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高効率モータの開発 竹内 活徳 専攻:電気工学

低損失のモータと最適な制御で高効率なドライブシステムを開発

環境問題への関心の高まりから、省電力、高効率な電機システムが求められています。その中でもファン、ポンプ、輸送機器などに使われる産業向汎用モータは、全電力エネルギー消費量の約半分以上を占めており(1)、最も重要な構成要素と言えます。したがってモータの高効率化を進めることが、環境負荷の低いシステムの構築につながります。

モータを高効率化する方法には、大きく分けて2つあります。1つは、モータに発生する損失自体を減らすこと、もう1つは負荷状況や運用方法に応じてモータを最適な条件で運転することです。
損失を減らすには、詳細な磁界解析や高精度な測定装置を使って、0.1%というわずかな割合の損失低減を図り、高効率化を進めています。このためには、実測値と解析値を比較することによって損失の発生要因や発生個所を詳細に分析する必要があります。私は、解析・測定を行っていますが、解析モデルの作り方にもノウハウがあり、実機を正確に再現するためには、鉄心締結用のボルトや角部の面取りなど、実機を細部まで忠実にモデル化した三次元解析を実施して、実測値と比較、分析する等、非常に苦労しました。それだけに、それらの結果から、損失を減らすことができたときには、とてもやりがいを感じました。
モータの最適運転条件については、低損失なモータと最適な制御システムを組み合わせることで、総合的な高効率モータが実現できると考えています。

竹内活徳 写真

私は、大学時代にはモータとは異なるテーマの研究を行っていたため、入社前までは専門外の領域での研究テーマに馴染めるか等、様々な不安がありました。しかし、いざ入社してみると、近くにいる上司や先輩に基礎から丁寧に指導をしていただき、すんなりと業務に馴染むことができました。周りの人が気さくで話しやすいということは、東芝の良いカラーだと思います。また、試験装置の取り扱いやプログラミングの知識など、大学時代に培ったことが応用できることもあり、今となっては、異なる分野で習得したことも現在の仕事で活かされていると感じています。

休日には、職場の方たちとスポーツをしたりバーベキューをしたりと、プライベートでも仲良くさせていただいています。遊びや運動でしっかりと心身をリフレッシュし、これからも公私ともに充実した生活が送れるようにがんばりたいと考えています。

(1)出典:
経済産業省総合資源エネルギー調査会
省エネルギー基準部会
第3回三相誘導電動機判断基準小委員会資料4

(2016年9月執筆)

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