IIFES 2025[展示会・イベント レポート]
本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の東芝グループ出展品をご紹介します。
今回の東芝グループブースは「AIxものづくり デジタルの源流から未来を掴む~進化し続ける東芝のスマートマニュファクチャリング~」をテーマに、東芝とグループ会社および関係会社8社が共同出展いたしました。
IIFESは、オートメーションと計測の専門展として、製造現場の機器やソリューションの現物展示が豊富なことが特長です。今年150周年を迎える東芝のものづくりの実績と、最新のAIの組み合わせで、様々な製造現場が直面する社会課題(カーボンニュートラル、インフラレジリエンス、設備老朽化、労働人口減少)の解決に貢献する幅広いソリューションを多数展示いたしました。
展示ブースは「AI×ものづくり事例」「OT計測制御」「OT駆動」「システムインテグレーション」「ITソリューション」の5ゾーンで構成、さらにその中で今後注力していく挑戦分野として、S1~S4の4つのソリューションを展示いたしました。
S1では「OT/IT融合×未来の製造工場」として、クラウド型PLCとIOWN🄬で実現する超遠隔リアルタイム制御をご紹介しました。
従来PLC(プログラマブルロジックコントローラ)は、製造設備の制御用として機器ごとにハードウェアを設置していました。東芝はそれをクラウド上で動作するパッケージとしてサービス提供しており、今回のIIFESではさらに、製造業界初※1となるIOWN🄬 APNを利用した技術実証の様子を展示しました。
IOWN🄬 APNは、NTT株式会社様が推進する次世代ネットワーク構想「IOWN🄬(アイオン)」の一環である「All-Photonics Network(オールフォトニクスネットワーク)」です。データ伝送において端末からネットワークまで一度も電気に戻さず、全て光で通信することで、従来のインターネットより圧倒的に高速・安定・低遅延な通信を実現する技術です。このネットワークを工場などの製造現場に専用線として導入することで、わずかな遅延や切断も許されない製造ラインの監視・制御をクラウド型PLCからでも確実に行えるようになります。
本展示会では、NTT武蔵野研究開発センタに設置した実験用の検査ラインを、東京ビッグサイトから約10msecのリアルタイムで制御するデモンストレーションを実施しました。研究開発センタ内ではケーブルを約300km延伸して敷設しており、東京から名古屋近辺の工場設備を遅延なく制御でき、遠隔地からでも生産管理・運用が可能な技術をアピールいたしました。
※1 当社調べによるもの。
「IOWN🄬」は、NTT株式会社の商標または登録商標です。
S2には、「Meister Appst™工程改善アシストパッケージ for SMTライン」を展示いたしました。
プリント基盤(PCB)の製造現場では、市場の拡大に伴い生産性向上に向けた取り組みが急務となっています。ただし、設備メーカーごとに仕様が異なるデータの収集・分析に手間や時間を要し、改善の取り組みに時間がかかってしまうという課題があります。
本商品は、設備メーカーによらず設備の稼働データの一元管理・活用が可能なため、稼働状況やKPIをリアルタイムに把握することができます。また、工程改善リコメンド機能により稼働中にKPIをモニタリングし、閾値に対し未達だったタイミングであらかじめ設定しておいた改善提案をリコメンドし、熟練技術者に頼らないスキルレスでの工程改善が可能となります。
開発中の機能として、AIエージェントを用いたリコメンド機能の展示も行いました。複数のAIエージェントがそれぞれ分析計画・分析・改善提案のそれぞれ役割を受け持ち、現場の課題にフィットした工程改善のリコメンドを行います。その改善提案策定の過程も可視化されるので、「AIが何を根拠に提案してきたのかわからない」といったブラックボックス化を回避し、最適な改善施策を選択することができる様子をデモ動画でご紹介しました。
労働人口減少や技術者の高齢化といった課題解決のために、製造現場のスマート化による技術継承の促進をサポートするソリューションです。
S3では「エッジAI連携で実現するスマート制御」をテーマに、産業用コンピュータとクラウド型PLCの連携をご紹介しました。
製造現場での連続安定稼働・長期運用・堅牢性・耐環境性において長年の実績のある東芝の産業用コンピュータに、リモート環境からの監視・制御・エンジニアリングまで対応可能なクラウド型PLC「Meister Controller Cloud™ PLCパッケージ typeN1」を連携、さらにパートナー企業のロボット、GPUとのコラボレーションにより、既存設備を活用した製造現場のスマート化を実現します。
会場では、音声認識と画像認識による協働ロボット制御モデルを展示しました。例えば、コンピュータ側から「赤のワークを取って」と音声指示すると、エッジAIが言語理解し、カメラ画像から赤いワークを識別。その後、ロボットを適切な座標へ制御し、赤いワークをピックアップしてラインコンベアに投入する様子をデモンストレーションしました。製造現場へのエッジAI導入と、東芝のコンポーネント連携により、スマート工場の実現に貢献します。
S4では「制御の常識を変えるAI駆動PID」として、各種プラントでの統合制御システム「CIEMAC VS」とAI駆動PIDの活用をご提案いたしました。
石油・ガス・化学・食品・飲料・紙パルプといった製造プラントや、水処理施設においては、様々な材料や薬品などの配合を精密にコントロールしていますが、そのパラメータ設定は、場所や季節といった環境要素や材料の特性などにより、細かく調整する必要があり、人力では時間がかかること、また技術者の個人的ノウハウに頼る部分も多く、技術継承が難しいものとされています。
東芝は、これらプラントで利用されるPID制御のパラメータをAIで自動調整する仕組みをご提案。AIは強化学習を用いて、環境変動や経年変化も考慮した最適なパラメータ自動調整を出力、評価結果をオペレーターに提示するので、オペレーターが承認してプラントに反映する、説明可能な制御手法です。オペレーターはユーザーフレンドリーなUIのWebベースHMI:OI-VSでオペレーションし、プラント側の制御は、東芝が長年培ってきた実績と安定性を継承したソフトウェアデファインドDSCコントローラ「typeL」が担う、CIEMAC VSの構成例を参考展示いたしました。
これからも、OTとITの融合でお客様とともに進化を続ける東芝グループにご期待ください。
より詳しい出展内容は、以下のリンクよりご覧いただけます。

