「Why? TOSHIBA」を問い、
困難を突破する

どんなプロジェクトにも、その実現までには多くの困難がついて回る。ゼロからイチをつくりだす新規事業開発の場合、その大変さはなおさらだ。入社以来、エンジニアとしてキャリアを積みながら、数々の新規事業開発プロジェクトに参画してきた吉村は、常に新しく手がける事業の意義と価値を問いながら、困難と向き合い、前に進み続けている。そんな吉村にとっての“デジタル技術”について聞いてみた。


ビジネスをつくりだす、もうひとつの顔


日々、お客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援に力を注いでいる吉村には、もうひとつの顔がある。新規事業の開発を手がけるビジネスプロデューサーの役割だ。彼が立ち上げた最新の事業は、eラーニングクラウドサービス「Generalist/LW」のEC販売。大企業で実績のあるソリューションを中小企業のお客さまに営業レスで提供するという、東芝では画期的なビジネスモデルだ。
※EC:Electronic Commerce(電子商取引)

その事業化までの道のりは平坦ではなかった。「多くの人が手軽にサービスを利用できる決済の仕組みを目指しましたが、その実現には専門的な知識とともに従来の業務ワークフローを見直す必要があり、とてもハードルが高いものでした」と言う。ここで壁を乗り越える力となったのが、吉村自慢の「突破力」だった。「常識にとらわれ、諦めるのは簡単です。何か手はないか、社内の専門家を交え粘り強く検討を重ねました」。その結果、社内規程を満たすEC販売のための新しい業務ワークフローが定まり、2018年、事業は無事に立ち上がった。

「お客さまにとって本当に価値のある機能を掘り下げて実現することが私たちの仕事です。だからお客さまの想いを受け取り、とことん精査しながら、カスタマイズの最適解を追い求め、見極めることが大切だと考えています」


「なぜ」を伝え、周囲を巻き込む


突破を試みる際、吉村には必ず自問自答する言葉がある。「Why?TOSHIBA(なぜ東芝がそれをやるのか)」だ。きっかけは、海外製ストレージ製品の間販事業の立ち上げに苦戦したこと。「法規制や言語を乗り越えるなど課題は多く、関係各所の総意をなかなか得られなかったのです」。吉村は東芝のビジョンに鑑み、事業を立ち上げる意義と価値をしっかり言葉で伝える重要性を痛感した。「多くの人の理解があって初めて、ゼロから何かをつくることができる。新しい事業がいかに会社に貢献するのか、誰もが納得するまで伝えるようになりました」

そんな今野は"デジタル技術"を「人類と共存するもの」と表現する。今やデジタル技術は社会に欠かせない存在となったが、IoTやAIが力を発揮するのは、人間がそれらを使いこなすことが前提だ。「どちらも一人歩きができない以上、人間とデジタルは互いに支え合い、共に進んでいくべき存在だと思います」

そんな吉村にとっての“デジタル技術”は、一言でいえば「便利なもの」。「手間がかかる作業を省力化できるところが、デジタル技術の魅力です。手軽さや容易さといった『便利』を追求したビジネスを生み出し、東芝の柱に育て上げることが夢ですね」。吉村はWhyを問い続けながら、人々を巻き込み、進み続けていく。

大切なことば

常識に縛られず、限界を決めずにトライすることを大切にしています。自分にとって専門外の課題は知識を持った人に協力を仰ぎ、システム上の課題はエンジニアとしての自分を生かして実際につくって見せることで、最適解につなげます。お客さまや東芝にとっての価値が明快であれば、どんな困難も突破していくつもりです。

吉村 安彦

東芝デジタルソリューションズ株式会社
ICTソリューション事業部
デジタルトランスフォーメーション推進部
DX・IoT運用サービス担当 主任


2007年に入社後、ビジネス電話システムの開発に従事。2012年に電子書籍システムの構築プロジェクトへ参画して以来、BtoBやBtoCにかかわらず多くの新規事業に携わる。2013年からはストレージ製品の間販事業の立ち上げメンバーに。2018年にはEC販売基盤の立ち上げを、中心メンバーとして成功させた。現在は、半導体工場のDX案件にも従事している。

  • この記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、取材当時2019年12月のものです。

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