ものづくりの技術のために現場をつくる技術がある

[製造] 水田 智之

2001年入社 / 所属:小向事業所 電波機器製造部 / 専攻:電子科

よりよい環境のための、見えない仕事。

「水田さんって、何してるの?」。私はよく、こんなふうに聞かれることがあります。社外からではなく、一緒に働く社内のメンバーからも。私の仕事は、ちょっと見えにくい、みんなとは異なる角度から、ものづくりを支えている仕事です。
私の所属する電波機器製造部といえば、製品の組み立てなどを行うのが主な仕事です。しかし私は製品をほとんど扱いません。私の仕事は、ものづくりの環境そのものをつくる仕事なのです。組立作業を行うための場所を確保したり、使用する設備について考えたり。みんながよりよい作業をできるよう、環境を整える役割を担っています。だから、私にとってのお客様は、社内の働いている人たち。日々の仕事でやりにくいことはないか。効率をよくするために気づいたことはないか。多くの人と話し合いを重ねながら進めています。見えにくいかもしれませんが、現場を支える大切な仕事です。よりよい現場のため、考えることは多種多様。たとえばコスト削減、効率向上。中でも私が重きを置くのは、みんなが話してくれる、それぞれの立場からの意見を尊重することです。

よりよい環境のための、見えない仕事。

現場づくりは、まず人に学ぶことから。

まだ私が若手だったころ、上司から「必ず色々な人と仕事をすることになる。だからいろんなことを学びなさい」と教えてもらいました。製造といえば、ものづくりと向き合うイメージの強かった私には、当時その言葉の真意がわかりませんでした。しかし、様々な人の働きやすさについて考え始めた現在、その言葉がどれだけ重要か、とてもよくわかるようになったのです。ものづくりの現場には経験の長い人もいれば、技能・技術力では誰にも負けない人もいるし、周りを巻き込んでモチベーションを上げるのが得意な人もいる。現場は、様々な人の多様な力で成り立っています。だからこそ、誰か一部の意見で現場がつくられてはいけないし、当然、私の独断で進めてしまってもいけない。多くの人がどのようなことを望んでいるかを学び、知っていなければならないのです。大切なのは、より多くの人にとってよりよい環境とは何か、コミュニケーションをとりながら試行錯誤することだと。現場に足を運び、話し合いを重ねることが大切なのだと思うようになりました。一人ひとりの意見を尊重することで、見えにくいけれど、ものづくりはもっとよくなる。そこに、ものづくりそのものを支える見えない製造技術があるのだと思います。

現場づくりは、まず人に学ぶことから。

家の中をもっとよくする、無限(?)DIY。

ものづくりについて考えてしまうのは、家でも同じものなのでしょうか。最近ではDIYにすっかりハマってしまいました。独学で本を読んで勉強し、子どものおもちゃ箱、本棚に始まって、最近ではキッチンの改造を計画中。費用対効果を、PDCAを......と考え始めていて、もはや完全に仕事の域になってきました。「もっとよくしたい」にはキリがないので、長く続けられる趣味となりそうです(笑)。

家の中をもっとよくする、無限(?)DIY。
  • ※掲載内容は取材当時のものです。