らせん状の圧縮構造を世界で初めて採用した次世代コンプレッサの開発について

1997年2月10日

世界最小のコンプレッサを開発

 当社は、冷蔵庫やエアコンなどに用いられるコンプレッサの次世代の技術として、 最も効率の良いガスの圧縮が可能な、らせん状の(ヘリカル)圧縮構造を採用した 「ヘリカルコンプレッサ」を世界で初めて開発しました。
 「ヘリカルコンプレッサ」は、圧縮部とモータ部を一体化することができ、世界 最小サイズを実現するとともに、低騒音、優れた省エネ性、高い製造性も同時に 実現しています。

 「ヘリカルコンプレッサ」は、らせん状の3次元圧縮構造を採用することにより、 モータ部と圧縮部を一体に構成することが可能になり、モータ部と圧縮部が別々に 構成されていた従来タイプのコンプレッサに比べ、容積を約30%減らすことができ、 世界最小のサイズを実現しています。

 また、らせん状の圧縮構造を採用することで、ガスの連続圧縮を可能にしており、 稼働中の負荷変動が少なく、冷媒の吐出弁が不要な構造であるなどにより、従来 タイプのコンプレッサと比べて、騒音を約10dB低減しています。

 さらに、らせんのピッチを変えるだけで圧縮比を自由に設定することができるなど、 設計の自由度が高いため、最適な設計が可能で、圧縮時の損失を減らすことができ、 優れた省エネ性能を実現します。また、3点の基本部品から構成され、弁も不要な シンプルな構造であることや、差圧の少ない連続圧縮ができることから、冷媒のもれを 防ぐための厳しい寸法精度を要求されず、製造性も大幅に向上できます。

 なお、「ヘリカルコンプレッサ」の試作モデルは、3月4日から9日まで 有楽町駅前の東京国際フォーラムで開催する 「TOMORROW21東芝技術展」に出展する予定です。


ヘリカルコンプレッサの構造
開発の背景と狙い
ヘリカルコンプレッサの主な特長


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