リアル展 レポート

DXによる工場の自動化／最適化を実現するために不可欠な産業用コントローラは、コンピュータを搭載したOTコンポーネントにソフトウェア化されたコントローラ機能を実装した「ユニファイドコントローラ Vmシリーズ typeL」を紹介しました。
また、今回IIFES2024の目玉となるのが、新開発された計装クラウドサービス Meister Controlシリーズ「Meister Controller Cloud PLCパッケージ typeN1」です。これまで実現が困難といわれた製造現場のPLCをソフトウェア化してクラウド上のサービスとして提供予定。現場の生データがクラウド上のtypeN1に集約されることにより、リアルタイムでのシームレスなデータ利活用を実現、利便性が飛躍的に向上します。実機で行われた遠隔制御デモの様子を見つめる来場者の視線は熱く、OTとITの融合を推進する新サービスの提供に期待の声を多くいただきました。
各種駆動機械・装置のカーボンニュートラルに貢献する高効率モータについては、IE5レベルの高効率を実現した新製品「SynRM(シンクロナスリラクタンスモータ)」等を中心に出展しました。この製品カットモデルは、内部構造から東芝の技術がよく分かると来場者から好評でした。
高機能インバータ「VF-AS3J/VF-AS3」の各種機能や「新形モータマルチリレー CCR23」は、予期せぬ故障の可能性を未然に検知することができ、インフラレジリエンスに貢献できることを紹介しました。
「二次電池 SCiB™」では、電池モジュールの展示に加え、これを搭載した「UPS『SANUPS A11K-Li （山洋電気株式会社製）』」と「ピッキングアシストロボット『ラピュタPA-AMR（Rapyuta Robotics株式会社製）』」を展示。実機の製品例と10年間メンテナンスフリーである点が響き、説明員から詳しく紹介を受ける方もいらっしゃいました。
また、レガシー製品の継続運用を実現する「ディスコンLSI再生^®サービス」は、物理的に機器の入れ替えが難しい環境での永続的な機器運用を課題とされている来場者から高い関心が寄せられました。

“MONODZUKURI”を担う工場のDX、カーボンニュートラルの実現に貢献するIAシステムの各製品を展示。新製品の「新統合監視制御システム」は、“オートノマスファクトリー”に向けたステップとして、仮想化技術でコンピュータを融合したコントローラ（VmシリーズtypeL）に機能を集約したシステムを実現したもので、将来的にクラウドでの統合監視制御に移行していく構想を示しました。
労働人口の減少化および属人化しがちなノウハウのデータ化と効率化に貢献する「電子操業日誌 PlantLogMeister」や「プロセス診断システム TMBee-Atom」、「AI画像解析システム」では、操業の省人化に関する課題をもつ来場者から電子化や自動化に関する具体的なご相談をいただきました。

設備稼働や製造実績など生産現場のさまざまなデータを収集・活用し、生産性や品質向上を支援する製造業向けソリューション「Meisterシリーズ」や、制御システムの資産やリスクを正確に把握し、サイバー攻撃から産業・プラントの工場を守るXIoT向けサイバーセキュリティソリューション「Claroty」などを展示しました。
今後ニーズが高まるカーボンニュートラルへの対応に向け、工場のさまざまな設備データの収集・可視化を実現する「工場・プラント向けアセットIoTクラウドサービス Meister OperateX™」では、Meister OperateX™ による工場のエネルギーマネジメントへの活用イメージと、東芝府中事業所への導入事例をご紹介しました。本事例では、データ収集に東芝の産業用コンピュータを利用することによって収集サーバを集約し、運用コストの低減も実現しています。
また、サプライチェーンの強靭化に向けて企業同士をつなげ、企業間のコミュニケーションと提携サービスを提供する「サプライチェーン・プラットフォーム Meister SRM™ ポータル」では、サプライチェーンを横断したCO2排出量の可視化イメージと、カーボンフットプリントの実現に向けて業界団体と連携した取り組みをご紹介しました。
そのほかにも、未知のマルウェアも阻止することができるLinux搭載機器のマルウェア対策「SecNucleus^® WhiteEgret」は、省リソース環境やシステム更新を頻繁にできない組込み機器のセキュリティ向上への課題に直面されている来場者から高い関心が示されました。