人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA[展示会・イベント レポート]
本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。今回の東芝グループ出展品の中から、トピックスをご紹介します。
今回の東芝グループブースは「カーボンニュートラル実現に向け、安全・安心で高品質なくるまづくりを支える東芝のソリューション」をテーマとして、東芝デバイス&ストレージ、東芝情報システム、東芝 電池事業部が出展いたしました。
各社の展示からピックアップしてご紹介いたします。
東芝デバイス&ストレージからは、「新しい車載システム構築に貢献する48Vシステムへの取り組み」をご紹介します。
車載バッテリーの電圧はかつての6Vから12Vへと進化し、欧州マイルドハイブリッド車の登場や電装品の高出力化、スマートフォン並みの高性能化や自動運転といった需要に応えるため、48Vシステムへの高電圧化が進むと予想されます。
東芝デバイス&ストレージでは、豊富な半導体商品群のラインナップを活用し、48Vバッテリーを12Vに変換するDC-DCコンバーターをはじめ、MOSFETを駆動させるゲートドライバーやデジタルアイソレーターなどを、回路図やシミュレーションモデルも含めたシステムの形でご提案することで、お客様の開発コストの抑制などの付加価値を付けたソリューションを展開しています。
本展示会では、プリント基板の現物を展示しました。さらに各半導体素子を1つずつクリア樹脂で固めたサンプルは従業員手製の力作です。
東芝情報システムの出展からは、「自己位置推定/SLAMソリューション」をご紹介します。
本ソリューションはAGV(無人搬送車)などの自動走行システムにおいて、高精度な自己位置推定を可能にする、主にカメラを用いたマッピング技術ミドルウェアです。「Landmark based SLAM」は、倉庫内などに貼り付けたQRコード等のランドマークをカメラで読み取り、その座標を記録した地図データベースと照合することで、自己位置を推定します。「Visual Relocalizer」は、事前に撮影した風景画像を地図データベースに紐付けておき、自動走行システムのカメラで認識した風景から絶対位置を推定する手法です。また「Visual SLAM」はカメラに映る複数の物体までの距離を計測し、移動体の移動距離から計算した相対的な位置関係を推定します。
これら3つの技術を組み合わせた東芝独自の自己位置推定技術に加え、様々な環境・用途に対応するセンサフュージョンのモジュールや制御ソフトウェアも提供し、お客様の自走システムに向けて柔軟にカスタム、最適化してご提案しています。
東芝 電池事業部からは、幅広い分野、用途で活用されているリチウムイオン二次電池 SCiB™をご紹介します。
発火の可能性が極めて少ないSCiB™は、その高い安全性と、高出力、長寿命、急速充電や低温性能に優れ、これまでに複数の自動車メーカーのマイルドハイブリッド車やEVバスに採用されています。
「12V高性能鉛代替バッテリー」は電圧範囲や過放電状態への耐性で従来の鉛蓄電池との互換性が高い電池パックで、xEV向け補機電源として車両の付加価値向上やトータルコスト削減に大きく貢献します。また、「24V鉛代替バッテリー」は、鉛蓄電池のサイズ規格(D23)でトラック・バス・建機・農機・船舶等へ適用可能な電池パックです。順次開発が進められており、鉛蓄電池から置き換えることで、鉛の廃棄と電池交換回数を抑制して、環境にもコストにも大きなメリットをもたらします。
さらに、今年4月に量産を開始した「Type4-23モジュール」は、セルを格納する筐体の底面にアルミニウム板を採用、放熱性能を向上させてさらなる長寿命を実現したことで、EVバスをはじめ電動船、鉄道、ダンプトラックといった産業用移動体の駆動用電池に最適なモジュールです。
これからも、確かな技術と信頼性で自動車づくりと社会を支える東芝グループにご期待ください。