発の要素技術

  1. 薄型チップの製造技術
     PTPの実現に不可欠な薄型チップの製造技術として「先ダイシング技術」を新たに開発しました。 同技術は従来の裏面研削とダイシングの工程の順序を入れ替えたものです。 従来の工程ではウェーハを薄く削ってからダイシングしてチップに分割しており、 薄く削ったウェーハは割れやすく、ダイシング時にチップ裏面の周辺にチッピング(チップ欠け)が生じやすくなるため、 ウェーハの研削は200ミクロン程度が限界とされていました。 これに対して、「先ダイシング技術」は、先ずウェーハのダイシング(ハーフカット)を行い、 これに表面保護テープをラミネートし、グラインダによる裏面研削を行います。 研削中のウェーハはグラインダに固定され、研削が終了した時点でチップ個片に分割されているため、 従来の工程と違って「薄くて大きいウェーハ」をハンドリングする必要がありません。 このため従来工程を使ってウェーハを薄く研削するときの問題点であったウェーハ割れが発生せず、 50ミクロンまでの薄型化が可能となりました。

     

  2. 積層実装技術
     PTPでは、TABテープの打ち抜き部(デバイスホール)にチップを搭載し、 テープから導出されたリードにシングルポイントのILB(インナーリードボンディング)を行い、 この上にILB保護の為にごく薄く印刷により封止を行います。 積層は、TABのOLB(アウタァーリードボンディング)技術を使用し、 積層したPTPの各リードを独立して基板に接続するためにPTPをずらして実装する技術と、 積層される上下のPTPのリードを重ねて実装する方式の2方式を開発しました。

  3. 薄型・低コストパッケ-ジ技術
     従来のパッケ-ジは、高耐熱性・高信頼性を確保する観点から高価な材料を使用するため、コスト高となっていました。 そこで、PTPでは、低コスト化をはかるため、 インタ-ポ-ザにポリエチレンテレフタレ-ト(PET)を使用しました。 構造はシンプルで、PET基材にアルミを接着してあるシ-トに配線パタ-ンを形成し、 50ミクロンまで薄くしたチップをフェースダウンで搭載し、 チップとシートとの接続には異方性導電材料を使用し、接続・封止を一括して行います。 材料としてPETを使用しているため、リフロ-での実装は不可能ですが、 逆に常温での実装が可能となります。


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