ニュースリリース

2022年9月30日（金）

東芝デジタルソリューションズ株式会社

　東芝デジタルソリューションズ株式会社（本社：神奈川県川崎市、取締役社長：岡田　俊輔、以下 東芝デジタルソリューションズ）のメディア向け顔認識AI「カオメタ^®」が、日本テレビ放送網株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：石澤　顕、以下 日本テレビ）が本日発表した放送業向けAI顔認識システムのための業務用アプリケーション「WhoFinder^®」に採用されました。「WhoFinder」は、株式会社日テレWands（本社：東京都港区、代表取締役社長：鈴木　重利、以下 日テレWands)より2022年9月から順次、放送業界向けに販売されます。

　放送局の番組制作現場では、「被写体確認」は非常に重要な作業であり、オンエアまでに時間をかけ、人による何重もの確認が行われていましたが、正確さを維持した上での作業の効率化と属人性の排除が課題となっていました。そこで、当社と日本テレビは、東芝研究開発センターの世界トップレベルの顔認識技術を用いて、2018年から番組制作現場における被写体確認に関する共同研究を実施。日本テレビでの国政選挙特番制作^注１での実証実験などを経て、2020年４月にメディア向け顔認識AI「カオメタ」として販売を開始しました^注2。

　このたび日テレWandsが放送業界向けに販売を開始する「WhoFinder」は、放送局の生放送番組での使用を想定したAI顔認識システムのための業務アプリケーションです。顔認識のAIには、当社の「カオメタ」が採用され、高精度な顔認識のリアルタイム処理を実現します。また、日本テレビの制作現場の声やノウハウなどが多く反映された使いやすいアプリケーションです。

この「カオメタ」をベースとした「WhoFinder」の特長は以下のとおりです。

1. リアルタイム解析を「カオメタ」が実現
   SDIやHDMIケーブルで「WhoFinder」に入力された映像信号を直接取り込み、「カオメタ」を利用してリアルタイム顔認識を行い、解析結果を表示します。取り込んだ映像をリアルタイムに顔認識できるため、特に生放送番組の人物確認に役立ちます。
2. 写真の本人確認のための静止画の顔認識を「カオメタ」がサポート
   顔写真から人物を推定（特定）する場合の静止画顔認識を「カオメタ」が提供します。特に、いくつか似かよった顔写真の中から、最も本人と似ている写真がどれかを判断する際に役立ちます。
3. お客さまごとの独自の辞書作成を「カオメタ」が提供
   「WhoFinder」が顔認識で使用する顔辞書は、お客さま独自の顔辞書として構築することができます。「カオメタ」は、照明や顔の向き、表情など、変動要因を含んだ画像からでも、正確に人物を特定するための情報を抽出する当社独自の技術で「ひとり１枚」の顔写真を顔辞書に登録するだけで、高精度な顔認識を実現します。辞書作成や学習の手間が省け、辞書の構築に費やす労力を大幅に削減可能です。
   

　当社の「カオメタ」は、既に日本テレビに導入いただき、政治イベントや世界規模のスポーツ大会の番組制作などさまざまなシーンで利用いただいています。今回「WhoFinder」に採用されたことで、より多くの放送現場における人物確認作業の正確性・迅速性の向上に貢献します。さらに、「被写体確認」に加え、アーカイブ等映像素材にメタ情報を付与し、再利用の促進や権利処理の円滑化など、映像コンテンツの高付加価値化に向けたサポートを推進していきます。
 

• 東芝デジタルソリューションズ：顔認識AI「カオメタ」
  映像から人物をリアルタイムに特定する顔認識AIで、正確性と迅速性を両立したサービスです。照明や顔の向き、表情など、変動要因を含んだ画像からでも、正確に人物を特定するための情報を抽出する当社独自の技術で１人につき１枚の顔写真をあらかじめ辞書登録するだけで高精度な顔認識を実現します。一般的な生体認証と異なり、たくさんの人物が同時に映る映像や、複数の映像を同時に扱うマルチ画面に映し出された小さな顔の認識など、放送局など映像コンテンツを扱うお客さまに特化した機能を提供します。また、コロナ禍で必要になったマスク装着時の顔認識の実現など、「お客さまの声」をタイムリーに取り入れブラッシュアップしております。
  https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/industrial-ict/kaometa.html