超小形CMOS標準ロジックICの発売について 1995年3月14日 当社は、ANDやORなどの基本的な論理回路(ゲート)1回路だけで構成し たCMOS標準ロジックICとして、5V系の入力信号だけでなく、3V系の入 力信号にも対応できる「TC7STシリーズ」5品種を商品化し、本日からサン プル出荷を開始します。 新製品は、製造プロセスの改良により入力しきい値電圧をTTL(バイポーラ ロジックIC)と同レベルに設定しており、5V動作ながら電圧変換回路を使う ことなく、5V系と3V系の入力信号を処理でき、5V系信号として出力します。 このため、3V系システムを5V系システムへつなぐインタフェース回路として 使用できます。 また、基本ゲート1回路のみが超小形の外囲器に実装されているため、ブック 形パソコンや電子手帳などの小形、携帯機器の基板スペースを有効活用し回路を 構築できるとともに、回路設計の変更などがあった場合にも容易に対応できます。 サンプル価格は30円で、本年5月から月産10万個規模で量産を開始する計 画です。
商品化の背景と狙いCMOS標準ロジックICは、通常、1チップ上に4個~6個の複数の基本ゲ ートを持ち、デジタル信号処理を行うICとして、OA機器や家電製品などに幅 広く使われています。 近年、ブック形パソコンや電子手帳などの携帯機器では、高性能化、低消費電 力化、小形・軽量化がますます求められています。 このため、マイクロプロセッサ、ASIC、DRAMなどを中心に最先端の微 細加工技術を使った3V動作の高性能LSIが商品化される一方で、依然として 5V動作のLSIも幅広く使われており、3V動作と5V動作のLSIが混在し たシステムの構築が不可避となっています。 また、マイクロプロセッサなどの周辺回路に使用されるCMOS標準ロジック ICは複数の基本ゲートを持つため、使用しない無駄なゲートが生じたり、必要 以上に大きな外囲器のICを使わねばならず基板スペースを有効活用できないな どの問題がありました。 本製品は、このようなニーズに対応して商品化したもので、5V動作LSIと 3V動作LSIが混在したシステムを効率良く構築でき、3V系システムを5V 系システムへつなぐインタフェース回路としても使用できます。
新製品の主な特長
新製品の主な仕様形 名 TC7STシリーズ 伝搬遅延時間 10ナノ秒(5V動作時) 動作電圧範囲 4.5V~5.5V 動作温度範囲 -40℃~85℃ 外囲器 モールドサイズ 2.0mm×1.25mm、厚さ0.9mm (チップ部品2125タイプ相当) 2.9mm×1.6mm、厚さ1.1mm (チップ部品3216タイプ相当) |
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