博士号を取得するという強い決意で来日
私が日本に初めて来たのは、今からおよそ25年前のことです。それまで私は、母国であるミャンマーで大学院を卒業し、修士の学位を持って公務員として働いていました。働きながらも、博士号を取りたいという強い思いがあり(ミャンマーでは最高学位が修士)、思い切って日本への留学を決意しました。日本の大学院では情報数理科学を専攻し、ミャンマーへ帰ることなく東芝インフォメーションシステムズへ入社しました。当社は東芝グループ全体をITで支える会社ですが、支援している分野がとても広いことが大きな魅力でした。外国人であること、そして当時は今ほど日本語もうまくなかったため、いろいろな不安がありました。でも幅広い分野だからこそ、何か自分にできるものが見つかるのではないかと感じました。
数値シミュレーションという側面から、研究者・設計者を支える縁の下の力持ち
私が所属するCAE技術センターは、研究開発や製品設計の現場で活用されるCAE(数値シミュレーション)を、受託・コンサルティング等により、効率よく進められるように支援する組織です。
製品設計の検証において、全てのモノに対して試作品を作るということ自体が困難を極めます。そのような場合に仮想空間(コンピュータ)上にモデルを作成し、数値シミュレーションを実施します。その結果を目に見えない状況を含めて可視化、数値として情報を取得、その後、分析に繋げることができます。現実(Physical)で起きていることを、デジタル(Cyber)上で再現し、検証し、判断するところまでを支える、いわば「縁の下の力持ち」として、ものづくりを下支えする役割を担っています。
やりがいある仕事で日々成長
私は、仕事を通して大きく二つのやりがいを感じています。
一つ目は、自分が担当した業務の成果が製品に生かされることです。CAE技術センターでの私の役割は、より最適なパフォーマンスを得るための機器構成を検討、導入、そして稼働後のシステムの問い合わせ対応やトラブル解決、さらにはより使いやすくするための改善・運用管理までを担当しています。計算機はHPC(High Performance Computing)と呼ばれ、何を計算するかによって選定機種は大きく変わります。使用するソフトウェア、計算能力などあらゆる側面から検討し決定します。直接モノを作る仕事ではありませんが、HPC環境を活用した研究開発の成果が製品に生かされ、多くの研究者や設計者をサポートできることに、大きなやりがいを感じています。
二つ目は、リーダーとしての責任と達成感です。私は現在チームリーダーという立場にあります。メンバー一人ひとりの意見と技術的見解を踏まえて、チームとして最適な判断をすることはとても難しさを感じます。なぜなら、メンバーの経験や立場によって見えている課題が異なるからです。まずは話をよく聞き、考えを引き出し、組織としてどこまで品質を保ち、技術的なサービスを提供するかの調整がリーダーとしての腕の見せどころです。
毎日の業務は多岐にわたり困難なことにも遭遇しますが、それらの活動を通じて、私自身の成長とチームメンバー間の連帯感を強くできることに、嬉しさとやりがいを感じながら日々仕事をしています。
あらゆるサービスを活用し、仕事と家庭を両立
会社には手厚い福利厚生がありますが、それ以外でも利用できるサービスはできるだけ活用しています。子どもが小さい時は、業務終了までの時間は学童保育を利用しました。最近は在宅と出社のハイブリッド勤務が可能なため、仕事と両立することがとても容易になりました。親の介護は、在宅勤務の日は自宅で、出社日はデイサービスに依頼しています。
専門知識は入社後も学び続けることができます。学生時代には、ぜひ「自分は何に興味があるのか」を大切にして、挑戦する気持ちを持ち続けてください。その挑戦したい気持ちこそが重要で、入社した後のモチベーション維持につながります。


