人と、地球の、明日のために。

環境未来ビジョン2050

東芝グループは、「人と、地球の、明日のために。」を経営理念の主文に掲げ、事業を通じて社会の発展に貢献していくという変わらぬ信念を示しています。創業時から培ってきた発想力と技術力を結集し、複雑化・深刻化する社会課題解決に立ち向かい、新しい未来を始動させることが、私たちの存在意義です。この理念に基づき策定した中期事業計画のもと、当社グループ独自の信頼性の高いサービスと最先端の技術で社会課題の解決をめざすとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献し、更なる企業価値の向上を図っていきます。東芝グループは、環境への取り組みを、企業経営の最重要課題の一つとして位置づけ、このような全社事業計画と密接した取り組みを進めていきます。

長期ビジョン「環境未来ビジョン2050」の策定

近年、気候変動やエネルギー・資源の枯渇などさまざまな環境問題が深刻化し、将来世代の安心・安全な生活が脅かされています。特に気候変動に関しては、世界各地で洪水や干ばつ、巨大台風が発生するなど影響が顕在化するなかで、2015年のパリ協定※1採択を契機に各国でカーボンニュートラルに向けた動きが加速しており、企業においても長期的な視点で気候変動の重要性を認識し、カーボンニュートラルの実現に向けた対応を積極的に進めることが求められています。

更にサーキュラー・エコノミー(循環経済)への移行や海洋プラスチック問題、水資源や生物多様性保全などの課題に関しても、この数年間で世界各国における対応が進み、社会的な関心もますます高まっています。同時にSDGsの普及やESG投資拡大など、企業のサステナビリティ経営全体にかかわる動きも活発化しています。

また、社会の変容とともに当社グループ内の事業構造改革も進んでいます。これからの東芝グループは、カーボンニュートラルの達成やレジリエントなインフラ実現をリードする「インフラサービスカンパニー」、および社会・情報インフラの進化を支える「デバイスカンパニー」の新会社をそれぞれ設立し、専門的かつ俊敏な経営体制により、事業の競争力を強化し、価値創造を進めることをめざします。

このようにさまざまな状況が変化するなかで、私たちが持続可能な社会の実現に貢献し、かつ企業として持続的な発展をめざすためには、長期的な視点で世界の潮流に対応しながら、豊かな価値を提供し続けていくことが重要と考えています。そこで東芝グループでは2020年11月、カーボンニュートラルや循環経済への対応などグローバルな視野に立った新たな長期ビジョンとして、「環境未来ビジョン2050」を策定しました。「環境未来ビジョン2050」は「豊かな価値の創造と地球との共生をめざした環境経営を通じて持続可能な社会の実現に貢献する」ことを目的とし、持続可能な社会、すなわち脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会の実現をめざします。前ビジョン策定時の2007年から取り入れてきた「バックキャスティング※2」の考え方を継続し、2050年の「あるべき姿」に向けて「気候変動への対応」「循環経済への対応」「生態系への配慮」の3分野への取り組みを推進していきます。なお、「気候変動への対応」については、バリューチェーン全体におけるカーボンニュートラルに向けた取り組みを更に加速させるため、2021年11月にビジョンの改定を行いました※3

※1
国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択された、温室効果ガス排出削減に向けた国際枠組み。世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃未満に保ち、1.5℃に抑える努力をすること、そのために温室効果ガスの排出を今世紀後半に実質ゼロまで下げることを目標としている。
※2
未来のあるべき姿を想定し、そこから振り返ってその実現手段を考える方法。
※3
2020年11月策定「気候変動への対応」ビジョン:「社会の温室効果ガス排出量ネットゼロ化に向けたバリューチェーン全体での貢献(2030年までに自社グループのバリューチェーンで50%削減)」
2021年11月改定「気候変動への対応」ビジョン:「バリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現(2030年までに温室効果ガス排出量を70%削減)」

「東芝グループ環境未来ビジョン2050」のイメージ

「気候変動への対応」では、パリ協定の達成にむけて、2050年度までに東芝グループのバリューチェーン全体でカーボンニュートラルをめざすとともに、その通過点として、2030年度までに温室効果ガス排出量を70%削減(2019年度比)することを目標とします。具体的な施策としては、自社グループの事業活動における省エネ設備への投資、再生可能エネルギー設備の導入、再生可能エネルギー由来電力の調達に加え、石炭火力建設工事の新規受注停止や、再生可能エネルギー、エネルギーアグリゲーション、CO2分離回収技術などのエネルギー技術、省エネ性の高い社会インフラ製品やビル関連製品など、社会における温室効果ガス削減に貢献する製品・サービスの創出に注力します。さらに、調達取引先の皆様との協働による購入した製品・サービス由来の温室効果ガス排出量の削減や、エネルギー供給の安定化・レジリエンス強化などを目的とした気候変動適応策に関連したビジネス、様々なステークホルダーとのエンゲージメント活動なども推進していきます。

「循環経済への対応」では、事業活動と製品・サービスの両面で資源の有効活用を進めるとともに、業界団体、行政、他企業などを含めた関係主体との積極的な連携のもと、循環経済型ビジネスモデルへの転換を図っていきます。具体的には、事業活動における廃棄物量の抑制や使用済み製品・部品のリサイクルに取り組むほか、当社グループの注力ビジネスであるデジタル技術を活用したソリューションなどを通じた循環経済型ビジネスモデルの構築をめざします。

「生態系への配慮」では、世界各国の化学物質管理に関する政策・規制への対応や、水資源の適正な管理、事業所内外での生物多様性保全に向けた活動を推進することにより、自然と人間が調和して暮らし、生態系からの恵みを享受し続けられる社会の構築に貢献します。

再生可能エネルギーやEV(電気自動車)などさまざまなエネルギーリソースを集約し、電力の需給状況により出力を制御する仕組み。

「気候変動への対応」温室効果ガス削減目標の内訳

「環境未来ビジョン2050」達成に向けて、温室効果ガス削減目標の内訳を以下のとおり設定し、取り組みを進めていきます。

「2050年に向けた温室効果ガス削減のステップ」のイメージ

SBTの認定取得

「SBT(Science Based Targets)」のイメージ

2030年度目標※1について、SBT(Science Based Targets)※2の認定を取得しました。今後、SBTの新たな認定基準に則り、更新認定の取得をめざします。

(すべて2019年度基準)

  • Scope1※3・Scope2※4(自社グループの事業活動による温室効果ガス排出量)の合計を
    2030年度までに28%削減
  • Scope3※5における、販売したエネルギー供給製品・サービス※6の使用による温室効果ガス排出量の合計を
    2030年度までに50%削減
  • Scope3における、販売したエネルギー消費製品・サービス※7の使用による温室効果ガス排出量の合計を
    2030年度までに14%削減
※1
環境未来ビジョン2050改定前(2021年11月以前)の2030年度目標
※2
世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求するために、企業が中長期的に設定する科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標。SBTイニシアチブによって認定される。東芝グループの認定対象は環境未来ビジョン2050改定前(2021年11月以前)の2030年度目標
※3
自社での燃料使用による直接排出量
※4
自社が購入した電力や熱の使用による間接排出量
※5
Scope1・2以外に自社のバリューチェーン(原材料調達・物流・販売・廃棄など)で発生する間接排出量
※6
発電プラントなど
※7
社会インフラ製品、ビル関連製品(空調機器、照明機器、昇降機)、リテール&プリンティング機器、パワーデバイスなど

Scope1・Scope2については、自社グループの事業活動における省エネ設備への投資や再生可能エネルギーの導入拡大を進め、排出量の削減をめざします。
Scope3についてはカテゴリ11「販売した製品の使用による排出量」を対象とし、排出削減をめざします。