身近なデジタルが社会貢献につながる

お客さまのIT資産運用に最適なソリューションやサービスを提供する営業担当の浅海有佳。ヒアリングから企画、提案、導入、運用、サポートまでのワンストップサービスで、お客さまの事業継続を支えている。お客さまに寄り添い、常に最適な提案ができるように、トレンドの製品や技術の知識習得も欠かさない。こうして培った知識や経験がお客さまの要望にぴたりとはまったときの喜びはひとしおだという。そんな浅海にとっての“デジタル”について語ってもらった。


先を見据えた提案で課題解決のパートナーに


私は現在、特定のお客さまをよく知り、ICTの力でお客さまの事業継続を支援する、アカウントを軸にした営業活動をしています。以前は、当社のソリューションをさまざまなお客さまに拡販する、ソリューションを軸とした営業活動も経験しました。そこでは、複数の企業と仕事をする機会に恵まれ、業界全体への貢献について考えるようになりました。一方、現在のアカウントを軸にした活動では、担当するお客さまのビジネスにいかに貢献できるかを深く考えます。視点が異なりますが、どちらもやりがいのある仕事です。

現在、私が担当しているお客さまは、大手の化粧品会社です。主に、同社のITインフラを構成するパソコンやタブレット端末、スマートフォンといった各種業務端末のLCM(Life Cycle Management)サービスに携わっています。現在の業務環境はこれらの端末なしには成り立たず、業務基盤を支える重要な仕事だと思っています。具体的には、お客さまの業務に合わせた端末の準備やセットアップ(キッティング)、デリバリー、そして利用中に発生したトラブルへの対応や代替機の手配といった運用・保守サポートなど、端末のライフサイクル全般を包括的に支援しています。さまざまな社会環境の影響を受け変化する時代においても、安心してビジネスを継続いただけるように、常にお客さまの業務にとって最適なITインフラであるよう模索しています。

私たちは、お客さまが全社で使用されている端末の運用や保守を一括して行っており、その規模は約5万台になります。またそれらは、オフィスや外出先での使用に加えて、店頭での販売活動などに使用されるなど、各端末を使用する環境や用途は多岐にわたります。そのため、ひとたびトラブルが発生すると、お客さま全体の業務に大きく影響します。影響を及ぼす範囲や規模が大きくなってしまう恐れもあり、トラブルを未然に防ぐための非常に細やかなケアが、随所で求められます。日々のビジネスを支えている立場として、お客さまの業務や環境をよく知り、今抱えられている課題、さらにはこれから起こり得る課題を捉え、共に解決策を考えて実行に移すことが重要になります。私はこれらに取り組む過程において、社内外でのコミュニケーション不足や、私自身が受け身となってしまったことなど、反省点も多くありました。この反省を糧に、日々発生する問題や課題を横断的かつ素早く解決する体制の構築や、ノウハウの蓄積と共有、そしてお客さまの中長期的な課題に対する提案などを積極的に行うようになりました。またLCMの運用においては、小さな工夫を一つひとつ丁寧に積み重ね、そこで得た「気づき」を基にした改善提案を行うなど、長くお付き合いしているからこそできるさまざまなことにも取り組むようになりました。

このような取り組みを心掛け、実行してきたことで、お客さまから信頼していただけるようになり、今では、ご相談や新しいご要望を受けることも増えてきました。初めて経験するようなご要望をいただくこともありますが、お客さまを「知っている」という強みのもと、チームを巻き込みながらこれまでの経験とノウハウを結集し、最善の提案ができるように努めています。

コロナ禍となり緊急事態宣言が発出された時には、お客さまからテレワークの環境を早急に整備したいという相談を受けました。個人宅への配送やオフィスとの利用環境の違い、データの取り扱いなど、山積する課題の解決に奔走した結果、適切な場所へ適切に端末を届けて業務を継続できる環境を短期間で構築できました。お客さまから即応性を評価いただけた事例ともなりました。LCMサービスの可能性を広げた、このコロナ禍での経験を忘れずに、今は、未来を見据えた仕組みを検証し、お客さまが持つビジョンやコンセプト、テーマを意識した新しい提案を考えています。

変化の激しい今の時代は、お客さまのご要望もさまざまです。お客さまが不便だと感じていることは何か、将来的に不便だと感じる可能性のある潜在的な課題はないか、どのようなサービスでそれらを快適にできるのかを常に考え、継続した改善提案とそれを実行できる技術や体制を整えることがとても重要だと考えています。お客さまに「一緒にやってほしい」と思っていただけるように、これからもお客さまに寄り添い、理解を深めていく姿勢でい続けたいと思います。


デジタルが生み出すデータの価値は計り知れない


世の中にはさまざまなデジタルがあふれています。その中で、最近気になっているアプリがあります。それは、植物や生き物を撮影して名前や特徴を調べたり、それらの写真を投稿してユーザー同士で共有しあったりするものです。ユーザーは、近所などでふと見かけた植物や生き物の知識を得ることができたり、指定された生き物を現実世界で見つけるゲーム(クエスト)などに参加できたりすることから、スマートフォンを片手に子どもから大人まで、植物や生き物とのリアルな出会いを楽しめるものだと思います。実は、このユーザーが見つけた植物や生き物の情報は、今、どこに、どのような植物や生き物が存在しているのかの調査に役立てられ、さらには生物の多様性を保全する活動にも活用されています。
便利で簡単に使えるデジタルの一例ですが、このアプリの存在は、デジタルのバックグラウンドには何があるのか、デジタルから生み出されるデータをどのような価値にすれば生かせるのかを、改めて考えるきっかけになりました。

「デジタルの可能性」や「データ活用のメリット」を追求し、訴求することに日々注力している中で、感じていることがあります。それは、現実の世界はただデジタルに置き換わっていくのではなく、人が地球で活動をする限り有効なツールとしてデジタルはあるのだということです。デジタルは、人々の暮らしや活動、世の中をよりよくするための、あくまで手段であり、もし使わずに達成できるのであれば、デジタルにこだわる必要はないと思います。ただし、デジタルには、未来を変える力があることを強く感じています。デジタルの対義語として「アナログ」を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、デジタルはアナログの対を成すのにとどまるものではなく、デジタルを使うことで生み出されたデータは、その高度な活用や分析などを通じて、これまでは難しかった人々の選択肢を広げたり、効率や快適さを高めたりする可能性を秘めているものです。私はこのような手段として、デジタルを適切に使える存在でいたいと思っています。

デジタルの進歩は目覚ましく、数年後でさえも具体的にイメージすることは困難です。ただ、近い将来、デジタルはさらに身近で、世界中の誰もが触れるものになっていくのではないでしょうか。デジタルで開かれた可能性に満ちた世界を楽しみに、誰もが置いていかれることのない社会づくりに貢献する活動をしていきたいです。

大切なことば

“No Rain, No Rainbow”「雨が降らなければ、虹はかからない」。これはハワイのことわざで、「つらいことのあとには良いことがある」という意味を持つそうです。このフレーズを思い出すとき、空を見上げて大きな虹がかかっている風景が同時に思い浮かび、雨が降っていたことを忘れてしまうような、さわやかで前向きな気持ちにしてくれます。
何かに行き詰まったとき、心に余裕を持たせてくれるこの言葉を、次の一歩を踏み出す原動力として、いつも大切に心にとどめています。

浅海 有佳

東芝デジタルソリューションズ株式会社
スマートマニュファクチャリング事業部
産業ソリューション営業部 営業第二担当


入社以来、一貫して営業の道を歩んできた。製造業を中心にICTの力を使って業務のサポートや価値の提供を行ってきた。自社のソリューションを軸にさまざまな企業に営業活動を展開する経験を経て、現在は、特定のお客さまにより深く向き合い支援する、いわゆる「アカウント営業」として活躍している。自身が培った知識や経験がお客さまの役に立てられるよう、日々邁進(まいしん)している。

執筆:井上 猛雄

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