よりよい技術者はよりよい製品でこたえを出す。

[技術(開発設計)] 藤澤 忠

2015年入社 / 所属:小向事業所 基盤技術部 / 専攻:工学院 人間機械システムデザイン専攻

 

成果は、形になるとは限らない。

たとえるなら、頑張ってつくった料理が美味しかったとき、嬉しさが感じられるように。自分の考えや苦労が形になって実感できる仕事こそ、私が就職活動時に望んだものでした。東芝を選んだのは、事業所見学をした際に接した人たちが、とても印象的だったからです。みんな優しくてオープンな雰囲気なのに、不思議と職人気質というか、各々が製品と真摯に向き合うプライドのようなものがある。自分もそんなふうに働いていきたいと考え、この事業所の一員となったのです。
しかし入社してからのものづくりは、想像していたものよりずっと難しい仕事でした。お客様からのオーダーをそのまま実行しても、喜んでいただけるとは限らない。誰も知らない新しい技術にチャレンジしなければならないこともある。料理をするみたいに、レシピ通りにやればある程度の成功が約束されているなんてことはないのですよね。お客様の言葉の裏にある考えや気持ちを想像したり、よりよくできないか試行錯誤してみたり。自ら考え、プロとして答えを出すことが求められるのだと感じています。

成果は、形になるとは限らない。

やったぶんだけ、きっと製品はこたえてくれる。

仕事に、プロとして答えを出す。さらにいえば、つくった「もの」でこたえを出すことが、私たちものづくりを行う人間の、プライドです。ものは、ウソをつきません。理論上正しくても、期待していた性能にならないこともある。反対に、思いつきでやってみたときの方がうまくいくこともある。しかしひとつだけわかるのは、どんな理論や説明よりも、目の前にある製品が何よりのこたえであること。上手くいってもいかなくても、できあがったものでしかお客様には評価してもらえないことを自覚しなければなりません。だからこそ製品と技術者が向き合う時間は、何より大切だと考えています。技術者同士で製品を囲み話し合うときも、考えて実行したぶんいいものができたときも。ものづくりが自分に呼応してくれているように思えて、とても嬉しい瞬間です。防衛にも、ものづくりにも、ベストはありません。あるのは、ベターなこたえだけ。だからこそ、もっといい製品をつくり続けられるように。自分なりのこたえを探していくのが、技術者としていつも忘れてはならない姿勢ではないでしょうか。

やったぶんだけ、きっと製品はこたえてくれる。

キャンプの料理も、こだわりを見せる瞬間です。

料理のようにやれば成果の見えることが好き......なんて冒頭に申し上げましたが、じつは普段、あまり料理はしません(笑)。ただし、「ここだけは!」とこだわって料理をする日があります。それが、仲間とキャンプに出かけたときです。つくるメニューはいつも定番。ビーフシチュー。バターを入れてコクを出して、一緒に愉しむのは赤ワイン。川のそばでテントを張り、火を炊いて。周りを気にせずゆったりと過ごすときこそ、自分にとっての大切な時間です。

キャンプの料理も、こだわりを見せる瞬間です。
  • ※掲載内容は取材当時のものです。