環境コミュニケーション

東芝グループでは環境コミュニケーションを第7次環境アクションプランの「環境基盤活動」項目の一活動として位置づけ、「社外向け情報発信」と「ステークホルダーとのネットワークづくり」を柱に活動を推進しています。「社外向け情報発信」においては、ステークホルダーの皆様に東芝グループの環境に関する取り組みをタイムリーに発信していくことが重要と考え、東芝グループ環境活動ウェブサイトを中心にさまざまな最新情報を発信しています。「ステークホルダーとのネットワークづくり」においては、地域住民の皆様、NPO・NGO、行政などとの連携、従業員同士の連携をベースとした、ニューノーマル時代に合ったコミュニケーション活動の推進を活動目標としグローバル各拠点で推進しています。

社外向け情報発信


東芝グループでは1998年度から「環境レポート」を、2004年度から「CSRレポート」をそれぞれ発行しており、2020年度及び2021年度は「サステナビリティレポート」として両レポートを統合しました。2022年度からは、いっそうタイムリーな情報発信を進めるためレポート形式の発行はやめ、東芝グループ環境活動ウェブサイトにて東芝グループの総合的な環境関連情報を発信しています。そのほか、世の中の動向を反映した最新の取り組みについては、広告や展示会などを通して情報発信を行っています。

環境広告

加速するカーボンニュートラルへの取組みとして、アクセンチュア様と共同で展開するグリーントランスフォーメーション(GX)コンサルティングサービスをご紹介しました。
「再エネ供給」、 「FEMS/製造現場最適化」、「CO2見える化」の3つのGXソリューションを東芝グループ内の先行拠点で展開しており、今後磨き上げたGXソリューションを社外に提供していきます。

日経BP「日経ESG」(2023年4月発行号)

ステークホルダーとのネットワークづくり


東芝グループでは、地域住民の皆様、NPO・NGO、行政などとのコミュニケーションや従業員同士の連携を通じて環境意識の向上を図り、さまざまな環境課題の解決に貢献していくことが重要と考えています。2022年度は「エネルギー」「資源」「化学物質」「水」「自然」の5つを活動テーマに、世界14か国のステークホルダーの皆様とともに、約340件の環境活動を行いました。参加者が一丸となって楽しみながら環境保全の尊さについて考えると同時に、省エネ、資源循環、生物多様性保全などに関連する社会や地域に根差した環境課題の解決に貢献することができました。

事例1 脱炭素に貢献する「水素」テーマの環境教育プログラム(主な活動テーマ:エネルギー)

東芝エネルギーシステムズ(株)

東芝エネルギーシステムズ(株)においては、東芝未来科学館、神奈川県川崎市の中学校、並びにFH2Rのある福島県の道の駅において、「水素」について紹介する出張授業を行う環境教育プログラムを実施しました。
本プログラムは、CO2などの温室効果ガスの増加による地球温暖化などの環境問題、並びにその解決には水素が有効であることについて説明した後、鉛筆や電池を用いて実際に「水素をつくる・つかう」実験をしていただく内容となっており、環境問題とその解決手段等について関心をもつ契機となることを目的に実施しています。
受講生からは「自分の身の回りにある問題に気づき、水素や燃料電池によるエネルギーが環境問題の解決に役立つことを学んだ」などの感想をいただいています。

  • FH2R:Fukushima Hydrogen Energy Research Field(福島水素エネルギー研究フィールド)
川崎市中学校
東芝未来科学館
福島県道の駅

事例2 家電リサイクルセンターの 「WEB工場見学」の動画公開(主な活動テーマ:資源)

東芝環境ソリューション(株)

東芝環境ソリューション(株)は、家電製品やOA機器、太陽電池等のさまざまな使用済み製品のリユース・リサイクル及びソリューションを通じて、サーキュラーエコノミーに取り組んでいます。
現在、テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫の家電4製品について、リサイクルの重要性や廃棄物処理の問題意識等をより広く知っていただくために、普段は見ることのできない家電リサイクルセンターの内部をオンラインで紹介する「WEB工場見学」の動画を公開しています。廃棄された家電製品の回収から分解、選別、リサイクル材の抽出等の工程を紹介し、リサイクルによる効果やリサイクル材の再利用方法を解説しています。これにより、家電リサイクルをより身近に感じ、リサイクルへの取り組みと理解が促進されることを期待しています。
今後も長年培った経験と確かな技術力をベースに、リサイクル事業に取り組み、サーキュラーエコノミーに貢献していきます。

工場見学動画 画面イメージ

事例3 廃棄物削減をテーマとした環境教育でリメイクワークショップ(主な活動テーマ:資源)

東芝セミコンダクタ・タイ社

東芝セミコンダクタ・タイ社の近隣住民へのCSR活動の一環として、近隣にあるスリマハフォット学校で従業員による環境教育を行いました。本環境教育は当社で初めての活動となります。本環境教育は学校で生徒たちと対面で行い、地球温暖化と3R(リユース、リデュース、リサイクル)といった廃棄物削減をテーマに動画教材も活用しながら授業を行い、当社の省エネや環境への取り組みを学んでいただきました。そして古くなったTシャツからエコバッグをつくるワークショップも実施しました。今後も環境啓発活動を行い、地域住民との関係の醸成を進めてまいります。

授業を受けた生徒数:中学2年生31人

参加者の集合写真
授業の様子
古くなったTシャツでつくったエコバッグ

事例4 ミッチェル湖の水質改善活動(主な活動テーマ:水)

東芝アメリカビジネスソリューション社 トナー工場

事業所近隣のミッチェル湖では近年緑藻の大量発生による水質悪化が問題になっています。緑藻の大量発生の原因は湖水中のリンと窒素の増加が関係していますが、これらは植物により吸収することが可能といわれています。東芝アメリカビジネスソリューション社では、ミッチェル市当局、周辺の企業、及びボーイスカウトと協力し、植物を植えた浮島を作成し湖への設置を行いました。2023年度も継続して活動に参加することを計画しています。

浮島の準備

ミッチェル湖への設置

事例5 森林整備活動(主な活動テーマ:自然)

東芝テックヨーロッパ画像情報システム社

東芝テックヨーロッパ画像情報システム社では社内に生物多様性保全活動チームを結成し、環境関連の各種活動を行ってきました。近年では近隣組織との共同活動を重視し、事業所が所在するディエップ市当局や学校、企業との共同活動を行っており、2021年度からは新たに林業を専門に教育する学校との協力関係を構築し活動しています。2022年度は事業所内の緑地整備のほか、周辺地域およそ2ヘクタールの森や林の間伐、土地の整備、清掃活動などを生徒たちと共同で実施しました。

学生と共同で林・森の整備活動を実施

事例6 コンテスト形式による従業員向け環境啓発活動(主な活動テーマ:環境全般)

東芝情報機器フィリピン社

東芝情報機器フィリピン社では、従業員の環境意識向上に向けてさまざまな施策でコンテスト形式を導入した活動を展開しています。事業活動においては、従業員に環境マネジメントシステム(EMS)手順書と運用管理に関する理解と認識を深めるためのクイズショーを行ったり、環境問題に対する環境パフォーマンスを向上させる取り組みのアイデアのコンテストをしています。また、従業員の家庭においても、各家庭で行っている省エネや節水の対策を紹介し、経費を削減することを奨励するとともに、エネルギーと水の消費削減も呼びかけたり、自然環境や地域社会の美しさを実感し、環境保全の意欲をかき立てるためのフォトコンテストを実施しています。コンテスト形式によって従業員のもつさまざまな発想を円滑に交換し合うことで、環境に対する意識を向上しています。

クイズショーに参加する従業員

自然や生き物など地球の美しさを
捉えたフォトコンテスト

家庭で節電・節水に取り組む
省エネコンテスト

環境改善活動の
アイディアコンテスト

事例7 子ども向け環境教育プログラム(主な活動テーマ:環境全般)

(株)東芝(日本)

企業と連携した授業づくりを専門とするNPO法人企業教育研究会とともに、東京近郊や東芝グループの事業所・工場・支社支店などが立地する地域の小学校、全国のイベント会場などで子ども向け環境教育プログラムを実施しています。
本プログラムは、地球温暖化や資源の枯渇など、人びとの生活に大きな影響を与える環境問題について子どもたちに気づきを得てもらうとともに、これらの問題解決に貢献するさまざまな科学技術を紹介することで、小学生自らが社会の一員として環境問題や社会に貢献する手立てを深く考え、行動を起こすきっかけづくりを行います。
授業内容は小学校学習指導要領と連動し、理科・社会・総合学習などの授業として取り入れられるものとなっています。実験、班活動、先生との積極的な「対話」に重きを置き、環境問題の解決に向けたさまざまな取り組み・技術について楽しく学べる内容となっています。
プログラムは「エネルギー」をテーマとした『コンセントの向こう側はどうなっているの?』と、「半導体」をテーマとした『電気をあやつるふしぎな素材!? ~半導体の発見・利用から学ぶエネルギーの使い方~』の2つを展開しています。持続可能な社会の担い手となる子どもたちが「自分たちが現在できること」「10年後、20年後にできること」を考える場とし、子どもたちや先生方と活発な意見交換を行っています。

「エネルギー」をテーマとした授業では風力発電、地熱発電、太陽光発電、火力発電など、さまざまな発電方法の特徴を実験を交えて学習

「半導体」をテーマとした授業では半導体が製品の省エネに貢献できることを電子工作を通じて理解すると同時に、製造時にも環境に配慮がなされている点を学習

加賀東芝エレクトロニクス(株)では、2022年度に近隣の小学校の子どもたちに出前授業を行いました。半導体の歴史や仕組み、省エネ貢献について学んでいただき、回路工作を体験していただきました。子どもたちからは、「電気の働きについて知ることができてうれしかった」「信号のつくり方や地球温暖化がどんなものかわかりました」などの感想をいただきました。
なお、この活動は「第13回いしかわエコデザイン賞2023」教育・社会活動領域において、パブリシティ賞を受賞しました。