スマートグリッドEXPO 2024[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

今回の展示会には、東芝および東芝エネルギーシステムズが出展いたしました。

展示テーマは「デジタル技術でカーボンニュートラル・カーボンネガティブの実現に貢献」です。

CO2の排出を削減する「カーボンニュートラル」に加えて、排出されたCO2を回収し資源化する「カーボンネガティブ」の取り組みも推進しており、電気を「つくる」「おくる」「ためる」「つかう」の各シーンに向けて東芝が提供する「GX(Green Transformation)」や「DX(Digital Transformation)」に関連したサービスやソリューションをご紹介いたしました。

GXの取り組みの一つとして「GXサービス」を展示しました。

お客様が脱炭素経営を目指す際に、色々なサービスやソリューションがあっても、いざ導入するとなると、何が自社に最適なのか選びきれない、どうすればカーボンニュートラル実現のために最大の効果を得られるのか、設備投資や制度面など考えなければいけないことが膨大だ、といった課題を解決するための「GXコンサルティングサービス」を展開しております。

主に製造業の現場での、自社排出CO2(Scope1)、他社供給エネルギー使用(Scope2)について、現状把握、計画策定、および実行支援といったコンサルティングから、エンジニアリングの知見を活かした実際のソリューション・機器導入までをトータルにサポート。単なる技術支援ではなく経営コンサルの一環として、ROI(投資効率)を最大化すべく、導入する施設・設備の選定や作り込み、インターナルカーボンプライシング(ICP)への対応など、様々な角度から脱炭素経営を支援します。

東芝のエネルギー業界における実績と知見、accentureの幅広い業界知見による外部環境分析という、両者の強みを活かしたこのサービス、実際に東芝もこのコンサルによって、脱炭素経営ランキング「GX500 2023※1」で500社中10位、製造業の中では3位に選出された実績があります。
※1:国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを格付けする日本経済新聞社の「SDGs経営調査」のGXに関する回答から企業を評価、ランク付けしたもの

カーボンニュートラルに向けたソリューションの一つとして展示したのが「再生可能エネルギーマッチング」です。

現在日本では、発電を行っている事業者が大小約7000社あります。2022年4月から施行された「改正再エネ特措法」によって再生可能エネルギーの買い取りに「FIP制度」が導入されたことで、各発電事業者が独自で発電量の予測と実測・検証を行い、インバランス精算や、買取先(小売事業者・需要家)を探すなどの負担が生じました。主要な発電会社は自社ですべての管理・販売も可能ですが、新規に参入する事業者にとっては課題も多くあります。東芝は、長年の経験と最新のデジタル技術を活かして、発電事業者の供給側と、小売事業者・需要家の需要側をとりまとめ、調整して最適にマッチさせるサービスをご提供しています。

例えば「再エネアグリゲーションサービス」では、東芝がアグリゲーターとして再エネ電気を買い上げ、様々な発電事業者の発電所を束ねて運用し、AI技術を用いたリスクの最適化や収益を最大化するなどの各種調整・取引業務を行います。
他にも、予測技術を元に目的に合わせて蓄電池を制御する「蓄電池制御サービス」や、一般家庭に配置された蓄電池やEVを束ねる「低圧向けVPPサービス」、基幹系統としては、電気の売買(スポット市場)を見える化するシステム、電気を限られた範囲内で"地産地消"する「マイクログリッドサービス」など、再エネに関する供給側と需要側の様々な課題解決のためのサービス・ソリューションを取り揃えています。

また、当社のDXを支えているのが、2019年より提供を開始しているインダストリアルIoTサービスをエネルギーインフラ向けに特化した「TOSHIBA SPINEX(スパインエックス) for Energy」です。

エネルギー関連の課題を、共創により解決するデジタルサービスとして、巡視点検サービスやリモート監視サービスといった標準パッケージと、機器の故障予測・診断、作業支援などのソフトウェア部品を、お客様のニーズに応じて組み合わせてご利用可能です。長年の知見と技術を持った東芝メンバーが、お客様の業務や環境に合わせて最適な構成を共に検討しながら、伴走して運用をサポートいたします。

本展示会では、複数拠点の様々な機器・データを集中監視できる「太陽光発電所向け総合監視システム」や、変電設備向けに保守・保全業務のデジタル化によって省人化・遠隔監視を可能とするO&M(オペレーション&メンテナンス)支援「遠隔設備監視」、設備に対し年間や月間停止作業計画での作業系統の構成と調整を自動化する「設備停止作業計画策定支援」などを、ユースケースとしてご紹介いたしました。
「TOSHIBA SPINEX for Energy」は2024年2月にSaaS版の提供がスタートいたしましたが、お客様のご要望に合わせてオンプレミスでのご提供も可能です。

本展示会では、東芝の長年の研究実績である次世代太陽電池「Cu2O(亜酸化銅)タンデム型太陽電池」と「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」も展示いたしました。

「Cu2O(亜酸化銅)タンデム型太陽電池」は、通常のSi(シリコン)セルの上に、長波長光は透過して短波長光のみキャッチする透過型Cu2Oセルを重ねたもので、Siのみでは利用できなかった短波長の光もエネルギーとして活用できるため、限られたスペースでより大きな発電が可能な太陽電池です。研究・開発を続け毎年発電効率を上昇させてきましたが、今年度、当社試算で実用化に必要と考える透過型Cu2O太陽電池単体での発電効率10%を超えて、10.3%を達成。これにより、太陽光電池全体での発電効率も試算で30.0%となり、EV搭載時には充電なしで約40km航続可能という試算結果になっています。

「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」は、軽量・薄型で曲面にも貼れるフレキシブル性を持った太陽電池です。大型化が難しかったこの製品も、東芝独自の塗装法で高速・高品質の成膜を実現。大面積フィルム型モジュールとして世界最高の発電効率16.6%※2を達成しています。建物の壁や窓、屋根・屋上など、様々な場所に太陽光電池の設置が可能となれば、社会全体のカーボンニュートラルに大きく貢献いたします。
※2:プラスチック基板上に形成される受講k部サイズ400cm2以上のペロブスカイト大型電池モジュールにおいて。当社調べ。

これからも、長年培ってきた電力分野における技術と、最新のAI技術を組み合わせて、カーボンニュートラル社会の実現と安定的なエネルギー供給実現目指す、東芝グループにご期待ください。