株式会社 山田養蜂場 様

知財管理サービスの確実な移行で業務効率化を実現
情報を一元化し、知財戦略立案にも貢献

 ローヤルゼリー、プロポリスなどの健康食品や、自然派化粧品等の製造・販売をおこなっている株式会社山田養蜂場。同社では、従来利用してきた他社の知的財産サービスの終息に伴い、新たな基盤への移行が急務となっていた。移行に際しては、既存のデータを漏れなく移行した上で、新たなシステムではそれまでの業務内容を確実に実現し、より活用できることを前提とした。こうして知財戦略の立案に向けてデータ活用を加速させ、業務の効率化につながる新たなサービスとして同社が採用したのが、東芝デジタルソリューションズ(以下、東芝)が提供する知財管理サービス「IPeakMS®」だ。


課題

  • 利用していたサービスの終息で新たな移行先を探す必要があった
  • 低コストかつ確実なサービス移行を求めていた
  • 紙情報を電子化することが中心でデータ活用まで至っていなかった

導入効果

  • 「IPeakMS」を移行先サービスとして採用し、豊富なオプション機能も標準装備でセキュリティ面でも安心に
  • コストを抑えて従来の利用内容を確実かつスムーズに移行
  • 一元化されたデータを活用し知財戦略の高度化が実現

基礎研究を着実に活かす特許戦略


 山田養蜂場は、1948年に蜜蜂の飼育を始めて以来、「かけがえのない、ひとりの人の健康を守るために」という想いのもと、主に通信販売を通じローヤルゼリーをはじめ、プロポリスや各種はちみつ製品、ローヤルゼリーエキス配合の化粧品などの製造販売をおこなっている。

 そんな同社において、特許や商標、意匠、実用新案など知財情報に関する業務を担っているのが、R&D本部 グループ知的財産室だ。ここではローヤルゼリーやプロポリスといったミツバチ製品の研究成果を徹底的に拾い上げ、基礎研究を通じて商品を磨き上る技術の特許を取得していく戦略を掲げている。

利用中の知財管理サービスの事業終了で新たな移行先を模索


 同社では、同室長で東京事務所 所長 椿 正俊氏が、それまでの表計算ソフト等での知財情報管理から脱却すべく新たな電子化を検討し、クラウド環境で利用可能な他社製の知財管理サービスを導入・利用していた。前サービスでは、紙ベースでの管理を電子化することは実現できていたというが、その先の知財戦略に活かせるところまでできていなかった、と椿氏は振り返る。

 ところが、利用中の知財管理サービスが終息することとなり、新たなサービスを早急に検討する必要に迫られた。「既存環境の導入を支援してくれたベンダーから別のサービスへの代替案も提示されましたが、ID単位の追加課金が必要となるなど、業務は現状のままで費用が倍ほどに膨れ上がってしまううえに、海外のサーバーに情報が保管されるなど、安全面でも懸念があり採用を見送った経緯があります」と椿氏。

R&D本部 グループ知的財産室 室長
東京事務所 所長
椿 正俊氏

安全な移行と最適なコスト、自由度の高いカスタマイズ性能を評価


 既存環境を完全かつ確実に移行できることを条件に、同社では複数の候補となる新たなサービスを検討した。「海外のサーバーに情報が置かれてしまうこと、ID単位の課金で割高になるもの、特許事務所との連携や商標管理などがオプションとなっていて追加費用が発生するなど、安全面、コスト面で納得できるものがなかなか見つかりませんでした」と椿氏。

 そうしたなかで同社が注目したのが、東芝が提供する知財管理サービス「IPeakMS」だった。「IPeakMSは東芝が運用管理するクラウド環境で、特許事務所との連携を含み、出願から維持管理までのフローが標準サービスで含まれているなどコストが抑えられるだけでなく国内にサーバーがあり安心して利用できる点が大きな魅力でした」と椿氏は言う。

 移行に際しては従来利用していたサービスから、安全かつ確実な形で移行できるツールを東芝が準備しており、データベースに格納していたすべての情報が完全かつ確実に移行できること、案件毎に残していたメモ欄が文字の制限がなく利用できること、画像データを含む重いデータでもIPeakMSを経由して特許事務所との連絡ができることも決め手となった。

 「展示会で、IPeakMSの画面でデモをしていただき、とても使い勝手がよさそうだと感じました。また、フォルダを設定して自由にカスタマイズできるため、自分たちの使いやすいようにアレンジできる点も大きなメリットでした」と同室の松尾 久美子氏は語る。

 そこで東芝に声をかけ、既存環境とのフィット&ギャップを実施、本来求める機能とその乖離を分析したところ、従来の運用における課題も見えてきたという。「以前は単に紙を電子化しただけで、改めてデータとしてきちんと扱っていなかったと痛感しました。戦略的に活用することを前提にしたデータ整備の重要性を改めて認識しました」と椿氏。

 現状の把握からあるべき姿、そして従来業務において足りない情報などを丁寧に洗い出すとともに、同社の要望に対して迅速かつ的確に回答するなど、東芝の対応力の高さも「IPeakMS」採用を後押ししたという。

 さらに「機能面においても、期限管理をより確実に実施できるだけでなく、文字数制限のあったメモ機能が制限なく柔軟に活用できる点も評価しました」と同室 副室長の平野 雄也氏は語る。こうして、同社は知財管理業務を強力にサポートする新たなソリューションとして東芝の知財管理サービス「IPeakMS」の導入を決定した。

R&D本部 グループ知的財産室 副室長
平野 雄也氏

R&D本部 グループ知的財産室
松尾 久美子氏

情報へのアクセスが一元化され、業務効率化と一歩先の知財戦略へ


 現在は、特許をはじめ、商標や意匠、実用新案まで含めた知財情報をIPeakMSで管理しており、R&D本部メンバーを含めて研究者全員がアクセスできる環境で運用している。特許事務所とのやり取りなどはIPeakMS内でワークフローを動かしている。

 従来の知財管理サービスからの移行は、設定による画面のチューニングも含めて3ヵ月ほどかけて項目名など以前の環境を踏襲しながら、事前のフィット&ギャップによる分析で顕在化した課題をうまく解消することに成功した。

 「特に健康食品の場合、素材の成分が細分化されており、その成分の名称を含めそのままの形で移行していただけました」と椿氏。また、平野氏も「知財管理業務の各手続(出願、審査、年金など)の段階ごとにいつまでに何をするべきかについてフォルダを使って一覧化でき、その期限を具体的に管理できるようになり、グループ知的財産室として戦略的に知財活動をすすめることができるようになりました」と評価する。

 また、費用に関する情報を移行時に付加し、どの案件に対してどの程度の費用が発生しているのか瞬時に把握できるよう、データクレンジングも実施している。「以前は他部署から求められた情報を出すまでに1週間ほどいただくこともありましたが、今は10分もかかりません。効率化はもちろん、タイムリーな情報の出し方ができることの大切さに改めて気づかされました」と松尾氏。

 情報整理という観点でも、「以前はツールに合わせて情報を強引に入れ込んでいましたが、柔軟性の高いIPeakMSでは使いたいシーンに応じて画面を設計し、情報表示することが可能となり業務効率化に大きく役立っています」と平野氏は言う。

 日々の業務に合わせて柔軟に設定でカスタマイズできるIPeakMSで、使い勝手は格段に向上したという。「以前のように都度検索して必要な情報を呼び出さなくても、1つの画面上ですべて把握することができるようになりました。商標であればどの国で何件ずつあるのかといった欲しい情報用のフォルダを事前につくっておくだけで、誰でもすぐにアクセスできます」と松尾氏。

 知財部門に異動して間もない同室 棚橋 洸太氏もIPeakMSの使い勝手を評価する。
「IPeakMSは、1つの画面で管理番号や弁理士とのやり取りなど案件に必要な情報をすべて知ることができ、何を管理すべきかを簡単に把握でき、使いやすいです」

 また、一元化された情報に瞬時にアクセスし、さまざまな観点で見ることが可能になったことで、新たな視点や気づきが生まれたことも大きなメリットだと椿氏は語る。「コストやリソースといった情報が一元的にきちんと管理でき、誰に対しても同じように説明できる。これによって管理している情報を戦略的な情報として加工して出せるようになったと強く感じています。情報が共有できることで、部門間できちんと会話ができるなど、知財情報がコミュニケーションの共通言語となりました。メンバーの誰でも同じ情報を即座に抽出して、経営幹部を含む他の部門に提供できるようになったことは、我々の活動の非常に大きなメリットとなっています」

 東芝のサポートについては、「非常にフレキシブルで、何かあれば担当者に連絡することですぐに解決できることが多い。費用面においても柔軟に対応いただけています」と平野氏。
 「導入前に実施していただいたフィット&ギャップのときから非常にフェアであると感じました。無理なことは無理だときちんと納得のいく説明の上で、それを実現するための代替案も提示いただけたので、前向きな気持ちで導入できましたし、移行も想像以上にスムーズでした」と椿氏の評価も高い。

R&D本部 グループ知的財産室
棚橋 洸太氏

ダッシュボードへの期待とグループ全体への展開も視野に


 今後はより効率的な知財管理の基盤として、 IPeakMSのダッシュボードを活用することで今後の大きなテーマの1つである知財情報の可視化を一層進めていきたいという。

 グループ会社全体への展開については、知財分野のみならず、経理や人事も含めた中で考える必要があるが、ガバナンスをどう効かせながらグループ横断的な基盤を作り上げるのかということが次なる課題だ。「グループ経営という大きな枠組みのなかで、我々知財も乗り遅れないよう対応することが求められています。その基盤としてIPeakMSがある、と言えるようにしていきたいですね」と椿氏は今後を見据える。

 情報への迅速なアクセスと一元化により、新たな知財戦略の立案を可能とする重要な基盤として、今後も東芝の知財管理サービス「IPeakMS」は同社のビジネスを強力に支援していく。

SOLUTION FOCUS

知財管理サービスIPeakMS®

知的財産戦略の業務遂行を強力に支援する東芝の「知財管理サービス」ソリューション。
知的財産に関わる様々な情報をクラウド上で一元管理。
お客様独自の管理項目や画面、帳票、業務フローを用途・目的に合わせて柔軟に設定可能。
ノンカスタマイズで柔軟性の高いシステムを実現し、業務効率化の推進、権利の有効活用まで特許管理業務をトータルにサポートします。

この記事の内容は2025年11月に取材した内容を元に構成しています。
記事内における数値データ、社名、組織名、役職などは取材時のものです。

COMPANY PROFILE

会社名
株式会社 山田養蜂場

設立
2007年5月

所在地
岡山県苫田郡鏡野町市場194

事業内容
ミツバチ製品の開発・通信販売

URL
http://beekeeper.3838.com/