第9回 鉄道技術展2025[展示会・イベント レポート]
本展示会では東芝グループ展示ブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の東芝グループ展示ブースは「ともに創る、安心・安全で持続可能な社会」をテーマとして、東芝 鉄道システム事業部、東芝エネルギーシステムズ、東芝デジタルソリューションズが出展いたしました。
出展品の中からピックアップしてご紹介いたします。
今回の東芝グループの出展では、バッテリーシステムを車両と地上の双方に活用することを標準とし、システム全体の電力を効率よく管理・制御するエネルギーマネジメントシステム(鉄道EMS)によって鉄道が地域のエネルギーハブとなり、それらを基盤とした様々なデジタルソリューションを活用することで、鉄道が抱える課題を幅広く解決する未来をコンセプトとした展示ブースをご案内いたしました。長年の実績のある東芝の技術と最先端のソリューション事例を多数ご用意し、お客様と共に課題解決をさせて頂くべく、ご来訪された多くの方々と活発な情報交換をさせて頂きました。
車両用バッテリーシステムとしては、東芝 リチウムイオン電池SCiB™を用いたハイパワーバッテリモジュールを適用した直流1500V在来線蓄電システムをご紹介しました。
絶縁性能を強化したことで国内在来線の直流電化区間の90%以上を占める直流1500V用鉄道車両への適用範囲が広がり、冷却性能の向上、さらには高出力での充放電でも損失と発熱が小さいSCiB™セルを新たに適用することによって、従来からの特長である長寿命、高安全性、低温環境下での特性も継承しつつ、列車のブレーキ時に発生する回生エネルギーをより効率的に蓄電することができるようになるなど、より長く、より幅広くお使い頂けるようラインナップを拡充させて頂きました。その他、脱炭素に大きく貢献するハイブリッド駆動システム、地上用蓄電システム(TESS: Traction Energy Storage System)も併せて展示。バッテリーの新たな活用方法についてお客様と議論を深めさせて頂きました。
また、それらを最大限活用するための、充放電の指示やリアルタイム監視を行う鉄道エネルギーマネジメントシステムについては、地上用蓄電システムを活用した実証実験を行うフェーズまで開発が進んでいることや、電力の需給調整市場での取引を行うアグリゲーター、再生可能エネルギーを調達するためのバーチャルPPA(Power Purchase Agreement)など、バッテリーシステムから再エネアグリゲーションサービスまで含めた具体的なサービスを持っている東芝ならではのメリットと電力の有効活用の可能性をお伝えさせて頂きました。これらのバッテリーに関わる技術が、今後の鉄道GX(グリーントランスフォーメーション)に大きく貢献することを信じてやみません。
デジタルソリューションとしては、東芝 総合研究所の画像解析技術をご紹介いたしました。
コーナーでは、リアルタイムな会場の様子を投影し、画面に映っている人物が指定された条件に合致した服装や動作をしているか等をOK/NGで検出する、VQA(Visual Question Answering)技術を用いたデモンストレーションをさせて頂きました。本技術は、危険検知から設備監視まで幅広い活用法が期待されているAI技術であり、画像解析技術を適用した設備監視の実証実験のご紹介と併せてご覧になられた多くのお客様からご関心を頂きました。
自動運転技術についても大きな反響を頂きました。
小型LiDAR(Light Detection and Ranging)を用いた前方監視技術によって支障物を検知し、地上子(列車の運行を制御するために線路など地上側に設置された装置)無しで安全な走行を支援できることを実証した結果についてご紹介させて頂きました。こちらも東芝の総合力を示す実績の1つと言えますが、多くの皆様に実用化が期待されていることを実感いたしました。
その他にも、車両データ活用ソリューション、輸送計画支援システムTrueLine®、気象データサービス、という東芝のデジタル技術を活用したソリューションのデモ機の展示や、それらを導入した時に守りを固めるためのサイバーセキュリティサービスまで、バッテリーシステムや鉄道EMSも含めて、想像を超える数のお客様との貴重な対話の場とさせて頂くことが出来ました。心より御礼申し上げます。
今回の鉄道技術展で頂きましたお客様の声を糧に、これからも高い技術力と豊富なソリューションによって、安心・安全で持続可能な社会の実現に向けて邁進いたします。
今後の東芝グループにご期待ください。
展示された製品・サービスに関する採用のご検討の際には、当社鉄道システム事業部までお気軽にご相談ください。

