生産技術センター

東芝の研究開発・技術

生産技術トピックス

蓄熱用岩石向けの粒度分布評価システムの開発で日本機械学会 IIP部門一般表彰(MSD・IIP合同表彰)を受賞

公開日 2026年4月10日

  • 機械物理・機械システム・ものづくり工学

 本表彰は、日本機械学会 情報・知能・精密機器部門(IIP部門)講演会(IIP2025)において、優れた講演発表を対象として贈られるものです。市販のRGB-Dカメラを用いて蓄熱用岩石の粒度分布を簡易に評価する手法を提案し、その有効性が認められ、今回の受賞となりました。受賞者は当社の神内 拓真、武田 裕と、共同研究先である東芝エネルギーシステムズ株式会社(当時)のメンバーです。表彰式は2026年3月2日に名城大学 天白キャンパスにて行われました。以下に技術の概要を紹介します。
 近年、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、余剰電力を熱として蓄える技術が注目されています。特に岩石を蓄熱材とする方式は環境性や経済性に優れており、実用化が進められています。一般に、このような設備では、充填層内の流動・伝熱特性評価のために岩石の粒度分布を把握することが重要ですが、従来の充填層の圧損や空隙体積から平均径を間接推定する手法は計測コストに課題がありました。本技術は、市販の安価なRGB-Dカメラでバラ積みされた岩石を撮影し、AIを含む画像処理により個々の岩石を抽出して粒度分布を推定するものです。取得した色画像・深度情報を用いることで、非接触かつ簡易な構成で評価作業の省力化が期待できます。
 今後は、蓄熱設備の設計・評価に資する粒度分布評価手法として、本技術の活用を進めていきます。

関連部門・団体

東芝エネルギーシステムズ株式会社(当時)

掲載誌等

日本機械学会 情報・知能・精密機器部門(IIP部門)
開発した粒度分布評価システムの概要

後付ユニットによる装置操作自動化システム(特許第6580890号)が、令和7年度 関東地方発明表彰 発明奨励賞を受賞

公開日 2026年4月10日

  • 知能化ロボット・メカトロニクス技術

 本発明表彰は、各地方における発明の奨励・育成を通じて、科学技術の向上と地域産業の振興に貢献することを目的とした表彰制度です。各地方で優れた発明・考案・意匠を完成させた方や、それらの実用化に尽力された方の功績を称え、顕彰するものです。被表彰者は当社の小林大介です。授賞式は令和7年11月に開催されました。
 以下に技術の概要を紹介します。本技術は既存の製造装置を簡易かつ低コストで自動化する技術で、「あやつり制御技術」と呼んでいます。自動化されている製造装置でも、運転開始や材料供給など、作業者が行う装置操作が必ずあります。これらの定型的操作は項目数が多く、作業に時間がかかり、操作ミスをする可能性もあります。あやつり制御技術では、操作信号の取得・送信機能を備えた後付けユニットを製造装置に取り付けます。このユニットが装置の状態を把握し、必要な操作信号を自動で送信することで、従来は作業者が行っていた装置操作を自動化します。これにより作業時間の短縮と操作ミス防止を実現しました。あやつり制御技術は、東芝Gr内で2016年から導入を開始し、約250台を設置しました。また「Meister Apps™ 設備あやつり制御パッケージ」として製品化されています。低コストで既存設備に自動化機能を追加できるため、様々な製造現場において、生産性向上や既存装置の新たな活用などが期待できます。
 今後もあやつり制御技術の普及を通して、社会を支えていきます。

関連部門・団体

なし

掲載誌等

令和7年度関東地方発明表彰受賞者一覧
あやつり制御技術のシステム概略図

2025年度日本機械学会優秀技術者表彰(ゴールド)を受賞

公開日 2026年4月10日

  • 機器試作・ファクトリーオートメーション技術

 本賞は、機械工学・機械工業の実務に長く携わり、業務の関係上、学会発表や論文投稿などの学術活動の機会が少ない学会員に対し、所属する特別員が顕著な業績があると認め、その業績により機械工学・機械工業の発展への貢献が評価される優秀技術者を表彰するものです。被表彰者は当社の上野裕史です。設計技術の高度化と若手育成に尽力しつつ、試作機開発を通じて先端技術の社会実装を加速し、機械工業の発展に多面的に貢献したことが認められ、日本機械学会優秀技術者表彰(ゴールド)を受賞しました。学術活動の機会が少ない技術者にとって、このような賞の受賞は励みとなります。
 今後も、技術の研鑽をつみ、社会課題の解決に貢献していきます。

関連部門・団体

日本機械学会

掲載誌等

日本機械学会優秀技術者表彰
被表彰者 上野 裕史

スポット溶接検査ロボットにおける検査プローブの位置補正機能の開発でIIP2025 MSD・IIP部門連携表彰を受賞

公開日 2026年4月10日

  • 知能化ロボット・メカトロニクス技術

 本賞は、一般社団法人日本機械学会 情報・知能・精密機器部門が主催するIIP2025情報・知能・精密機器部門講演会(MSD・IIP部門連携セッション)において、講演内容・プレゼンテーションともに優秀な講演を表彰するものです。2025年3月に開催された本講演会での、当社のスポット溶接検査ロボットに関する発表に対して受賞が決定いたしました。被表彰者は当社の千葉康徳です。授賞式は2026年3月2日に行われました。以下に技術の概要を紹介します。
 当社では、超音波検査技術を用いたスポット溶接検査装置Matrixeye™と6軸垂直多関節の産業用ロボットを組み合わせ、スポット溶接部の検査を自動実行するロボットシステムを実用化しています。このシステムでは、超音波プローブを溶接部に接触させる位置をあらかじめ教示しておく仕組みになっていますが、ワークの搬送誤差などに起因する超音波プローブの接触位置ずれを、溶接点ごとに補正する機能の実現が課題でした。
 そこで、溶接痕をカメラにより検出し、教示点に対する誤差を算出することで、超音波プローブの接触位置を自動補正する機能を開発しました。溶接痕は形状や外観にばらつきがあるため、高い検出ロバスト性と高速処理の両立が求められます。そのため、従来のルールベースアルゴリズムではなく、物体検出AIであるYOLOv3*1)を用いて溶接痕を検出し、得られたバウンディングボックス内で溶接痕のずれ量を算出する二段階の手法を適用しました。
 実際の製造ライン適用にあたっては、溶接痕検出の信頼性に加え、処理時間および超音波プローブの位置決め精度が重要となります。これに対し、開発した機能を既存システムに実装し、実用上十分な性能を有することを実証しました。今後は、溶接痕検出のさらなる信頼性向上に加え、学習データの運用方法について検討していきます。

*1) YOLOv3(You Only Look Once version 3)は、2018年に発表された高速かつ高精度なリアルタイム物体検出アルゴリズム

関連部門・団体

株式会社東芝 セキュリティ・自動化システム事業部、東芝検査ソリューションズ株式会社

掲載誌等

一般社団法人 日本機械学会
超音波プローブの接触位置自動補正機能を付加したスポット溶接検査ロボット