既存の製造設備の操作を自動化する「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」の提供を開始

~東芝グループで250台以上の実績から商品化、後付けで現場の生産性向上とデジタル化を推進~

2021年10月8日(金)

東芝デジタルソリューションズ株式会社

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:島田太郎、以下 当社)は、 「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」の提供を本日から開始します。本商品はこれまで東芝グループで培ってきた、後付けで設備の操作を自動化する「あやつり™制御」技術を、製造業のお客さまに広く提供するものです。生産工程や検査工程で繰り返し発生する人手による設備の定型操作を、後付けの装置により自動化することで、製造現場の生産性向上とデジタル化に貢献します。

 製造の現場では深刻化する労働力不足への対応に備え、自動化設備の導入が進んでいます。一方で既設の古い設備に目を向けると、費用や技術の問題で自動化設備へ更新することが難しいという現状があります。これらの設備の稼働には作業員による定型操作が残り、人為ミスが発生する可能性を排除できないまま運用され、生産性の向上が頭打ちとなっています。また、新たに採用される作業員が習熟するまでに相応の期間を要し、柔軟な現場運用が難しくなっています。

 そこで東芝では、生産技術の研究開発拠点である「生産技術センター」がいち早くこの問題に取り組み、ものづくりの現場と「あやつり™制御」技術を発展させてきました。これまでに東芝デバイス&ストレージ株式会社が保有する半導体工場を含む国内4拠点で、既設ラインを対象に250台以上を後付け自動化し、生産性の向上に加えて人為ミスの撲滅といった成果を出しています。スキルレス化による新人オペレータの即戦力化が可能となり、熟練工をより付加価値の高い業務へシフトさせることに繋がっています。また半導体工場では、「あやつり™制御」を応用して緊急地震速報に連動した設備の安全停止システムを構築し、BCP注1対応を充実させています。

■「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」導入による効果(イメージ)

■半導体工場では着工後操作の自動化で作業員の拘束時間を90%削減

ご紹介動画(参照先URL:https://youtu.be/JyLQYoOHZ6E

■「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」の特長

  • 古い製造設備に後付けで手軽に導入
    製造設備を改造することなく、設備あやつり制御の装置を後付けすることで、操作を自動化できるようになります。改造と比べて低リスクかつ短期間に導入できます。後付け装置は、製造設備の画面を読み取り、あらかじめ設定された振る舞いに従い設備に操作信号を返すことで、設備を操作します。条件が合えば対象設備のメーカーも選びません。入力操作が一般的なマウス、キーボード、タッチパネルであれば広く適用できます。
  • 社内ネットワークに接続でき管理性アップ
    後付けした装置は最新のオペレーティングシステム上で動きます。製造設備が古くても、後付け装置は社内ネットワークに接続できるセキュリティレベルを確保できるため、センターマネジメントのシステムと連携させることもできます。
  • 自動化の振る舞いをDIY
    導入した本商品の振る舞いをお客さま自身が変更できます。導入後に自動化の振る舞いを変えたいときには、専門的なプログラムの知識がなくても簡単に変更することができます。

■「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」適用時の基本構成

 本商品を適用した製造設備の操作ログは、そのまま製造履歴データとして活用できます。例えば、設備あやつり制御が動作を始めた時刻を記録すれば着工データになります。画面に表示されている数値を、OCR機能を活用して読み取ればそのままデータ化できます。例えば、これまで作業員が目視確認していたパラメータがあれば、確認自体を自動化できます。本商品の後付け装置は最新鋭のオペレーティングシステムを搭載しているため、これまで社内ネットワークに接続できなかった製造設備が後付け装置を介してものづくり統合データ基盤等と連携できるようになり、データ活用やセンターマネジメントといったデジタル化に対応できるようになります。

 本商品をさまざまな現場に適用できるよう、産業用コンピュータである東芝インフラシステムズ株式会社の「CP30 model 300」を推奨モデルとして選定しています。24時間連続稼働を前提に高信頼・長寿命部品を採用して設計し、10年以上にわたって保守サポートも提供しているため、安心してご利用いただけます。小型でファンレス、供給電源はAC/DCを選択可能、突然の電源断に備えたOSシャットダウン用バッテリの搭載(オプション)といったCP30の特長を生かし、後付け装置として過酷な環境の現場に安心して設置いただけます。

■小型組込み産業用コンピュータ CP30 model 300

 「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」は、ものづくりIoTソリューション「Meister Factoryシリーズ」の、ものづくりIoTデータ活用ソリューション「Meister Apps™」のラインアップに加わります。他のシリーズ商品と連携して活用することで、製造現場の設備・機器のIoTデータと設備あやつり制御パッケージを適用した設備から得られるIoTデータを組み合わせ、製造プロセス全体のさらなる生産性向上を実現することが可能になります。

 当社は今後も、クラウドサービス化などの機能拡張、パートナー企業との連携強化により、ものづくりによるデジタルトランスフォーメーションを進めて参ります。

■株式会社東芝 生産技術センターについて
https://www.global.toshiba/jp/technology/corporate/cmc.html

■東芝産業用コンピュータ(東芝インフラシステムズ株式会社製)について
社会インフラシステム、製造プラント、生産ラインなどさまざまな分野で活用される東芝産業用コンピュータは、高い処理性能に加えて、過酷な温度環境での使用や静電気、電波、振動、ほこりに対する耐性などの耐環境性能、24時間連続稼働や長期使用に耐える頑健性、および異常動作からの早期復旧や定期メンテナンスのための保守性などを備えています。東芝産業用コンピュータは長期供給、長期保守をサポートしています。長期供給、製品をリリースしてから5年間、同一モデルの販売を継続します。また製造終了後から7年間、オプションでさらに3年間(計10年間)、寿命品の交換用部材の販売、故障時の修理など長期間にわたる保守サービス対応を行います。
https://www.toshiba.co.jp/infrastructure/industrial/computer/index_j.htm

■東芝デバイス&ストレージ(半導体製造ラインへの各種実装評価~活用)について
半導体事業、ストレージプロダクツ(HDD)事業に加え、グループ事業として窒化物セラミックスなどの高機能材料、産業・医療など幅広い分野の精密電子部品を提供、グループビジョンである「世界を変える原動力」となる会社を目指しています。半導体では、産業・車載向けなどの事業拡大に注力するとともに、特にモーター制御分野において、ディスクリート半導体とシステムLSIの組合せによるソリューション提案の強化など、今後の脱炭素化の潮流や通信、AI(人工知能)等の技術革新を背景とした事業展開にも注力します。一方で、本事例のIT&OT連携による改善活動を含めた生産性向上への取組み、モノづくりの強化活動を絶えず進めています。
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/top.html

注1
BCP(Business continuity planning 事業継続計画):BCPとは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと。

  • Meister Appsは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
  • あやつりは、東芝インフラシステムズ株式会社の日本またはその他の国における登録商標または商標です。
  • その他、本文章に記載されている社名および商品名はそれぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。
  • ニュースリリース/トピックスに掲載されている情報(サービスの内容/価格/仕様/関連リンク/お問い合わせ先など)は、
    発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

■東芝デジタルソリューションズ株式会社
「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/manufacturing-ict/meister-apps/apps-frpa.html