東芝デジタルソリューションズ・SpeQtral・STエンジニアリング、
東南アジアにおける量子セキュア通信ソリューションの提供に向けた覚書を締結
2024年9月3日
東芝デジタルソリューションズ株式会社
SpeQtral Pte. Ltd.
Singapore Technologies Engineering Ltd.
東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:島田 太郎、以下 東芝デジタルソリューションズ)とSpeQtral Pte Ltd.(本社:シンガポール、Co-founder & CEO:Lum Chune Yang、以下 SpeQtral)とSingapore Technologies Engineering Ltd.(本社:シンガポール、Group President & CEO:Vincent Chong、以下 STエンジニアリング)は本日、量子セキュア通信分野における覚書(MOU)を締結しました。今後、戦略的提携を進め、シンガポールをはじめとする東南アジアにおいて、量子セキュア通信ソリューションの市場投入戦略を強化していきます。
今回の覚書に基づき、3社は東南アジア市場で量子セキュリティソリューションを推進するためのさまざまな戦略的イニシアチブで協力します。市場および事業開発における連携、各企業・産業に向けたソリューションの提供、政府関連の取り組みへの事業機会の参画を進めることなどを予定しています。具体的には、政府/防衛、金融サービス機関、医療、重要インフラなどの各分野向けにカスタマイズされた量子セキュアネットワークソリューションの開発・提供に向け連携して取り組んでいきます。
MOU調印式の様子
(東芝デジタルソリューションズ、STエンジニアリング、SpeQtralの各代表)
今回提供を目指す量子セキュアネットワークソリューションには、量子鍵配送 (Quantum Key Distribution: QKD) と耐量子計算機暗号 (Post-Quantum Cryptography: PQC) を組み合わせた量子セキュア通信、量子セキュアなデータストレージ、クラウドサービス、マルチパーティ(秘匿)計算が含まれます。さらに3社は、本量子セキュアネットワークソリューションの提案やプロジェクト入札で協力し、専門知識とリソースを組み合わせることで、量子セキュリティ分野での新たな機会創出を図っていきます。
東芝デジタルソリューションズとSpeQtralは2021年より戦略的パートナーシップを結んでおり、東芝の世界トップクラスの光ファイバーベースのQKDソリューションとSpeQtralの先駆的な衛星ベースのQKDを組み合わせ、グローバルな量子セキュア通信ネットワークを実現するための重要な技術を提供しています。また、この戦略的パートナーシップを通じてこれまで、シンガポールでの量子セキュア通信のユースケースの実証や、東南アジア初のQuantum Networks EXperience Centre(QNEX)注1の開設など、重要なマイルストーンを達成してきました。今後も、戦略的パートナーシップを通じて、量子技術に先駆的に取り組み、グローバルなデータセキュリティと高度な通信の新時代を切り拓いていきます。
さらに、今回の提携を通じて、STエンジニアリングのサイバーセキュリティ分野における豊富な専門知識とセキュア通信ネットワークの展開実績を生かし、量子セキュア通信ソリューションの推進をさらに強化していきます。
STエンジニアリングのグループ最高技術責任者兼デジタル責任者であるDr. Lee Shiang Longは、「量子コンピューティングが進歩するに伴い、現在の暗号化方法に対するリスクも増大しています。私たちは、機密データとインフラストラクチャを保護し、企業が繁栄できるようにするための量子セキュアソリューションの開発に重点を置いています。当社の暗号および運用技術のサイバー専門知識を東芝デジタルソリューションズとSpeQtralの能力と組み合わせることで、現在および将来のサイバー脅威に対するデジタルレジリエンスを強化し、すべての人にとってより安全なサイバー空間を確保することを目指しています」と述べています。
株式会社東芝常務執行役員 兼 東芝デジタルソリューションズ株式会社取締役常務 ICTソリューション事業部長である月野浩は、「今回のマイルストーンは、2022年に開始したSTエンジニアリングとのパートナーシップ注2の大きな前進を示しています。私たちの提携は、シンガポールをはじめとする東南アジア全体で堅牢な量子セキュア通信エコシステムを育成し、量子セキュア通信市場の拡大を促進する上で極めて重要です。SpeQtralの専門知識を含め企業間の相乗効果を生むことで、私たちはこの重要な分野でイノベーションの最前線に立つことができています。私たちは、3社で連携して取り組むことで、量子セキュア通信の新しい業界標準を確立し、企業と政府の両方にとってより安全なデジタルの未来を保証すると確信しています」と述べています。
SpeQtralの共同創設者兼CEOであるLum Chune Yangは、「信頼と定評のある世界的なテクノロジーおよびエンジニアリングのリーダーであるSTエンジニアリングと、正式にパートナーシップを締結できることを嬉しく思います。今回の相乗的な提携は、東芝との長年にわたる貴重な協力関係を基盤とし、最高クラスのテクノロジーと、品質保証および顧客中心のソリューションに対する共通の取り組みを結集したものです。最先端の量子セキュアソリューションで東南アジアのデジタルの未来を守るために、新たな提携関係として前進することを楽しみにしています」と述べています。
注1:東芝デジタルソリューションズ・SpeQtralニュースリリース(2022年11月)
東南アジア初のQuantum Networks EXperience Centreの開所式に参加
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution/news/2022/1117.html
注2:SpeQtral・ST Engineeringニュースリリース(2022年11月)
SPTel, SpeQtral and ST Engineering Held Successful Trial for Quantum-Secure Networks
https://speqtralquantum.com/newsroom/sptel-speqtral-and-st-engineering-held-successful-trial-for-quantum-secure-networks-to-enable-robustly-secure-digital-communications
東芝デジタルソリューションズについて
東芝デジタルソリューションズは、東芝グループのデジタルソリューション事業を担う企業としてIoTや人工知能(AI)などのデジタル技術や量子技術を活用した事業をグローバルに展開しています。東芝グループの幅広い事業領域で生まれるさまざまなデータの力を最大限に活用し、プラットフォーム化を推進することで価値あるサービスを次々に生み出し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。東芝グループの経営理念「人と、地球の、明日のために。」のもと、お客さまやパートナーの皆さまとともに、新しい価値を持続的に創造していきます。
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution.html
SpeQtralについて
SpeQtral は量子通信のパイオニアであり、グローバルな量子ネットワークを構築して展開することをビジョンとしています。 SpeQtral は、古典的なサイバー攻撃だけでなく、従来および将来の量子ベースのサイバー攻撃から国家や企業の通信ネットワークを保護するために設計された、量子セキュアな製品とサービスを開発しています。 SpeQtral は、地上と宇宙の両方のソリューションを組み合わせて、迫り来る量子革命によってもたらされる脅威から世界のネットワークを保護し、将来の量子インターネットの基盤となる量子通信のイノベーションを推進することを目指しています。
https://speqtralquantum.com/
ST エンジニアリングについて
ST エンジニアリング(ST Engineering)は、航空宇宙、スマートシティ、防衛、公共セキュリティのセグメントにわたる多様な事業ポートフォリオを持つグローバルなテクノロジー、防衛、エンジニアリンググループです。同グループは、テクノロジーとイノベーションを活用して現実世界の問題を解決し、より安全で持続可能な世界を実現します。シンガポールに本社を置き、アジア、ヨーロッパ、中東、米国に事業を展開し、100か国以上の顧客にサービスを提供しています。STエンジニアリングは2023年度に100億ドルを超える売上を報告しており、シンガポール証券取引所に上場している最大規模の企業に数えられています。同社は、MSCIシンガポール、FTSEストレーツタイムズ指数、ダウジョーンズサステナビリティアジア太平洋指数の構成銘柄です。
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