当社の機器別の判定について

微量PCBの混入原因は断定できないことから微量PCB混入の範囲として、対象機器・製造年等の特定は出来ないとの結論に至りましたが、機器の種類別毎に判定を加えたものを以下に記します。

1. 変圧器、リアクトル

弊社検出事例からは、1970年の前後4年が最も微量PCB混入の可能性が高い時期と考えられますが、微量PCBの混入原因は断定できないことに加えて、他社における事例は1989年まで減少傾向にはありません。更に、機器据付後の保守作業に使用された絶縁油へのPCB混入の有無が不明であります。ついては、1989年以前に製造された機器の廃棄に際しては、関連法規に従ったお取扱いに留意されることをお願いします。

また、1990年以降に製造された機器の場合、弊社工場では、[1]絶縁油メーカーよりPCB不含証明書を入手していること、[2]絶縁油の受け入れ時または抜取り検査として製品出荷前に採油分析をし微量混入のないことを確認していること等、絶縁油に対する品質管理を強化しております。従いまして、出荷時点では不含と判断致しております。

2. 高圧進相コンデンサ

高圧進相コンデンサには鉱油を使用したコンデンサ、化学的に合成された絶縁油(合成油)を使用したコンデンサ及び植物油を使用したコンデンサがあります。

鉱油使用品の場合、絶縁油の管理は変圧器等と同様であることから、上述と同様の処置をお願いします。
鉱油使用機器の型式の型としましては、
OR-、ORR-、ORT-、ORTR-
となっており高圧進相コンデンサ本体銘板に記載がありますのでご確認ください。

合成油及び植物油の場合は、絶縁油そのものの精製工程が鉱油とは異なりますが、合成油を使用した1989年以前製造のコンデンサにおいて微量PCB混入の検出事例が報告されております。
従いまして、合成油及び植物油を使用したコンデンサにつきましても、鉱油使用品と同様に機器の廃棄に際しては、関連法規に従ったお取扱いに留意されることをお願いします。

合成油及び植物油使用機器の型式の型としましては、
BR-、BRR-、BRT-、BRTR-
CR-、CRR-、CRT-、CRTR-
ER-、ERR-、ERT-、ERTR-

となっており高圧進相コンデンサ本体銘板に記載がありますのでご確認ください。

参考①:PCB使用高圧進相コンデンサの型式の型としましては、
SR-、SRR-、SRT-、SRTR-
となっております。
参考②:PCB使用低圧進相コンデンサの型式の型としましては、
PFCD-、CD-
となっております。
また、銘板上に「シバノール入り」「不燃性絶縁油入り」等の表示があります。

3. 計器用変成器

機器計器用変成器につきましては、変圧器等と同様の判断をお願いします。

4. 油入しゃ断器

油入しゃ断器は、その性能維持を目的に定期的に絶縁油を交換するものでありますが、絶縁油の取扱につきましては変圧器等と同様の判断をお願いします。

5. その他の鉱油使用機器

その他の鉱油使用機器につきましては、変圧器と同様の判断をお願いします。

[更新履歴]
令和4年9月1日:「2. 高圧進相コンデンサ」に参考情報として、低圧進相コンデンサの型式を追加