EdgeTech+ 2023[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

本展示会には東芝情報システム、東芝インフラシステムズ、東芝デジタルソリューションズの3社が出展いたしました。

東芝情報システムの出展からはまず、Bluetooth®の新たな規格である「AURACASTTM(オーラキャスト)」の活用ソリューションをご紹介いたします。

従来のBluetooth®は、発信機器と受信機器が1対1でペアリングをしてデータの送受信を行っていますが、AURACASTTMは1台の発信機器からペアリングなしで何台でも音声を受信できる、Bluetooth®によるブロードキャスト(放送局)規格です。公共の場所や講演会・ライブ会場などの限定空間、または友人同士の集まりの場などで、聴きたい放送(音声)を選択して受信できる、次世代のオーディオ体験を可能にします。

Bluetooth®搭載製品の企画から出荷までをトータルにサポートしている東芝情報システムでは、AURACASTTM活用のユースケースとして、翻訳AIと組み合わせて国際会議の場などで発言者が話した内容をリアルタイムで多言語に翻訳し、聴講者が言語を選択して受信するソリューションをご提案。本展示会ブースでは、デバイスへの組み込みキットやボードに乗せるソフトウェアを展示し、実際に音声を受信する様子をデモンストレーションいたしました。

また、東芝が世界最高精度を誇る、レーザー距離計測技術「LiDAR(ライダー)」の小型化ソリューション「Hybrid-3D LiDAR」も展示いたしました。

自動運転時の対象物判定や、産業・流通分野での自動化実現のための「空間デジタルツイン」構築に欠かせないLiDARですが、従来のカメラとの併用では機器が大きく高価になること、取得したデータの空間的・時間的ずれ、さらに夜間や荒天時の視界不良などが課題となっていました。東芝は、LiDARのみの計測データで、世界最高精度かつ世界最長計測距離300mまで計測可能な技術を開発。さらに半導体素子から自社グループで設計・開発を行える強みを活かし、手のひらサイズの小型LiDARの開発に成功しています。この小型化により、手軽に複数の機器を色々な場所に設置できるため、高精度なインフラ監視や自動化に大きく貢献いたします。

会場では、展示ブースから会場端の壁までを実際にLiDARで計測している様子を、モニターでご覧いただける展示をいたしました。

もう1つの自動走行移動体向け技術として、自己位置推定/SLAM(スラム)ソリューションを参考出展しました。

高速処理および低リソースで動作するVisual SLAMによる相対的自己位置測定と、カメラで認識した周辺状況の映像記録を今いる位置とマッチングさせて絶対位置を判別するVisual Relocalizerの組み合わせで、高精度な自己位置測定技術を開発。各種プラットフォームに向けた最適化カスタマイズも行うことで、自動運転車や産業用ロボット運用、社会インフラ領域での監視・管理機能など、様々な分野への応用が可能です。

東芝インフラシステムズは、産業用コンピュータを出展いたしました。
その中でも今回は、2023年10月に発売されたスリム型の「FA2100TX model 700」が初出展となります。

スペースが十分に取れない場所でも設置可能なスリム型ボディに、第10世代となるワークステーション向け高性能CPU Intel® Xeon®プロセッサW-1270TE(2.0GHz/8コア)を搭載。さらにメモリやストレージの大容量化を図ることで、昨今加速度的に進むDX化に対応した、大規模データの扱いに最適なデバイスとして進化しています。

また、東芝産業用コンピュータの特長である長期供給(リリース後5年間)と、製造終了後7年間+延長3年(オプション)の長期保守サービスも充実。実績と信頼のある頑健性、耐環境性能も備え、安心して長年ご使用いただけます。

東芝デジタルソリューションズの出展製品は、分散・連成シミュレーションプラットフォーム「VenetDCP®」です。

自動車を含むさまざまな製品のモデルベース開発では、複数の企業・部門が多数のモデルやシミュレータを接続してテスト・検証を行う必要がありますが、1台のマシンでこれらを実現するには相当のマシンパワーが必要であり、企業間の調整や機密保護等の課題があります。

東芝デジタルソリューションズの「VenetDCP®」は、ネットワークを介して様々なシミュレータを接続し、時間や場所にとらわれず、企業の枠を超えた共同デジタル試作を可能にします。各社のモデルは手元に置いたまま、モデルの演算結果のみをネットワーク上で共有するので、秘匿性が保たれ、また他社PCに置かれたシミュレータも遠隔で操作できるので、海外との共同作業であっても時差を気にせず自由に実行可能です。
会場では、自動車の燃費計算を行うための3種のシミュレータを連動させるデモンストレーションをご覧いただきました。

さらに、暗号化および利用者管理により、知的財産を保護してデジタルアセット流通を促進する、NEXTY Electronics様のモデル流通プラットフォーム「moderix®」とのコラボレーションもご紹介いたしました。

これからも、新たな価値を創造する東芝グループのエッジテクノロジーにご期待ください。