TECHNO-FRONTIER 2025 第4回パワーエレクトロニクス技術展[展示会・イベント レポート]
本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の東芝グループ出展品をご紹介します。
今回の東芝グループブースには、東芝デバイス&ストレージと東芝情報システムが出展しました。
東芝デバイス&ストレージは、「モーター制御技術」と「SiC、GaN パワー半導体」の出展を行いました。
「モーター制御技術」ではコードレス電動工具などの建築現場・工場等で使用される小型電動工具に適したリファレンスデザインモデルのご紹介として、55mm×55mmの小さい基板サイズで、18Vと36Vのリチウムイオンバッテリーに対応し、高出力なモーター駆動を実現することができるモデルを展示しました。
また、電動工具をはじめ様々なモーターを外部MCU(マイクロコントローラーユニット)などで制御することを想定し、お客様がPCで簡単にモーター制御パラメータの設定やリアルタイムモニターを実行できるアプリケーション「MCU Motor Studio 4.0」も合わせてご紹介を行い、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)画面で、周波数もしくはRPM(ローテーションパーミニッツ)を設定してスタートすると、接続されたモーターが回転し、その際の速度や電流、モーター制御状態等をリアルタイムにモニターする様子を展示しました。
「MCU Motor Studio 4.0」は2025年3月にリリースされた最新バージョンとなります。
もう1点の出展である「SiC、GaN パワー半導体」では、東芝デバイス&ストレージの取り扱うパワー半導体関連の展示を行ないました。「SiCパワー半導体」は1200Vの高電圧でも稼働する高耐圧性を持ち、「GaNパワー半導体」はハイスピードスイッチングと小型パッケージが特長となっており、主にサーバーや基地局のスイッチング電源向け、特にAIサーバーの需要加速が見込まれる市場に向けた各半導体製品を展開しています。
会場では、GaN 搭載3.2kWトーテムポールPFC評価ボードや3kWサーバー電源向けリファレンスモデル、SiC MOSFETスイッチング評価ボードなどを展示しました。
また、EVの心臓部となるトランクションインバーター向けに、SiC MOSFETを水冷で運用することを提案するパッケージモジュールのモックアップも展示しました。あわせて、今後さらなる増加が見込まれるSi IGBT需要に対応するべく、2025年より300mmのシリコンウエハーの量産を開始することを実物展示にてPRしました。
東芝情報システムは、微細なキズなどを可視化する東芝独自の光学検査技術「OneShotBRDF®」を応用した製品2点をご紹介しました。
東芝テリーの開発した「表面探傷スコープTM」は、フラットかつ光沢面上の微細な傷の検知を得意としています。
また、この「表面探傷スコープTM」をレンズ検査用に拡張したシステムである、東海光学株式会社様との共同開発「レンズ探傷スコープ」も出展しました。
新たに曲面にも対応した「OneShotBRDF®」で、これまで目視で確認しなければならなかった球面・非球面のレンズの傷や異物を検出でき、検査品質のバラツキをなくして工数を飛躍的に向上できる、画期的なシステムとなっています。通常のカメラサイズのレンズやメガネレンズ等だけでなく、治具を使用すればスマートフォンサイズの小型樹脂レンズにも対応可能。撮像した表面の傷はモニター画面に平面化・着色して表示されるため、検査員が簡単に確認できます。
今回の展示はデモンストレーションモデルで、会場に持ち込まれたお客様のレンズ製品の探傷テストなども行いました。今後はこのシステムを自動化して、工場生産工程の効率化に向けて開発を進めてまいります。
これからも、パワーエレクトロニクス技術でカーボンニュートラル実現を目指す東芝グループにご期待ください。