Inter BEE 2023[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。
今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

今回の「Inter BEE 2023」には、東芝インフラシステムズ、東芝デジタルソリューションズ、東芝ライテックの3社が出展いたしました。
展示ブースの中央には、東芝インフラシステムズ出展の報道向け小型衛星通信中継車が展示されて、来場者の注目を集めていました。

東芝グループブースでは、「東芝が取り組む、これからの放送システム -クラウドやAI、新技術を活用したシステムソリューション-」をコンセプトに、多様化する放送システムの未来に向けたソリューションとして、IP/ソフトウェア応用技術への取り組みや様々な最新の技術・製品を紹介しました。

従来、制作されたコンテンツはテレビやネットで放送/配信されることが主でしたが、東芝ではその先のコンテンツの有効利用や価値の向上を目指しています。放送システムや映像伝送のIP化および放送設備クラウド化をはじめ、東芝独自のAIエンジンを搭載した顔認識システム「カオメタ」や、テロップ認識、音声認識等を活用してコンテンツのメタデータを作成し、放送データと合わせて統合映像コンテンツ管理システム「次世代meify」で管理、それらを放送データバンクプラットフォームで様々な業界のエコシステムに提供するなど、これまでにない新しいビジネスモデルの構築をご提案いたします。

東芝インフラシステムズでは、クラウドを利用した放送マスターシステムを中心とした次世代放送システムをご提案しています。

IPマスターシステムでは、従来の同軸ケーブルによるSDI(Serial Digital Interface)信号を光ケーブルによるIP化を行い、「VIDEOS coreTM(ビデオスコア)」にて一括管理することで、従来、映像信号の切替えや提供テロップのオーバーラップ、タイムスーパーや天気スーパーなどの映像処理を複数台のハードウェアで実現していたものをソフトウェア化、1台の機器にスッキリまとめる事が可能になっています。また、専用の操作卓もなく、パソコンのみで操作できるため、場所を選ばず業務対応が可能になるなど、次世代の多様な働き方にも対応しております。

会場では、IP制御・管理インタフェースの標準規格であるNMOSで、パソコンから簡単にマルチビューのスイッチができる様子をデモンストレーションしました。

放送データバンクは、テレビ放送によって視聴者が商品を購入したり、実際に出かけるなど、生活行動に繋がっていく放送コンテンツをAIや認識技術を活用・データ化し、放送業界以外の各種関連業界・企業に提供する仕組みです。

例えば、旅行関連番組のデータを旅行会社などのエージェントに提供して、旅行需要の促進に活用して頂いたり、料理や食材を紹介した番組を集めて、スーパーマーケットのサイネージやアプリなどの「リテールメディア」向けに配信するなど、放送業界以外の業種ともシナジーを生み出すべく、実験・検証を進めています。

これまで、商品等のPRといえばCMに限られていましたが、より詳しく商品の魅力を深掘りして伝えられる情報番組をマネタイズコンテンツとして活用することで、放送局に新しいビジネスモデルをもたらすべく、2024年度目標で実運用展開を進めています。

また、コンテンツ活用に役立つ東芝のAI技術の一例として、長年東芝研究開発センターで開発してきた音声認識技術を使って、ニュース番組等の字幕を自動生成するシステムもご紹介いたしました。従来、専門職としてリアルタイムで手入力していた字幕付けを自動化することで、大幅な業務効率化を実現します。

東芝デジタルソリューションの出展からは、多様化するコンテンツに関わる業務をトータルサポートする、制作から配信・販売までの統合映像コンテンツ管理「次世代meify」(参考出展)をご紹介します。AI技術連携により自動付与される多種多様なフレーム単位のメタデータにより、部分利用も含めたコンテンツマルチユースの促進や、スピーディかつ的確な権利処理をサポートします。

顔認識AI「カオメタ」は、世界トップレベルの独自のエンジンを映像コンテンツに特化し、メディアに求められる高速、高精度な認識を提供するメディアのためのシステムです。映像に映る人物の被写体確認や、メタデータの付与に加え、AIテロップ認識との組み合わせで、映像に映る顔と名前のテロップを照合して、名前のテロップの確認をするなど放送素材をチェックするという活用方法もご提案いたしました。

「LADOCsuite/LogiTrace」は、電波で一気に読み取りが可能なRFID技術を活用した電子タグと、それを読み取るRFIDリーダーおよびデータ管理ソフトのクラウドサービスです。放送業界では、多数の機材がロケ現場などに日々貸し出されていますが、その積み込みや返却チェックには多くの手間がかかります。

「LADOCsuite/LogiTrace」を使えば、各機材に電子タグを貼付し、RFIDハンドリーダーをかざすだけで数秒で機材情報の読み取りができ、貸出機材データと照合することで、積み込みの過不足や返却漏れを簡単に発見することができます。

東芝ライテックの出展からは、1台でフルカラーを実現するフルカラーLEDスポットライトとフラッドライトをご紹介いたします(参考出展)。

R(赤)、G(緑)、B(青)に加えC(シアン)、A(アンバー)、M(ミント)の6色のLEDを搭載し、4K/8K撮影にも対応するRec.2020色域の94.2%をカバー。6色全てを使った白色モードでは、器具間の色バラツキを抑えて3000K時Ra95を実現しています。器具サイズと明るさは従来のハロゲン機器と同等で、消費電力と発熱量は大幅減となります。

また、器具には調色、フェードやカット、3種のストロボパターンなどの多彩な演出モードがプリセットされており、双方向通信により、専用ソフト「アドバンスドシステム」で器具単体ごとの制御が可能になります。

実際の操作は調光操作卓から行いますが、本展示会では各機器の横に取り付けた簡易フェーダーで、自由に色が変えられる様子を来場者の方にご覧いただきました。

 

これからも、多様化する放送システムの未来に向けたソリューションを提案し続ける東芝グループにご期待ください。