第8回 IoT/M2M展【春】[展示会・イベント レポート]

展示会レポート

本展示会では東芝グループブースにご来場いただき、誠にありがとうございました。

今回の展示の中から東芝グループ各社のトピックスをご紹介します。

東芝情報システムは、自動車・航空・宇宙機器向け電子機器や医療機器向けのディスプレイパネル開発などで実績のある米国DiSTI社の販売代理店として、高品質なユーザーインターフェースを効率よく開発できる、組込みシステム向けUI開発ツール 「GL Studio®」をご紹介しました。GL StudioはAdobe PhotoshopやAUTODESK 3ds MaxなどでデザインしたUIパーツを、簡単にインポートし、配置・動作設計できる、柔軟な開発環境(デザインツール)と、安全性能に関わる各種の認証を取得している実行環境(ランタイムライブラリ)が特長です。

また、シミュレーション技術を開発に活用する「モデルベース開発ソリューション」については、当社製のリアルタイムシミュレータ“M-RADSHIPS® HSE“を活用した、モータ制御の開発環境を展示しました。モータを開発する際に用いられる磁場解析ツール”JMAG“を活用し、モータのシミュレーションモデルを作成。これを上記のシミュレータ環境に搭載し、リアルタイムにデータを取得・解析できる様子をデモンストレーションしました。

東芝デジタルソリューションズの出展では、組込技術として「音声認識ミドルウェア ボイストリガー」をご紹介しました。

会話式インターフェースとして、常時音声認識をしながら、あらかじめ登録したトリガーワードが発話された時のみピックアップするので、騒音中でも聴き取り精度が高く、またキーワードごとのつながり(シナリオ分岐)の組み合わせを工夫することで、少ないメモリ領域でも色々なパターンの会話が可能。クラウド接続を必要としない小さなパッケージとして、デバイスに組込み型での搭載ができることから、自動車など、高速で移動するためネットワーク通信が難しい、かつ決まったキーワードでの簡単な操作が可能な領域で活躍できます。「音声合成ミドルウェア To Speak」との連携で、聴き取れなかった際には想定されるシナリオを自然な人間の音声に近い音声で聞き返すなど、ユーザーフレンドリーなインターフェース構築を実現しています。

このほか、手振れ補正機能を搭載した画像認識システムを、揺れ動くラジコンカーに搭載したカメラの映像で実演しました。

また、サイバー側のソリューションとしては、IoTデータの分析・予測によりシステムの最適化・自動化・自律化を支援する「東芝アナリティクスAI SATLYS(サトリス)™」を出展いたしました。社会インフラ業界での経験と知見を活かして、産業機械や工場、ビル、プラントなどの付帯設備の稼動状況などの見える化と遠隔監視を実現する「IoTスタンダードパック」に、「SATLYS」による分析を加えることで、さらにデータの利用価値を高めることができます。今回の出展では、水処理プラントの沈殿槽にソナーを沈めてその状態を画像データ化する場合の事例をご紹介。従来は、画像で表された沈殿槽の状態を経験を積んだ専門家が識別する必要がありましたが、多数の画像パターンをAIがディープラーニングによって学習することで、自動認識・分析が可能になります。将来的にはその分析結果をフィードバックして設備の運用も自動で調整するなどの、サイバーとフィジカルのシームレスな融合も目標としています。

そのほか、チップからクラウドまで、エンタープライズシステムだけでなく、社会インフラや産業製造といった制御システムまでをカバーしたセキュリティをワンストップでご提供する「サイバーフィジカルセキュリティ」や、長年の開発の積み重ねで仕様の把握が難しくなったソースコードの見える化・再設計・省力化などを請け負う「リファクタリングサービス」についてもご紹介いたしました。

東芝デベロップメントエンジニアリングは、無線通信で複数センサのデータを時間同期計測可能なSmartBAN規格に対応した実験キットを3月から発売開始。本展示会では実験キットの心電位/加速度センサと脈拍センサをマネキンに取り付けた状態で展示し、生体情報センシングを実際にお使いいただく際の利便性をアピールしました。複数のセンサから送られるデータを高精度に時間同期して検知・分析ができる本技術は、生体情報のみならずFA分野や車載分野にも応用が期待されます。お客様からのご要望に応じて別センサへの変更や、お客様製品への組み込みなど幅広く対応します。

SmartBAN実験キット:https://www.toshiba-dme.co.jp/dme/product/smartban.htm

東芝デバイス&ストレージでは、当社が提供するMbed™ OS搭載のマイコンとArm ® Pelion™を連携させて東芝デジタルソリューションズが東芝のIoT “SPINEX™” として提案する等、東芝グループとして一貫した開発・サポート体制を整えていることをご紹介しました。
また、あらゆる機器がインターネットに接続されるにあたり、より強固なセキュリティ対策が求められることから、東芝では「セキュアファームウエアローテーション」をご提案しています。ポイントとしては、①ファームウエアの改ざんを起動時に検知、②ファームウエア異常時、自律的に稼働を停止し2次被害を防止、③ファームウエアを2面持ち、実行中の面は書き込み禁止の3点です。

出展内容詳細:https://toshiba.semicon-storage.com/jp/design-support/exhibition/iot19.html

セキュアファームウエアローテーション:https://toshiba.semicon-storage.com/jp/product/microcomputer/designsupport/technology/fw-rotation.html

東芝インフラシステムズ 産業システム事業部からは、スリム型の産業用コンピュータ「FA2100T」シリーズの「model 700」と、そのコストパフォーマンスモデルである「model 600」、またデスクトップ産業用コンピュータ「FA3100SS model 1000」の後継機となる開発中モデルを展示いたしました。7スロットのPCI拡張インターフェースや、LANポート3口、USBポート6口といった拡張性能を維持しつつ、従来機種に比べてディスク容量やメモリ転送速度、CPU性能等の基本性能を強化して、さらに高速・高性能になっています。

これからも、サイバーとフィジカル、最先端とレガシーの融合で様々なソリューションを生み出す東芝グループにご期待ください。