空間内に音の分布をつくりだす、「Soundimension® 音場制御」 を提供開始

~3つのスピーカーを用いて、音の聴こえやすい場所、聴こえにくい場所をパーソナルサイズで生成~

2023年5月26日(金)

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:岡田 俊輔、以下 当社)は、空間内に、音が聴こえやすい場所と聴こえにくい場所をつくりだし、必要な人に必要な音を届けることができるソフトウェア「Soundimension® 音場制御」の提供を本日から開始します。
 「Soundimension® 音場制御」は、少数のシンプルなスピーカー構成を用いて空間内に音圧分布を形成し、音が聴こえやすい場所と聴こえにくい場所をつくりだすことで、人にとって聴こえやすく快適な音づくりを実現します。オンライン会議・セミナーなどのビジネスシーンや、ATMやサイネージ、エスカレーターなどの音を用いる社会インフラ領域における音の活用の幅を広げ、音を介した新たな情報伝達の実現に貢献します。

図. Soundimension音場制御による空間の音圧分布生成のイメージ

 近年、ビジネスや生活のさまざまなシーンで、人に情報を伝える手段の一つとして、音情報の活用が当たり前になりました。駅の券売機やセルフレジなどの機器の案内音声、列車やバスなどの車内アナウンス、注意喚起のサイン音など、身の回りには音情報があふれています。しかし、周囲にあふれた音情報には、新たな課題も生まれています。例えば、音情報の騒音化です。さまざまな内容の音が同時に聴こえてきた場合、そこから自分の聴き取りたい情報を的確に聴き分け、内容を正確に把握することは容易ではなく、結局単なる騒音に感じられてしまうことも少なくありません。さらに、自分の個人的な行動についての音声ガイドなど、プライベートな情報までも他人に聞かれてしまう、音情報のプライバシーの低下も望ましい状況とはいえません。

 こうした課題の解決のため、当社は、「聴かせたい音を、聴きたい人に届ける」ための音響ソリューションの開発に取り組んできました。そのコンセプトは、「簡易な系で、特別のハードウェアを用いなくても効果が体感できるようにすること」です。そのため、使用スピーカー数を数個にとどめ、かつ市販されている汎用的なスピーカーで実現できることを前提としています。
 今回、音響ソリューション「Soundimension® 音像デザイン」シリーズのラインアップのひとつとして提供を開始する「Soundimension® 音場制御」は、超音波スピーカーや大量のアレイスピーカーなどの特殊なハードウェアを必要とせず、スピーカーから出力される音に対して、聴こえる音の大きさの空間内分布を簡単につくりだすことを可能にするソフトウェアです。
 音情報を、情報を必要とする人にはっきり聴こえるように伝えることや、周囲への音漏れを低減し、気兼ねなく音情報を使えるようにすることが可能となります。

■ Soundimension® 音場制御の特長
  1. 少数の汎用スピーカーを用い、空間全体を囲むことなく音圧分布のエリアをつくりだせる
    数個の汎用スピーカーを用い、制御したい空間を囲むことなく音の聴こえやすい場所と聴こえにくい場所をスピーカーの周囲につくりだすことができます。
  2. 狭空間での制御が可能
    広い空間だけでなく、数10cmから1m程度の狭い空間レンジでの音圧分布形成が可能です。パーソナルな空間サイズに対し、ユーザー本人だけがしっかり聴こえる環境をつくりだすことができます。
  3. ソフトウェアで音圧変化を制御
    使用環境・目的が変化するたびにスピーカーなどのハードウェアの設定や配置を変えることなく、音を届けるエリアやその聴こえ方をソフトウェアで制御します。
  4. 低周波領域も制御
    一般的な指向性スピーカーでは制御が難しいといわれる低周波領域(例えば男性の声の低域部など)も制御の対象とし、処理が可能な音源の種類の幅を広げています。
■ Soundimension® 音場制御の利用シーン
  • オンライン会議・セミナー
    会議用スピーカーに出力される音声に対し音場制御を適用することで、スピーカーセットの正面位置にいるその会議の参加者には会議音声がはっきり聞こえ、離れた位置にいる非参加者へ漏れ聞こえてしまう会議音声は小さく気になりにくくすることが可能です。
  • サイネージ・案内板・博物館などの音声情報
    投影・再生するコンテンツの音声がはっきり聴こえるエリアを絞って設定することで、周囲の人に気兼ねなくコンテンツの視聴ができるとともに、複数のデバイスが近くに並んでいる場合もコンテンツ同士の音の干渉を低減させることができます。
  • ATM、券売機など小型機器の音声案内
    操作者にははっきりと音声案内が聴こえ、横などの周囲にいる人には気になりにくい音量で音声案内を流すことができ、機器の周囲での騒音を低減し、操作者の聴かれたくない思いにも応えることができます。
  • インフラ設備の音声案内
    エスカレーターやエレベーターで乗り降りする時など、効果音やアナウンスを特定のエリアにいる乗客にはしっかり聴こえ、周囲には小さい音量で聴こえるようにするなど、エリアを設定して流すことができます。

 今後も、シンプルで使いやすい音響ソフトウェアを提供し、音の活用手段をより広げることで、さまざまな業種や業態における音・音声情報の活用推進や、「人々にとって心地よい音」の提供に貢献してまいります。

東芝の音響ソリューション「Soundimension® 音像デザイン」シリーズについて
 「Soundimension® 音像デザイン」は「人にとって、より望ましい形で音を届ける」ことをコンセプトとした音響ソリューションです。シンプルな汎用ハードウェアを用いた、ソフトウェア制御による自由度の高い音響効果の実現が特長で、音情報の活用シーンを広げ、新たな音の聴こえ方の実現に貢献します。

注:現在は3個のスピーカーを使用。

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