IIFES 2024[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

今回の展示会には、東芝インフラシステムズ、東芝デジタルソリューションズ、東芝産業機器システム、東芝情報システム、東芝三菱電機産業システムの5社が出展しました。

東芝グループブースのキャッチコピーは「ものづくり×デジタル ~進化し続ける東芝のスマートマニュファクチャリング~」。
「製造業全体をデジタル化する」をコンセプトに、ものづくりに欠かせないモータや産業用コンピュータ、PLCなどの「OT(オペレーショナルテクノロジー)」と、「IA(インダストリアルオートメーション)」システムをITソリューションで統合し、工場の現場からビジネスの現場までをワンストップでつなぐ、東芝のスマートマニュファクチャリングを構成する様々なコンポーネントをご覧いただきました。


東芝インフラシステムズの出展品からは今回の目玉となる計装クラウドサービスをご紹介します。

今回出展した計装クラウドサービス Meister Controlシリーズの「計装コンポーネント仮想化プラットフォーム Meister Controller Cloud PLCパッケージ typeN1」は、ソフトウェアディファインドしたPLC(Programmable Logic Controller)です。
製造現場のあらゆる箇所からデータが送られてくるPLCですが、従来はこれらのデータを分析システムに投入するために、データの収集・設定・加工などの手間が別途発生していました。しかし東芝の「typeN1」なら、クラウド上で手間なくリアルタイムなデータ収集が可能になるため、上位層のアプリケーションでのデータ分析が容易となる上に、遠隔地の現場であってもクラウドシステムから機械を監視・制御することもできる1台2役。製造現場のデジタル化・スマート化を強力にバックアップいたします。

会場では、協力会社様の事業場に設置されたピッキングロボット(栃木)と、食品AI画像検査コンベア(大阪)、および会場に設置したラインコンベアのミニチュアを、遠隔から監視・制御する様子をデモンストレーションいたしました。

東芝デジタルソリューションズの出展からご紹介するのは、作業員の行動を見える化し作業改善に貢献する「Meister Apps™ 現場作業見える化パッケージ」です。

「Meister Apps™ 現場作業見える化パッケージ」は、IoTやAIの技術を活用し、作業員など人のさまざまな活動データを自動的に収集・蓄積して、現場作業の実態把握や分析を可能にするサブスクリプションサービスです。今回、東芝インフラシステムズのリストバンド型センサ「MULiSiTEN™(マリシテン)」を用いた、現場での人の動きを取得・分析するデモンストレーションを行いました。
リストバンド型センサは、装着者の脈拍や暑さストレスレベルの計測や、動作からX・Y・Zの3軸加速度データを所得できます。その加速度データから「静止」「歩行」「手作業」「台車移動」の4動作にアナリティクスAIで自動分類され、見える化テンプレートで可視化できます。作業場マップと合わせて分析することで、作業のムダや非効率箇所を可視化して改善したり、体調不良者をいち早く検知するなどの対策を打つことができます。
従来、こうした作業導線分析は、人がカメラ映像を見たりストップウォッチで測るなどの労力が必要だった上に、記録データを後から振り返っての分析しかできませんでしたが、「Meister Apps™ 現場作業見える化パッケージ」を活用することで、リアルタイムでのデータ蓄積・分析が可能になります。また、フォークリフトやAGVといった機械類にも応用可能ですが、人間の動きを取得できるのは東芝ならではの技術です。

これら各種デバイスやテンプレートなどパッケージ化してサブスクサービスとして展開していますので、1ヶ月からの契約も可能です。必要なデバイスもレンタルできるので、「まず試してみてから」で導入を検討いただける柔軟なサービス展開をしています。

東芝産業機器システムの出展品からは「高効率モータ」をご紹介します。

日本全国の電力消費量の半分以上は、産業用モータによって使用されていると言われています。よって、産業用モータの高効率化で消費電力量を抑えることが、日本全体の電力消費削減につながります。

ビル・マンションの給水ポンプや空調機器など、私たちの暮らしを裏方として支える東芝の産業用モータ。東芝産業機器システムでは、長年培った技術力によりシェアNo.1を獲得している、効率クラスIE3のプレミアムゴールドモートル、IE4の永久磁石モータに加えて、IE5のシンクロナスリラクタンスモータを、本展示会に出展いたしました。

シンクロナスリラクタンスモータは、東芝独自開発の鉄心形状とレアアースを使用しない磁石レス回転構造で、従来以上に高効率な運転を可能とし、モータとして最高レベルのIE5効率を達成、省エネだけでなく省資源化にも貢献する新しい時代のモータです。従来のプレミアムゴールドモートルと同一枠番号のフレーム採用で置き換えも簡単なため、企業のCO2削減目標達成の一助となるよう、切り替えを推進していきます。

東芝情報システムの出展品からは「ディスコンLSI再生サービス」をご紹介します。

機器に組み込まれたLSIの製品供給が終わってしまう場合、同じものを作り直すか別のものに置き換えるかを選択する必要がありますが、東芝情報システムの本サービスでは前者に特化、LSIの「当時の姿」を再生します。例えば10年前に開発されたLSIであれば、その設計自体は3~5年前から開始されているのが通例であり、設計データ自体は13~15年前のものとなるため、データ(設計図)が見つからない、設計者が退職している等の事例が少なくありませんが、東芝情報システムでは現物のLSIの回路構造を解析してのリメイクが可能。
しかも、ピンアサインやサイズ・形状は同じままでも、現状のボリュームゾーンとなる世代を狙ってプロセスを新しく置き換えることで、ロット単価が下がってコスト削減できる可能性もあります。また、開発データが不足している場合はシミュレーション結果を共有しながら開発を進め、テストデータの作成も行うなど、お客様のニーズに寄り添ったLSI再生を行います。

LSIのディスコンによってシステム・機器全体をリプレースする必要に迫られることなく、資産を有効活用することでサスティナビリティに貢献するのが、東芝の「ディスコンLSI再生サービス」です。

東芝三菱電機産業システムの出展製品「プロセス診断システム」は、2023年4月にリリースされた、プラント向けのAI活用要因分析・異常予兆解析システムです。

石油化学プラントや材料系プラントなどで、各種設備やセンサからのデータをオンプレのプロセスDBに収集、コントロールDCSや他社DBとも連携して、温度や設備に流れる電流、材料の流量などのデータを蓄積します。これらをAIシステムで解析し、指定時間後の予測モデルをシミュレーションしてグラフ表示、しきい値を設定しておくと、異常値が発生するようであればアラートが発せられるので、各機器の設定を操作して異常を回避することができます。従来であればリアルタイム計測によって、異常が起こってからの対処となっていましたが、このプロセス診断システムはAIで異常を未然に防ぐことが可能です。収集した大量のデータ項目の分析も、自動的データ抽出可能なためAIノウハウがなくても運用可能、また予測された異常の要因分析もAIで行い、対策を策定することもできます。

これからも、社会課題を解決するためにOT・IAの分野で進化し続ける東芝グループにご期待ください。