人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

今回の東芝グループブースには、東芝 電池事業部、東芝情報システム、東芝デバイス&ストレージ、東芝マテリアルの4社が出展いたしました。

東芝 電池事業部は、長年の東芝の技術の粋であるリチウムイオン二次電池「SCiB™」の、車載向けパッケージを中心に展示いたしました。

SCiB™は、負極材にチタン酸リチウムを使用しているため、一般的な負極材であるカーボン(黒鉛)を使用した電池に比べると電圧が低く、エネルギー密度としては若干低くなりますが、それを上回るメリットがあります。

まず最大の特長が安全性です。SCiB™は負極材にカーボンを使用していないため、外部からの圧力によって変形し、内部短絡が起きても発熱・発火しづらく、特に安全性を必要とする車載用途や、新幹線、船舶などに最適です。本展示会場でも、実際に電池に釘を差しても発火しない実験の様子を、動画で放映いたしました。

また、電気自動車ではガソリン車と同等の短時間での急速充電が求められます。SCiB™は、負極材にカーボンを用いた場合に問題となる金属リチウムの析出現象が起こらず、急速充電を行っても電池を健全な状態に保つことができます。さらに、20,000回*以上の充放電を繰り返しても劣化が少なく、充電状態(SOC)も0~100%で使用可能など、高入出力・長寿命を実現するため、搭載ユニット数の削減による省スペース・軽量化やメンテナンスコストの低減に貢献します。

電気自動車やハイブリッド車用途以外にも、従来バッテリー(鉛電池)の置き換えに対応する様々な容量・サイズのユニットをラインアップ。また今後は、様々な需要に応じるための2直列や並列タイプなどの商品も開発をしていく予定です。

*電池の種類や使用条件により特性は異なります

東芝情報システムの出展品からは、光学検査技術「OneShotBRDF®」をご紹介します。

製品の外観検査技術には様々な種類がありますが、ガラス面や光沢面などは光の反射によりカメラによる撮像がしづらいという難点があり、更にはミクロのキズや凹凸欠陥も最終的には熟練検査員による目視検査に頼らざるを得ませんでした。こうした課題を解決すべく、東芝が独自開発した特許取得技術が光学検査技術「OneShotBRDF®」です。

撮像時に対象物に当たった光は、傷がなければまっすぐ反射し、傷があればその分、反射方向が変わります。本技術では微細な傷によって発生するこうした散乱光を東芝独自の「多波長同軸開口フィルタ」を通して色分離して可視化し、イメージセンサで撮像することで、誰でも簡単かつリアルタイムでの外観検査を可能にしました。また色分離したイメージは製造ラインなどアプリケーションで自動的に判断することを容易にしています。この技術を組み込んだカメラ製品が、2024年4月より東芝テリーから発売されていますので、本展示会でもそのデモ機を展示いたしました。

特に自動車業界では、車体表面の塗装状態のほか、ガラス面や光沢の強い内装品の検査、またエンジン部品の組み上がりに隙間がないかの検査など、多種の用途に活用いただけます。今回展示したデモ機は卓上設置タイプですが、各業界・用途に合わせた色々なタイプを今後開発してまいります。

東芝デバイス&ストレージは、需要が増加し続けている電気自動車分野に向けた様々な半導体製品を展示いたしました。

シリコン300mmラインは、パワー半導体の安定供給のため2022年下期から加賀東芝エレクトロニクス(株)で量産稼働を開始しました(第1ライン)。さらに生産能力を増加するために新棟(第2ライン 第1期)を2024年下期稼働に向けて現在立上げ中です。本ライン稼働により2021年度と比較して生産能力2.5倍(200mmウエハー換算)となります。将来的には(第2ライン 第2期)の稼働により2021年度と比較して生産能力3.5倍(200mmウエハー換算)まで拡大を進めます。MOSFET、IGBTを中心にシリコン製品の量産展開を随時進めていきます。

特にIGBT製品は、これまで特定顧客向けに供給してきましたが、今後750Vと1200Vのベアダイ製品を汎用品として世界市場に展開していくほか、次世代となるSiC MOSFETのベアダイ製品、モジュール製品も開発中です。

電気自動車の車輪を動かすモーターへの利用など、高まる需要に向けて潤沢な供給能力を発揮してまいります。

東芝マテリアルの出展品からのピックアップは、ノイズ抑制部品「アモビーズ®」です。

コバルト基アモルファスを使用した「アモビーズ®」は、一般的なフェライトビーズより高いノイズ抑制効果を発揮する、半導体のスイッチングノイズ抑制に特化した抑制部品です。ビーズタイプなのでダイオードのリードに直接差し込むことができるため、基板の加工が不要で、設計を変更することなく急なノイズ対策にも対応いたします。さらに温度特性も優れており、高温でも高性能を発揮して、半導体部品を逆耐圧オーバー破壊から保護することもできます。

様々な場所やシーンでの電動化・高出力化が進む社会において、半導体のノイズ抑制はますます需要を増していきます。

東芝マテリアルは、コバルト基アモルファスについて1980年代から材料研究・製造を行っており、最終製品までを全て国内で製造できる数少ないメーカーとして、長年蓄積した技術と経験を活かした高性能・高品質な部品を送り出しています。また、今回ご紹介した素材以外においても、他社協業なども通じて、車載部品だけでなく産業用機器や宇宙関連など、色々なニーズに応えるべく、精力的に開発を行ってまいります。

これからも、安全・安心で高品質なくるまづくりを支える東芝グループにご期待ください。